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【 名前を忘れても、消えないもの 】── 記憶がほどけていく母と娘の物語 ──【 認知症 / 介護 / 家族 / エッセイ / 4コマ漫画 / AIイラスト / 画像生成AI / 創作日記 】

人は、大切な人のことを、どこまで「覚えて」いられるのでしょう。
そして、記憶が薄れていったとき、二人の間に残るものは何なのでしょうか。
これは、ある母と娘の小さな物語です。

4コマまんが 介護編#191


名前を忘れても、消えないもの

🌿 記憶がなくなったら、家族ではなくなるのだろうか

このマンガで描きたかったのは、
**「人と人とのつながりは、記憶だけでできているのだろうか」**ということです。

名前を忘れる。
顔が分からなくなる。
一緒に過ごした出来事も、少しずつ遠くなっていく。

それは、家族にとってとてもつらいことだと思います。

「私のことを覚えていてほしい」

そう願うのは、きっと自然なことです。

だから娘は、母に写真を見せます。

「この子、誰だか分かる?」

ほんの少し期待しながら。
もしかしたら、今日は思い出してくれるかもしれない。

けれど返ってきたのは、

「……ごめんなさい。分からないわ」

という言葉でした。


忘れられる側にも、悲しみがある

記憶を失っていく本人の苦しさは、もちろんあります。

でも同時に、
「忘れられていく側」にも悲しみがあります。

自分の名前を呼んでもらえない。

一緒に笑ったことも、旅行したことも、誕生日を祝ったことも、相手の中から少しずつ消えていく。

それはまるで、
自分とその人を結んでいた糸が、一本ずつほどけていくような感覚なのかもしれません。

娘が「……また来るね」と背を向けたのも、母を責めたいからではありません。

ただ、その場にいるのが少しだけ苦しかった。

そんな気持ちを込めました。


それでも、消えないものがある

ところが、母は娘を呼び止めます。

「待って」

母は、娘の名前を思い出せません。

自分の娘だということさえ、分からないかもしれません。

それでも。

娘が泣いていると、苦しい。

悲しそうにしていると、胸が痛む。

理由は説明できない。
思い出も出てこない。

でも、心だけが反応する。

ここが、このマンガで一番描きたかったところです。


記憶と愛情は、同じものではない

私たちはつい、

「覚えていること=大切に思っていること」

だと考えてしまいます。

でも、もしかすると愛情は、そんなに単純ではないのかもしれません。

頭では忘れてしまっても、
声に安心したり、手を握ると落ち着いたり、悲しい顔を見ると自分まで苦しくなったりする。

言葉にできなくても、
説明できなくても、

その人の中に残っている何かがある。

それは記憶とは少し違う場所にあるものなのかもしれません。


「覚えている」だけが、つながりではない

もちろん、忘れられる悲しみが消えるわけではありません。

「覚えていなくてもいい」と簡単に割り切れるものでもないと思います。

それでも、

名前を呼んでもらえなくなったとしても。

昔の思い出を一緒に語れなくなったとしても。

その人との関係まで、すべてなくなってしまうわけではない。

そう考えることができたら、ほんの少しだけ救われる瞬間もあるのではないでしょうか。


💐 名前の代わりに、残っているもの

最後に娘は言います。

「……それは、お母さんだからだよ」

母は「娘」という名前を思い出せない。

けれど、娘の涙を見て胸が痛む。

その感情こそが、
母と娘の間に残っているものなのだと思います。

名前を忘れても。
思い出を忘れても。
その人を大切に思っていた心まで、すべて消えてしまうとは限らない。

このマンガを読んだあと、

「覚えていること」だけでは測れない、人と人とのつながりについて、

ほんの少しでも考えてもらえたら嬉しいです。


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