60歳からのタイ婚活 第1話:最初に勘違いしやすい「優しさ」の正体 by タクヤ & ジュンナ
翻訳アプリだけでは伝わらない、お金・家族・本音の文化翻訳
言葉は通じても、文化がズレると関係は上手くいかない
タクヤです。バンコクで暮らしていると、
日本人男性からよく聞く言葉があります。
「タイ人女性って、本当に優しいですよね」
「日本より話しやすい気がします」
「60歳からでも、タイなら結婚のチャンスありますか?」
たしかに、
チャンスはあります。
でも最初に言っておきたいのは、
タイ人女性の“優しさ”を、日本の感覚だけで受け取ると危ない
ということです。
優しく見える。
よく笑ってくれる。
否定せずに話を聞いてくれる。
LINEの返事もやわらかい。
だから、
「これは脈ありかも」
と思ってしまう。
でも、バンコクで長く暮らしていると、
その判断が早すぎるケースをよく見ます。
今回の話は、
バンコクで調査会社を経営する私、タツヤ40歳と、
外資系企業で働く日本人女性のジュンナ35歳の会話を通して、
60歳からのタイ婚活で最初に勘違いしやすい
“優しさの正体”
について考えていきます。
アソークのカフェで聞いた、ジュンナの本音
平日の午後、バンコク・アソークのカフェ。
外はむっとする暑さで、BTSの高架下にはバイクタクシーが並んでいる。
スーツ姿のタイ人会社員、
ノートPCを開く外国人、
旅行中らしい日本人夫婦。
いろんな人が混ざっているのが、バンコクらしい。
タツヤはアイスアメリカーノを飲みながら、向かいに座るジュンナに聞いた。
タツヤ:
「日本人男性ってさ、タイ人女性のことを“優しい”って言う人が本当に多いんだよね」
ジュンナ:
「うん。よく聞く。でも、その“優しい”はちょっと注意した方がいいかも」
タツヤ:
「注意?」
ジュンナ:
「タイ人は、最初から強く否定しない人が多いの。相手を傷つけないように笑って聞いてるだけなのに、“好かれてる”って思われることもある」
タツヤ:
「ああ、それはあるね。日本人男性から見ると、すごく好意的に見えるんだと思う」
ジュンナ:
「でも、笑顔は笑顔。恋愛感情とは限らないよ」
この一言は、タイ婚活ではかなり大事です。
タイでは、
相手の面子をつぶさない。
その場の空気を悪くしない。
強い言葉で否定しない。
そういう振る舞いが、日常の中に自然にあります。
日本人男性から見ると、それがとても優しく見える。
でも実際には、
好意ではなく、礼儀や気遣いの場合もある
ということです。
笑顔はサイン。でも恋愛のサインとは限らない
タイの人は、よく笑う印象があります。
屋台で注文するとき。
タクシーで行き先を伝えるとき。
コンビニで小さなやり取りをするとき。
ちょっとした場面でも、
笑顔が返ってくることがあります。
その空気に慣れていない日本人男性は、
「感じがいい」
「自分にだけ優しい」
「距離が近い」
と思いやすい。
でも、ここで一度立ち止まった方がいいです。
タツヤ:
「日本だと、女性がニコニコ話を聞いてくれると、けっこう特別な感じに受け取る人もいるよね」
ジュンナ:
「タイでは、相手に失礼にならないように笑うことも多いよ。イヤでもすぐ顔に出さない人もいる」
タツヤ:
「じゃあ、笑顔だけで判断するのは危ない?」
ジュンナ:
「危ない。見るなら、その後の行動かな」
ここがポイントです。
笑顔そのものより、
その後の行動を見ること。
連絡が続くのか。
会う時間を作ってくれるのか。
相手からも質問してくれるのか。
自分の話だけでなく、相手も将来の話をしてくれるのか。
本当に関心があるなら、
笑顔以外の行動にも出ます。
逆に、
会う約束がいつも曖昧。
返事は来るけど深い話にならない。
困ったときだけ連絡が来る。
こちらの生活にはあまり興味を持たない。
そういう場合は、
「優しいから脈あり」とは言えません。
60歳からのタイ婚活では、
舞い上がるよりも、
静かに観察する力が大切です。
「日本人だからモテる」はもう古い
昔のイメージで、
「日本人男性はタイで人気がある」
と思っている人もいます。
たしかに、日本への印象が良いタイ人は多いです。
日本の食べ物。
旅行先としての日本。
清潔な街。
アニメやドラマ。
きちんとしている国というイメージ。
こうした好印象はあります。
でも、
それはそのまま
日本人男性なら誰でも恋愛対象になる
という意味ではありません。
ジュンナ:
「日本は好き。でも、日本人男性なら誰でも好き、ではないよ」
タツヤ:
「それ、はっきり言うね」
ジュンナ:
「だって普通そうでしょ? 日本が好きでも、その人と結婚したいかは別」
タツヤ:
「たしかに。国のイメージと本人の魅力は別だね」
ジュンナ:
「うん。優しいか、話を聞いてくれるか、怒らないか、ちゃんと尊重してくれるか。そこを見る」
タイ婚活で失敗しやすいのは、
「日本人」という肩書きに頼りすぎることです。
日本人だから信用される。
日本人だから喜ばれる。
日本人だから結婚できる。
そう考えていると、現実とのズレにぶつかります。
大事なのは国籍ではなく、
目の前の相手とどう関係を作るかです。
60歳から見られるのは、若さより安心感
60歳からの婚活では、
年齢を気にする人も多いと思います。
「自分はもう若くない」
「相手にされないのでは」
「年齢差があると無理なのでは」
不安になるのは自然です。
ただ、バンコクで見ていると、
うまくいっている年齢差カップルもいます。
でも、そういう人たちは、
ただお金があるから選ばれているわけではありません。
共通しているのは、安心感があることです。
タツヤ:
「60代の日本人男性でも、いい関係を作っている人はいるよね」
ジュンナ:
「いる。でも、偉そうじゃない人」
タツヤ:
「偉そうじゃない人。そこ大事だね」
ジュンナ:
「“日本ではこうだ”ばかり言う人は疲れる。タイに住むなら、タイの考え方も見てほしい」
60歳からの婚活では、若作りよりも大切なものがあります。
感情が安定していること。
相手の話を最後まで聞けること。
すぐに怒らないこと。
店員さんへの態度が横柄でないこと。
相手の家族や仕事を見下さないこと。
こういう部分は、想像以上によく見られています。
高級レストランに連れて行くより、運転手や店員にどう接するか。
プレゼントを渡すより、相手の話をちゃんと覚えているか。
タイ人女性は、
そういう日常の態度を見ています。
優しさを受け取る前に、自分も優しくできているか
タイ人女性の優しさに惹かれるのは、自然なことです。
でも、婚活で大事なのは、相手が優しいかどうかだけではありません。
自分も相手にとって優しい存在になれているか。
ここを考える必要があります。
タツヤ:
「日本人男性の中には、“タイ人女性は優しいから癒されたい”っていう人もいるんだよね」
ジュンナ:
「癒されたいだけだと、相手は疲れるかも」
タツヤ:
「どういうこと?」
ジュンナ:
「女性も人間だから。いつも笑って、いつも優しくして、いつも受け入れるなんて無理だよ」
これは本当にその通りです。
タイ人女性を、
「癒してくれる存在」
「優しくしてくれる存在」
「日本人男性を受け入れてくれる存在」
として見てしまうと、
関係は一方通行になります。
相手にも仕事があります。
家族があります。
不安があります。
疲れる日もあります。
機嫌が悪い日もあります。
その当たり前を忘れてしまうと、
相手を一人の人として見られなくなります。
婚活で必要なのは、
優しさを求めることだけではありません。
相手の優しさに甘えすぎないこと。
自分も相手を安心させること。
対等な人間同士として向き合うこと。
それができる人は、
年齢に関係なく信頼されやすいです。
「優しい女性」ではなく「一人の人」として見る
タイ婚活で最初に必要なのは、派手なテクニックではありません。
高級な食事でも、
大きなプレゼントでも、
流暢なタイ語でもありません。
まず必要なのは、
相手を決めつけないことです。
タイ人女性だから優しい。
タイ人女性だから年上男性が好き。
タイ人女性だから日本人に憧れている。
タイ人女性だから家族を助けたいはず。
そういう思い込みは、一見ポジティブに見えても危険です。
相手は、
「タイ人女性」というカテゴリーではなく、
目の前にいる一人の人です。
明るい人もいれば、静かな人もいます。
家族との距離が近い人もいれば、自立した距離感を大事にする人もいます。
結婚を急ぎたい人もいれば、まずはゆっくり知りたい人もいます。
だからこそ、
最初から答えを決めつけない。
会話する。
観察する。
相手の生活を知る。
自分のことも正直に伝える。
その積み重ねが、
本当の信頼につながります。
文化を翻訳できる人が、タイ婚活で失敗しにくい
60歳からのタイ婚活は、
決してクリアできない無理ゲーではありません。
むしろ、
人生経験があるからこそ、
落ち着いた関係を作れる可能性もあります。
ただし、
日本の常識だけでタイの恋愛を見ると、
大切なサインを読み間違えます。
笑顔は、
恋愛感情とは限らない。
優しさは、
好意ではなく礼儀かもしれない。
日本人への好印象は、
あなた個人への愛情とは別。
年齢差を埋めるのは、
若作りではなく安心感。
そして、
相手に優しさを求めるなら、
自分も相手にとって安心できる人でいること。
これが、
60歳からのタイ婚活で最初に必要な文化翻訳です。
バンコクの夕方、
BTSアソーク駅の階段を人が流れていく。
屋台の匂い。
バイクの音。
湿った空気。
スマホを見ながら歩く会社員たち。
この街には、いろんな出会いがあります。
でも、出会いがあることと、関係が育つことは別です。
タイ婚活で本当に大事なのは、
相手の笑顔に浮かれることではありません。
その笑顔の奥にある文化を、丁寧に読み取ることです。
次回の第2話は、
さらに現実的な話に入ります。
テーマは、
お金と家族。
ここを間違えると、
どれだけ最初の雰囲気がよくても、
関係は一気に崩れます。
60歳からのタイ婚活 第2話:「話し合えばいい」が一番難しいにつづきます。
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