覚書英文法:受動態でなぜbyが使われるのか!?

from X to Z by Y
受動態でなぜ by が使われるのか。「情報の中心(主題)」が入れ替わる中で、エネルギーの伝達経路がどう記述されるか。by のコアイメージである「経由・媒介路(ルート)」を軸に、理論的に解説する。

1) Bill had the box.
2) Bill gave the box to Jill.
3) Bill gave Jill the box.
4) The box was given to Jill by Bill
5) Jill was given the box by Bill.
6) Jill got the box from Bill.
7) The box got to Jill from Bill.
1. 授与のエネルギーの「起点」と「終点」
まず、元の文(能動態)と、それに近い意味の文を比較する。
2) Bill gave the box to Jill.
7) The box got to Jill from Bill.
ここでは、エネルギー(箱)が Bill(起点:from) から Jill(終点:to) へと移動している。この時、Billは「自ら動く主体」として主語に座っている。
from Bill---⇢to Jill
2. 受動態における「主題」の交代
受動態になると、関心の中心が「箱」や「受け取り手」に移る。
4) The box was given to Jill...
5) Jill was given the box...
この時点で、文の主役は Bill ではなくなった。しかし、この「与える」という出来事が成立するためには、誰を「経由」してそのエネルギーがもたらされたかという「ルート」を示す必要がある。
3. なぜ from ではなく by なのか
ここで 6) Jill got the box from Bill. と、受動態の文を比較してみよう。
from:単なる「出発点」を指す。Billがただそこにいただけでも成立する。
by:「〜という経路を通って(〜の力添えで)」という媒体を指す。
受動態 be + -en(過去分詞)は、主語が「〜された状態」にあることを示すが、その状態を引き起こした「実行ルート(手段・媒介者)」を添える際、道筋を示す by が最も論理的に適合する。
4. 構文の理論的まとめ
例文を「エネルギー(箱)の流れ」で整理すると以下のようになる。
英文視点 (主題) エネルギーの経路表現
2)&3) Bill gave... 発信者(能動)主語自身が源泉なので前置詞不要
6) Jill got... from Bill 受信者 from = 単なる出発点 (起点)
4) & 5) ...by Bill 出来事全体 by = その行為を成立させた「媒介ルー ト(動作主)」
※2)と3)の違いについては下記拙論note参照:
理論的結論
受動態で by が使われる理由は、能動態の主語(動作主)が、受動態の文においては「その事態を引き起こすための媒介路・経由ルート(手段としての人間)」へと役割が変化するから。
Bill & Jill's Logic:Bill が箱を「持っていた」状態から、3) や 4) で Bill が by の後ろに回ることで、「Billという存在を経由して、この授与という出来事が完遂された」という客観的な経路が記述されている!
