名詞句の統語構造(前から修飾):決定詞→形容詞→名詞
サピア=ウォーフの仮説を提起した言語的相対論のB.L.ウォーフは、英語の語順の大切さを指摘している。(邦訳 p78)
✕ 1) a red large house
◯ 2) a large red house
なぜ1)の英語が駄目で、2)が適切であるのかは、ネイティブ感覚(英語母語話者)ではすぐにピンと来るだろう。しかし、彼らに理由を尋ねても1)は”何となくオカシイ”と応えるだけかも知れない。でも、英語には名詞句の語の並べ方(統語構造)に、厳密な(時にはゆるい) 原則があるのだ。すなわち、redは名詞由来の色を表す絶対的形容詞であるのに対してlargeは大小を表す相対的な形容詞であり、形容詞を並べる場合は相対的なものを先に、絶対的なものは後ろに置いて表現するという統語的な原則がある。
タイトル画像を、視えるだけでなく視えない情報も加えて説明すると──
a nice(,) big(,) new(,) round(,) light brown Indonesian teak dining table
主観→感覚→→→→→→→→ →→→→→認識→→→→→→→→客観
a / nice / big new / round light brown / Indonesian teak / dining / table
評価 大 旧 形 色 出自 素材 用途
視える→→→→→→→→→→視えない(百科全書的常識)→→
「素敵な 大きくて新品の 円形で薄褐色の インドネシア産チーク材の 食卓」
厳密に次の例で名詞句の統語構造の原則を整理してみよう──
such an elegant new long fluffy and bulging pink Italian silk custom-made dancing dress
前から修飾名詞句の統語構造 ☞後ろから修飾名詞句は別稿で解説する。
↓決定詞=限定詞
↓前位決定詞:such
↓中核決定詞:an
↓後位決定詞:
↓形容詞:
↓主観的形容詞:
↓1)評価:elegant
↓相対的形容詞:
↓2)新旧:new
↓3)大小長短:long
↓4)形状:fluffy and bulging
↓絶対的名詞派生形容詞:
↓5)色:pink
↓6)出所:Italian
↓7)素材:silk
↓分詞:8)様態 custom-made
↓動名詞:9) 用途 dancing
主要(head)名詞:dress
「そんな1着の上品な新しい丈が長いふわっと膨らんだピンク色のイタリア製で絹素材のオーダーメイドのダンス用ドレス」
形容詞の順序 (GCE.p21, 最後はB.J.Worf.1956.p58より)
<冠詞> a a a a a
1.特性・評価 │ clean famous charming │
2.大小 big │ │ │ large
3.老若・新旧 │ new old │ │
4.形状 oval │ │ │ │
5.色彩 (楕円の) blue │ │ black and white
6.国籍・出所 │ │ │ Dutch │
7.材料 oak wool │ (オランダ製の) │
8.目的 │ │ medical writing hunting (猟用の)
<名詞> table jacket school desk dog
⇒ing動名詞とing分詞・en分詞
⇒(名詞句(前置詞句))のマッピング(地(図))化
⇒決定詞の分類
⇒英語名詞の分類
