見出し画像

朝倉慶〜株高・円安・インフレ加速警鐘・高市政策大批判@文藝春秋PLUS

朝倉慶〜株高・円安・インフレ加速警鐘・高市政策大批判@文藝春秋PLUS

経済アナリスト・朝倉慶が『文藝春秋PLUS』で語った、現在の日本経済における「株高・円安・インフレ加速警鐘・高市政策への大批判」についての詳解である。


1. 異次元の株高と「AI・半導体バブルではない」現実

日経平均株価が7万円台を突破し強気相場が続いているが、朝倉はこの現象を単なる「泡(バブル)」とは見ていない。

  • 驚異的な受注と実物投資の爆発 00:06:22 当初、AI投資は135兆円規模と言われていたが、現在では主要テック企業4社(Amazon、Microsoft等)の注文だけで830兆円、全体を合わせると1200兆円規模に跳ね上がっている 00:00:08, 00:06:32。さらにSpaceXなども加わり、スケールが人類史上類を見ない規模に達している 00:07:11

  • 実態を伴う「実物投資」 00:08:24 AIソフトウェアと思われがちだが、現実には工場、半導体、技術者、電力のすべてが世界中で奪い合いになっている「実物投資」である 00:00:00, 00:08:33。そのため、キオクシアなどの半導体銘柄や村田製作所などの積層セラミックコンデンサーの受注が止まらず、収益が株価の後を追うように拡大しているため、PER(株価収益率)で見てもバブルとは言えない 00:05:18, 00:06:22

  • 日経平均「来年10万円」の現実味 00:14:28 この猛烈なインフレと実体経済の資金需要により、株価のサイクルは過去になく高速化している。朝倉は、来年には日経平均が10万円に達する可能性は極めて高いと見ている 00:14:38

2. 日銀の敗北と「株高の驚くべき請求書」

株高の裏にある最大の要因は、日銀が金融引き締め(国債買い入れの減額)を実質的に「お手上げ」としたことにある。

  • 追い込まれた日銀の緩和継続 00:01:50 インフレが進む現状、本来は金融を引き締めなければならない 00:02:08。しかし、買い入れを停止すれば国債市場が持たないため、日銀は国債を買い続けざるを得ない 00:02:27。これは事実上の「お手上げ(緩和の継続)」であり、さらなるマネーの供給と本当の意味でのインフレ加速を招く 00:02:27, 00:02:44

  • 円価値の下落と金利上昇の罠 00:03:32 これによって日本円の価値は加速的に下落し、半端な利上げではインフレは収まらない 00:03:40, 00:03:48

  • 持たざる者へ届く「請求書」 00:00:42 朝倉は「この株高は喜べるものではない」と警鐘を鳴らす 00:00:21。あらゆる物価が数割単位で跳ね上がるため、株や実物資産を持っている者は高利得を享受できるが、資産を持たない庶民には物価高という「驚くべき請求書」だけが届く極めて過酷な格差社会が到来する 00:00:37, 00:11:09

3. 高市政権「消費減税」への大批判とリフレ派の欺瞞

現在、高市政権が検討しているとされる「飲食料品の消費税の実質ゼロ化・減税案」に対し、朝倉は「致命的な間違い」と極めて厳しく批判している。

  • インフレ時代にデフレ政策を行う愚 00:00:00 現在の物価高は、米やエネルギー、人手、半導体といった「供給能力の不足」が原因である 00:05:57消費減税は「需要を増やす政策」であり、100人しか入れないレストランに金を配って並ばせるようなものである。供給が増えない中で金を配れば、価格がさらに跳ね上がるのは自明である 00:06:27

  • 1990年のバブル崩壊と同じ過ち 00:01:34 1990年当時、「土地と株を下げれば暮らしが良くなる」という国民の誤った期待に応えて日銀などが総量規制を行い、日本経済を30年のデフレに叩き落とした 00:01:34, 00:02:02今回の減税も「国民が望み、結果として国民が一番困る政策」の典型であり、インフレを劇的に助長させ、半年もすれば減税分など吹き飛ぶほどの物価高となって跳ね返ってくる 00:00:40, 00:02:59

  • 訂正不能に陥った政治とリフレ派 00:08:48 政治家もリフレ派も、内心はこのインフレと金利上昇の現実に危機感を抱えている 00:08:48。しかし、選挙やこれまでの主張の手前、「物価は落ち着く」と言い続けるしかなく、軌道修正ができなくなっている 00:09:09, 00:09:40

4. 国債市場の機能不全(末期の始まり)

日本の財政と国債市場は、金利の上昇によって極めて危険な段階(末期の始まり)を迎えている。

  • 主要な買い手の消失 00:17:46

    • 生命保険会社(生保):金利上昇による価格下落で国債投資に何十兆円もの損を出しており、恐ろしくてこれ以上買えない 00:15:17, 00:15:30

    • 銀行:インフレ局面では企業の資金需要(商品の確保や価格高騰への対応)が驚くべき勢いで増えているため、貸し出しに資金を回さねばならず、国債を買う余力がない 00:16:32, 00:17:13

  • 日銀が買い支えるしかない限界 00:17:46 生保も銀行も買わない国債を、結局は日銀が買い支えざるを得ない構造は財政の持続性を危うくし、これがインフレと円安の歯止めをなくしている直接の要因である 00:17:52, 00:18:06

5. インフレ時代を生き抜くための「資産防衛術」

国や甘い言葉を信用せず、個人の力で対処する冷徹な現実感覚が必要である。

  • 「現金」は持たない、実物資産へ 00:18:38, 00:20:20 インフレにより現金の価値は日々目減りする。投資できる余剰資金があるならば、株式や不動産、あるいは必要な実物(住宅の建築などを含む)へ早めに換えるべきである。一度上がった物価は二度と下がらない 00:14:12, 00:18:33

  • 激しい賃上げ要求の必要性 00:18:52 労働組合が掲げる「5%の賃上げ」程度では、足元の輸入物価(25.5%上昇)や為替動向による物価高をカバーできない 00:19:29, 00:19:39企業側は法人企業統計を見ても2桁の賃上げができる原資(増益)を持っているため、労働者は生活防衛のために強気な賃上げを要求すべきである 00:23:36, 00:18:52

政府の「物価は落ち着く」「減税で対応する」という建前の仕事を真に受けず、インフレの波を自らの実物資産と稼ぐ力で乗り越える覚悟が求められている 00:21:01, 00:22:13

参考動画:

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー