覚書英文法:準補語のエッセンスとレトリック
準補語(Semi-complement)のエッセンス
英文法における「補語(C)」とは、本来、不完全動詞の意味を完結させるための義務的要素である。しかし、既に構造が完結した文の背後に、主語や目的語の状態を重層的に描き出す語句が存在する。これを準補語(Quasi-complement / Semi-complement)、あるいは現代言語学の謂いによれば2次述語(Secondary predicate)と呼ぶ。
準補語の本質は、その「構造上の任意性」と「意味上の密接性」の同居にある。それは接続詞を用いた冗長な節(when や while)を、形容詞や分詞という一語に凝縮させた、洗練された記述形式に他ならない。
構造的定義
準主格補語(準主語補語) 主語の状態を追加叙述する。SV文型の後ろに置かれ、意味上は S=C′ の関係を結ぶ。
(cf. 現代英文法講義 pp.58-59, ロイヤル英文法 p.30)
準目的格補語(準目的語補語) 目的語の状態を追加叙述する。SVO文型の後に置かれ、意味上は O=C′ の関係を結ぶ。
(cf. 現代英文法講義 p.60, ロイヤル英文法 p.31)
(⇒なお、日本の主要な英語文法参考書が、安易に数学的な等式で説明している。下記でもその説明を踏襲するが、別稿で改めてネクサスとして捉え直す試みを行う。)
1. 準主語補語(Quasi-subject complement)
完全自動詞の後に置かれ、主語の状態を記述する。
『現代英文法講義』pp.58-59:補語を省略しても文が成り立つが、叙述が完結した後に主語の状態を追加叙述する。
『英文法詳解』pp.210-211:完全自動詞の後にくる形容詞や分詞を「注意すべき補語、またはそれに類するもの」として分類する。
『英文法解説』p.95:構文上は不要だが、意味上は必要不可欠な要素。She married young. の young などがこれに該当する。
2. 準目的語補語(Quasi-object complement)
完全他動詞の目的語の後に置かれ、目的語の状態を記述する。
『英文法講義』p.60:目的格補語に準じる働きをし、目的語の付随的な状態を示す。
『新マスター』p.29:不完全他動詞ではない動詞の後に置かれ、目的語を説明する「目的格補語に準じる表現」。
準補語の範例 40選
He left the room angry.
出て行ったという動作の背後に、主語の情念を刻印する。
和訳:彼は部屋を出たが怒っていた。
He died young.
死という歴史的事実と、若さという属性の等置。
和訳:彼は死んだのが若かった。
John ate the meat raw.
摂食の対象たる「肉」の状態を、後置によって定義する。
和訳:ジョンはその肉を生で食べた。
He came home tired.
帰宅という結果に、主語の疲弊という情報を付加する。
和訳:彼は帰宅したが、疲れていた。
Jane married young.
結婚という事実に対し、年齢という時点的属性を添える。
和訳:ジェーンは結婚したのは若かった。
He returned to his land a different man.
帰郷後に明らかになった、主語の精神的変容を名詞句で提示する。
和訳:彼は故郷に戻ったが、別人のようになっていた。
The boy came running into the room.
移動という動詞に、様態を示す分詞を重ねる。
和訳:少年は走って部屋に入ってきた。
The old man sat perfectly motionless.
存在する行為と、完全に静止した状態を等置する。
和訳:老人は座っていたが微動だにしていなかった。
During the night the wind blew cold.
風の吹き荒れる様相に、冷気という感覚を補足する。
和訳:夜の間、風が吹いたが冷たかった。
They sat talking for hours together.
着座と対話、二つの持続的行為を並置する。
和訳:彼らは座って何時間も話し込んでいた。
I stood with open mouth watching the fireworks.
観照する主語の形姿を、分詞句によって鮮明に描き出す。
和訳:私は立って口を開けたまま花火を見ていた。
She whistled to her dog and it came running.
応答の様態を、速度を伴う現在分詞で動的に表現する。
和訳:彼女が口笛を吹くと、犬は走ってやってきた。
Bats have the habit of sleeping hanging head down.
睡眠という習性に対し、その特異な姿勢を規定する。
和訳:コウモリは習性があり頭を下に吊り下がって眠る。
She lay awake worrying about her son.
臥床の状態に、覚醒と憂慮という心理的重圧を重畳させる。
和訳:彼女は眠れずに横になって、息子のことを心配していた。
The sun shines bright.
輝きという属性を、副詞的機能を帯びた形容詞で際立たせる(『ロイヤル』p.277, p.54)。
和訳:太陽は明るく輝く。
He opened his mouth wide.
物理的な動作の到達点を、形容詞で規定する。
和訳:彼は口を大きく開けた。
The leaves turned red.
変化の結果として生じた色彩を、2次述語的に付記する。
和訳:木の葉は赤くなった。
He was born rich.
出生の事実に、富という宿命的な属性を付与する。
和訳:彼が生まれたのは金持ちの家だった。
She went away happy.
去りゆく主語の背後に、充足という余韻を残す。
和訳:彼女は立ち去ったが、嬉しそうだった。
He fell flat on his face.
転倒という事象を、水平という空間的概念で定義する。
和訳:彼は顔から真っ平らに倒れた。
The traveler arrived at the inn exhausted.
到着という動作の完結時に、主語が「極限の疲労状態」にあったことを付記する。
和訳:その旅人は宿に到着したが、疲れ果てていた。
He was born a genius but died a madman.
出生と死という人生の二点において、主語の属性がいかに変容したかを対比させる。
和訳:彼は天才として生まれ、狂人として死んだ。
They buried the treasure deep underground.
埋蔵という行為に対し、対象(宝)が「深い状態にある」という記述を添える。
和訳:彼らはその宝を、地中深く埋めた。
The suspect stood silent, refusing to answer any questions.
存在する(stood)という持続に、沈黙という属性を重ね合わせる準主格補語。
和訳:容疑者は黙したまま一切の問いに答えることを拒んで、立っていた。
The milk went sour in the heat.
変化の動詞(went)に対し、結果としての酸敗状態を提示する。
和訳:牛乳が暑さで酸っぱくなった。
She married young and was widowed early.
婚姻と死別という二つの転機を、それぞれの時点の状態(年齢)と共に記述。
和訳:彼女は若くして結婚し、早くに夫を亡くした。
He returned to his village a hero after the war.
帰郷という回帰の瞬間に、主語に付与された「英雄」という社会的資格を明示。
和訳:彼は村に戦後、英雄として戻った。
The old dog lay motionless on the porch.
臥床の状態に、不動という形容詞を等置して情景を固定する。
和訳:老犬は身動き一つせずベランダに横たわっていた。
The wind blew fierce across the barren moor.
吹くという動作に対し、その強烈な勢いを主語の属性(あるいは副詞的形容詞)として描く。
和訳:風は荒涼とした野原を激しく吹き抜けた。
They sat spellbound by the orator's eloquence.
存在する(sat)という行為が、魅了されたという受動的状態と重畳する。
和訳:彼らは我を忘れて、演説家の雄弁に魅了され、座り込んでいた。
I found the cage empty and the bird gone.
発見した対象(籠と鳥)の、その時点での欠落状態を鮮明に示す。
和訳:見ると籠は空で、鳥はいなくなっていた。
The machine was left running all night long.
放置された結果、対象が「作動中である」という持続的状態にあることを示す。
和訳:その機械は一晩中、動いたままにされていた。
He lived his whole life oblivious to the world's troubles.
生涯を送るという持続的叙述に、無頓着という主語の精神状態を付随させる。
和訳:彼は世の悩みなど露知らず、一生を過ごした。
The child came crying to his mother.
接近という動作の様態を、泣いているという分詞で動的に描写する。
和訳:その子は泣きながら母親のもとへやってきた。
The stars shone bright in the frosty night air.
輝きという属性を、澄み切った大気の中での明度として記述する。
和訳:星々が明るく、凍てつく夜気に輝いていた。
The door was kicked shut by the intruder.
蹴るという動作の結果、ドアが「閉まった」という状態へ推移した事実。
和訳:ドアは侵入者によって、蹴り閉められた。
He grew up poor, yet he never lost his dignity.
成長の過程と、貧困という境遇を並置して叙述の深みを作る。
和訳:彼は貧しく育ったが、決して自尊心を失わなかった。
The water ran cold from the mountain spring.
流れるという動作に、水の温度という属性を直接連結する。
和訳:水が山の泉から流れ出ていたが、冷たかった。
She went away satisfied with the outcome.
立ち去る主語の背後に、満足感という心理的充足を纏わせる。
和訳:彼女は立ち去ったが、その結果に満足していた 。
The giants of old fall forgotten in the dust of time.
没落という事象に対し、忘れ去られたという無残な状態を追記する。
和訳:古の巨人たちは、時の塵の中で忘れ去られたまま朽ちてゆく。
準補語が「情報の圧縮」と「描写の重層化」を担う高度なパーツであることを理解できただろうか?
準補語:実戦における「二重叙述」の解法
大学入試において、準補語(2次述語)はしばしば「和訳の精度」や「文構造の把握」を試す決定的なポイントとなる。なぜなら、多くの受験生が「動詞の直後の形容詞=副詞のように訳す」という安易な公式に頼り、主語や目的語との「論理的な一致」を見落とすからだ。
入試長文で準補語に遭遇した際、最優先すべきは「一文の中に二つの述語関係を見出す」ことである。
1. 意味上の主述関係(Nexus)の認知
準主格補語:V が完全自動詞であっても、その後の形容詞/分詞は S を説明する。
The bridge stood firm. (橋はしっかりと立っていた)
構造分析:S+V(橋が立っていた)+ S=C′(橋は強固だった)
準目的格補語:V が完全他動詞であっても、目的語の後に置かれた形容詞/分詞は O を説明する。
We served the coffee hot. (私たちはコーヒーを熱い状態で出した)
構造分析:S+V+O(コーヒーを出した)+ O=C′(コーヒーは熱かった)
2. 「副詞」との決定的な相違
『ロイヤル英文法』p.54やp.277でも触れられている通り、準補語(形容詞)と副詞はしばしば混同される。しかし、準補語はあくまで「人や物の状態」を、副詞は「動作の様態」を記述する。この微細な差が、難関大が求める「精密な読解」の分水嶺となる。
難関大入試における最高峰の識別論理へと進もう。準補語、分詞構文、そして付帯状況の with。これらはすべて「情報の同時並行」を記述するが、文構造上の立ち位置が微妙に異なる。
『英文法解説』p.342の「分詞構文にも近い」という記述や、『英文法詳解』における分類を基に、その境界線を鮮明に引く。
準補語・分詞構文・付帯状況の識別:三位一体の記述法
これら三者は、意味上は「主文への追加説明」で共通するが、「文のどの要素と強く結びついているか」という統語的焦点が異なる。
1. 準補語(Semi-complement)
焦点:主語または目的語の「一時的な状態」。
特徴:形容詞(または分詞)が V の直後に置かれ、主文と不可分な「2次述語」として機能する。
典型:She lay awake.(「横たわっている」+「目覚めている」)
2. 分詞構文(Participle Construction)
焦点:主節の動作に対する「付随的動作・時・理由」。
特徴:文末にコンマを伴って置かれることが多く、副詞的な役割が強い。
典型:He sat there, reading a book.(「座っていた」+「本を読んでいた」)
境界:『英文法解説』p.342にある通り、自動詞(sit, stand等)の後の現在分詞は、準補語とも分詞構文とも解釈可能なグレーゾーンを形成する。
3. 付帯状況の with(With + O + C)
焦点:主文とは別の「部分的・背景的な状況」の提示。
特徴:前置詞 with が名詞とその状態(C)をパッケージ化する。
典型:He stood with his mouth open.(「立っていた」+「口が開いた状態で」)
準補語と副詞・付帯状況の識別を深める20の範例
The soldiers returned home exhausted.
副詞 exhaustedly(疲れ果てた様子で)ではなく、主語の「疲労しきった状態」そのものを記述する。
和訳:兵士たちは帰還したが、疲労困憊した状態だった。
He drove the car drunk.
運転の仕方が酔っていたのではなく、運転時の主語が「泥酔状態」にあったことを示す。
和訳:彼は車を運転したが、酔っていた。
They buried the man alive.
埋葬という動作の様態ではなく、埋葬された対象(man)が「生きていた」という属性。
和訳:彼らはその男を生きたまま埋めた。
The moon rose red behind the hill.
昇り方ではなく、現れた月が「赤かった」という視覚的属性を叙述する。
和訳:月が昇ったが丘の背後に赤々と輝いていた。
He walked away scot-free.
歩き方ではなく、主語が「罪を免れた状態」で立ち去った事実を提示。
和訳:彼は何のお咎めもなく悠々と立ち去った。
The judge sat silent through the trial.
副詞 silently なら「静かに座った」という動作だが、形容詞 silent は「沈黙を守った」という主語の状態を指す。
和訳:判事は公判中、終始沈黙を保って座っていた。
She married young and died a widow.
結婚と死という人生の転機における、主語の年齢と社会的資格(未亡人)の記述。
和訳:彼女は若くして結婚し、未亡人として世を去った。
He opened the box eager to see its contents.
開封という動作への付随状況。主語が「熱望している状態」であったことを示す。
和訳:彼はその箱を、中身を見たい一心で開けた。
The river ran dry in the scorching summer.
流れる動作ではなく、結果として川が「干上がった状態」であることを提示。
和訳:その川は猛暑の中、干上がってしまった。
The suspect was found guilty.
発見・認定された時点での、被告人の「有罪」という法的属性を確定させる。
和訳:容疑者は有罪と判決された。
We stood with our eyes fixed on the stage.
付帯状況の with。主文の動作に対し、身体の一部(目)が固定された「背景的状況」を添える。
和訳:われわれは舞台を凝視したまま立ち尽くしていた。
The prisoner was kept solitary for months.
監禁の状態を、孤独(独房)という形容詞で限定する準目的格補語。
和訳:その囚人は独房に、数ヶ月間、監禁された。
She lay awake, worrying about the future.
準補語(awake:状態)と分詞構文(worrying:付随的動作)の重層描写。
和訳:彼女は眠れぬまま、将来を案じ横たわっていた。
The sun set red and gold over the sea.
日没という現象に、色彩という属性を2次述語として重ねる。
和訳:太陽は赤と黄金の輝きを放って、海の彼方に沈んだ。
He lived his life alone but not lonely.
「一人でいる(孤独な状態)」と「寂しい(心理的属性)」を並置する記述。
和訳:彼は人生を一人で送ったが、寂しくはなかった。
The soup was served hot.
提供という動作の結果、対象(スープ)が「熱い状態」に維持されていることを示す。
和訳:スープは熱い状態で出された。
The gate blew open in the storm.
風によってゲートが動いた結果、「開いた」という状態に至ったことを記述。
和訳:ゲートが嵐の中で吹き開けられた。
He arrived home drenched to the skin.
帰宅という動作の完了時に、主語が「ずぶ濡れ」であったことを付記する。
和訳:彼は帰宅したが、肌までずぶ濡れになっていた。
The machine was found defective after inspection.
発検・点検の結果、対象が「欠陥品である」という属性を露わにした。
和訳:その機械は欠陥があることが点検の結果、判明した。
They parted better friends than ever.
別離という動作に、以前よりも深まった友情という関係性の状態を添える。
和訳:二人は別れたが、かつてないほど親密な仲になっていた。
この三位一体の識別眼を持つことは、最高難度の記述和訳において「論理のズレ」を完全に排除することを意味する。
準補語と後置修飾:情報の優先順位と「二重限定」の論理
文末に置かれる準補語は、文全体に「付随する状況」を添えるが、関係代名詞や二重限定は「特定の対象」を特定する。これらが同一文内に現れるとき、英語は情報の重要度に応じた厳格な語順を採用する。
1. 準補語 vs 関係代名詞(制限用法)
関係代名詞:先行詞の「本質的な正体」を定義する。
準補語:その動作が行われた際の「一時的な状態」を叙述する。
The man [who survived the crash] walked away unhurt. (その墜落事故を生き延びた男は、無傷で立ち去った) ※ [ ] は限定、unhurt は準補語。
2. 二重限定(Double Restriction)との連関
一つの名詞に対して、複数の形容詞句や節が重なる「二重限定」の構造において、準補語はしばしば「最終的な結論」として機能する。
Any person [present] [who saw the accident] should report to the police immediately. (その場にいて、かつ事故を目撃した人は、直ちに警察に報告すべきだ) ※ 語順の末尾に来る要素ほど、文全体の叙述に対するインパクトが強くなる。
準補語が名詞の「限定」ではなく、叙述の「展開」を担っていることが理解することが重要だ。
準補語のレトリック:簡潔さが生む「真理の響き」
英語の表現体系において、準補語(2次述語)は単なる文法上の付け足しを超え、言語の「簡潔さ」と「力強さ」を両立させるレトリック(修辞法)の核となっている。特に、ことわざや慣用的な格言において、この構造は驚くべき頻度で現れる。
英語の格言やイディオムにおいて、準補語が多用されるのは、それが「原因・結果・付随状況」をたった一語で言い切る力を持っているからだ。論理的な接続詞(because や although)を削ぎ落とし、名詞と形容詞をダイレクトに結びつけることで、その真理はより不可避なものとして響く。
1. 運命的属性の提示
「~として生まれ、~として死ぬ」といった人生のサイクルを語る際、準補語は主語に刻印された「宿命」を表現する。
Man is born free, and everywhere he is in chains. (Rousseau) (人間は自由なものとして生まれるが、至るところで鎖に繋がれている)
2. 状態の持続と逆説
「~のまま放置する」「~の状態で終わる」といった表現では、主文の動作に対する「予期せぬ結果」や「皮肉な対比」を際立たせる効果がある。
The mystery remains unsolved. (その謎は未解決のまま残されている)
準補語の範例(慣用・格言・レトリック編)
Fortune favors the brave.
運命が味方する対象(the brave)の属性を強調する。
和訳:運命は勇者に微笑む。
He was left penniless after the bankruptcy.
倒産の結果として生じた、主語の絶望的な経済状態を叙述する。
和訳:彼は倒産後、一文無しになった。
Great men are not always born great.
出生時の属性と、後の偉大さを対比させる準主格補語。
和訳:偉人が必ずしも偉大に生まれてくるわけではない。
They buried the hatchet deep.
争いをやめる(斧を埋める)という動作に、その徹底ぶりを示す形容詞を添える。
和訳:彼らは過去の因縁を深く葬り去った。
Still waters run deep.
流れる(run)という動作に、深さという属性を重ね、内面の深淵を示唆する。
和訳:静かなる水は深く流れる(能ある鷹は爪を隠す)。
The criminal was caught red-handed.
捕縛された際、手が血で赤い(=犯行中である)状態を叙述する。
和訳:犯人は現行犯で逮捕された。
He died a hero in the hearts of many.
死という事実を、英雄という名誉ある属性で上書きする名詞句の準補語。
和訳:彼は死んだが、英雄として多くの人の心の中で生き続けている。
Leave no stone unturned.
石を裏返す動作に対し、一つも残さない(未転換のままにしない)という徹底を指示。
和訳:あらゆる手段を尽くせ(隅々まで調べろ)。
The suspect was presumed innocent until proven guilty.
法的な証明がなされるまでの「無罪」という仮定の状態を記述。
和訳:容疑者は、有罪と証明されるまでは無罪と推定された。
The fire burned bright throughout the night.
燃焼という現象に、輝きという属性を付帯させる。
和訳:火は一晩中、明るく燃え続けた。
He stood head and shoulders above his peers.
存在の様態を、他を圧倒する比喩的な身体的状態で補足。
和訳:彼は仲間の中で、群を抜いて優れていた。
The machine was found defective.
発見・点検の結果として判明した、目的語の欠陥状態。
和訳:その機械は欠陥品であることが判明した。
She was elected president unanimously.
選出されたという結果に対し、満場一致という「状況」を添える。
和訳:彼女は大統領に選出されたが、満場一致だった。
Truth lies buried deep beneath the surface.
真実が存在する(lies)様態を、「埋められた」という受動の分詞で補完。
和訳:真実は表面の下深く、埋もれたまま横たわっている。
He walked away scot-free.
罪を免れるという属性を伴って、立ち去る動作を完了させる。
和訳:彼は何のお咎めもなく、悠々と立ち去った。
Keep your eyes wide open.
保持する対象(目)の状態を、形容詞で厳格に規定する。
例文:Keep your eyes wide open.
和訳:目をしっかりと見開いておけ。
The victim was found strangled.
発見時の悲劇的な状態を、過去分詞で重層的に描写。
和訳:被害者は絞殺された状態で発見された。
The secret was kept hidden for decades.
保持され続けた秘密が、秘匿されていたという状態を示す。
和訳:その秘密は何十年もの間、隠されたままだった。
He returned home a broken man.
帰還という結末に、精神的に打ちのめされたという人格的崩壊を添える。
和訳:彼は失意の人となって故郷に戻った。
The words rang true in my ears.
響く(rang)という動作に、真実であるという性質を直接連結する。
和訳:その言葉は、私の耳に真実として響いた。
準補語が、英語という言語がいかに「状態」と「動作」を瞬時に一体化させて捉えているか、その証拠であることが見て取れると良い。
準補語:入試における「誤読の罠」と回避の論理
難関大入試の下線部和訳において、準補語は「知っている者」と「なんとなく読んでいる者」を分かつ、残酷なまでの得点差を生む。
1. 「副詞化」の罠:形容詞を動作の修飾と誤認する
最も多い誤答は、準補語を単純な副詞(~く、~のように)と取り違えることだ。準補語はあくまで「人や物の属性」を述べている。
誤答例: He left the room angry. を「彼は怒って部屋を出た」とだけ訳し、単なる動作の様子とみなす。
正攻法: 彼の内面が「怒りという状態にあった」というS=C'のNexus(主述関係)を意識する。
2. 「不完全な叙述」の罠:2次述語の二重性を無視する
準補語が含まれる文には、主節の動詞による叙述と、準補語による叙述の2つが存在する。片方を疎かにすると、文の重心が崩れる。
誤答例: The milk was delivered fresh. を「新鮮なミルクが届けられた」と訳す。(これは単なる限定用法との混同)
正攻法: 「ミルクが届けられた」+「その際、それは新鮮であった」という同時並行性を訳出する。
3. 「名詞句準補語」の無視:同格との混同
動詞の後に置かれた名詞句を、直前の名詞の同格や目的語と誤認するケース。
正攻法: 文が第1文型で完結しているなら、その名詞句は主語の「結果としての状態」や「資格」を示す準補語であると見抜く。
準補語の範例(入試実戦・誤読回避編)
The explorer returned from the Arctic a hero.
帰還という動作の結果、主語が「英雄」という社会的属性を得たことを示す。
和訳:その探検家は、北極から英雄として帰還した。
The suspect sat motionless during the interrogation.
取調べの間じゅう、容疑者が「微動だにしない」という状態を維持した記述。
和訳:容疑者は尋問の間、身動き一つせず座っていた。
He died a poor man despite his previous fame.
かつての栄光に反し、死の瞬間の属性が「貧困」であったことを対比させる。
和訳:かつての名声にもかかわらず、彼は貧しいまま世を去った。
They came back from the war changed.
戦争からの帰還という動作に、人格の変容(過去分詞による準補語)を重ねる。
和訳:彼らは戦争から、人が変わって戻ってきた。
The sun rose clear over the horizon.
日の出という現象に、大気の澄み渡った状態を2次的に叙述する。
和訳:太陽は地平線の上に、くっきりと昇った。
The ocean lay blue and calm under the sky.
海が存在する(lay)様態を、色彩と静穏という属性で同時に定義。
和訳:海は空の下、青々と穏やかに横たわっていた。
She was elected mayor unopposed.
当選という結果に対し、「対立候補がいない」という特異な状況を添える。
和訳:彼女は無投票で市長に当選した。
He fell unconscious after the heavy blow.
衝撃の結果として生じた、主語の意識喪失という状態を記述。
和訳:激しい打撃を受け、彼は意識を失って倒れた。
The castle stood ruined for centuries.
存在する(stood)という持続に、廃墟であるという状態を等置する。
和訳:その城は何世紀もの間、廃墟のまま立ち尽くしていた。
The jury found the defendant not guilty.
評決の結果、被告が「無罪」という法的属性にあることを示す準目的格補語。
和訳:陪審員団は、被告を無罪と評決した。
He grew up unaware of his noble origin.
成長の過程と、自身の出自を知らないという無知の状態を並置。
和訳:彼は自分の高貴な素性を知らぬまま成長した。
The prisoner was kept solitary.
拘束の状態を、孤独(独房)という形容詞で限定する。
和訳:その囚人は独房に監禁され続けた。
They emerged from the cave exhausted but relieved.
洞窟からの脱出という動作に、疲労と安堵という相反する情動を添える。
和訳:彼らは疲れ果ててはいたが、安堵した様子で洞窟から現れた。
The moon shone bright through the clouds.
輝くという動作に対し、光の明度を形容詞で強調する形式。
和訳:月は雲間から明るく輝いていた。
He lived his life alone.
生涯を送るという持続的叙述に、孤独という属性を付帯させる。
和訳:彼は人生を孤独のまま歩んだ。
The door was kicked open by the police.
蹴るという動作の結果、ドアが「開いた」という状態へ推移したことを示す。
和訳:ドアは警察によって蹴り開けられた。
The suspect was seen fleeing the scene.
目撃された時点での対象の状態を現在分詞で描写。
和訳:容疑者が現場から逃走するのが目撃された。
The task proved difficult.
遂行の結果、その課題が「困難である」という属性を露わにした。
和訳:その課題は困難であることが判明した。
She died a martyr to the cause.
死という終止符に、大義に殉じた者という名誉ある属性を付す。martyr /ˈmɑːrtər/
和訳:彼女はその大義のために、殉教者として死んだ。
The city lay sleeping under the stars.
都市の存在を、睡眠という分詞による擬人的状態で記述。
和訳:街は星空の下、眠りについていた。
