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「チャッピー配って終わり」になっていませんか? 自社の現在地がわかる“AI導入の3類型”

みなさんこんにちは、企業を総合サポートする株式会社K.I.D.S.広報です。

いまや「AI導入」という言葉を聞かない日はありません。

ただ、ひとくちにAI導入といっても、その中身は企業によってバラバラです。解像度の粗さが、「導入したのに成果が出ない」というモヤモヤの原因になっているのかもしれません。

今回は、企業のAI導入の状況について、代表の吉江彰洋に聞いてみます。

●ざっくり3類型

――「AI導入」といっても企業によってレベルは全然違うようですね

ビジネスにおいてAI導入は急務になっていて、特殊な事情がない限りは使う方向になっています。ただ、「導入の度合い」はそれぞれです。

今回は導入状況を、超ざっくり以下の3つに類型化して考えたいと思います。

(1)アカウント配布型
(2)カスタマイズ型
(3)現場開発型

どれか1つというより、社内で複数の類型が同居することのほうが多いのではないかと思います。

また、下に行くほど、高度な技術が必要ですが、それぞれ悩みはあって、現状では必ずしもどれかが優れているとは限らない側面もあります。

●類型(1)アカウント配布型――ご自由にどうぞ

——アカウント配布型から説明してください

その名のとおり、社員にChatGPTやGeminiなどの既存AIサービスのアカウントを配布するパターンです。

はやい企業なら、2023年ぐらいからChatGPTを入れているでしょう。日本企業はMicrosoft率が高いのでCopilotや、スタートアップ系だとGoogle WorkspaceからGeminiみたいなパターンも多いと思います。

汎用的なサービスだけでなく、需要予測やマーケティング、リーガルチェックなど、バーティカルAI(業界特化型)のサービスもありますよね。

基本的には、ほとんどはここからのスタートだと思います。AIに詳しい人がいなくても導入可能なところがポイントです。

ただ、個人のスキルとやる気に左右されてしまうし、競合も同じことができる以上、あまり差別化ができません。

特に組織規模が大きくなるほど、「(2)カスタマイズ型」や「(3)現場開発型」による効率化のメリットが大きくなります。

●類型(2)カスタマイズ型――専門部隊がツールを整える

――カスタマイズ型は?

既存のAIサービスをベースに、自社向けに改良を加えたものです。

一例を挙げると、現在のAIブームの初期から言われているので、RAG(検索拡張生成)なんかはイメージしやすいと思います。生成AIに自社の独自データを参照させるものですね。

でも、社内データを参照させるといっても、どのデータを使っていいのかや、既存のAIサービスとどうやってつなぐのか、みたいな話が出てきます。

RAGのチャットボットをツールとして販売しているケースもありますが、自由度の高さや機密性をとるなら開発が必要です。

そこで登場するのが、生成AIプラットフォームです。代表的なサービスには次のようなものがあります。

・Amazon Web Services(AWS):Amazon Bedrock
・Microsoft Azure:Microsoft Foundry
・Google Cloud:Gemini Enterprise Agent Platform

このプラットフォーム上に、エンジニアが自社用にカスタマイズしたものなど、業務用のAIサービスを登録して、従業員が目的に応じて使っていく感じです。

引き続きRAGを例にすると、会社組織が大きくなれば業務も細分化し、社員によって閲覧していい情報、ダメな情報がどんどん細分化されていきます。すると、ユーザーに応じて参照範囲(権限)を制御するような機能が必要になりますよね。

参照する自社データも1種類とは限りませんから、目的ごとにより適したAIサービスと連携させる必要が出てくるかもしれません。

たとえば、簡単なレベルであれば、Difyなどのローコード開発ツールでも対応できます。既存のRPAソフトのように、プログラミングができなくても、動作などのブロックを直感的につなげて、ワークフローをつくるツールです。

しかし、カスタマイズの難易度が上がれば、一般社員の手には負えなくなります。AIにくわしいエンジニアが必要ですし、それなりの時間とお金がかかってくることになります。

●類型(3)現場開発型――現場がツールを作る

――現場開発型というのは?

業務の勘所や、欲しい機能を一番知っているのは現場なんだから、現場でアプリを作って効率化や課題解決を目指したらいいじゃん、という発想です。現場が自分の課題を自分で解決できるので、変化にもっとも早く対応できます。

ChatGPTやClaudeなどの汎用AIも相当賢くなっているので、プログラミングができなくても、要件を適切に伝えれば、日本語によるチャットの指示だけで業務アプリがつくれちゃいます。バイブコーディングというやつですね。

また、前述したDifyとかであれば、一般の社員でも生成AIを組み込んだ簡単な業務アプリは作れます。ただし、生成AIプラットフォーム上でもっと難しいツールを作るのであれば、専門家がかなり伴走する必要があります。

現場で開発できちゃうのは理想的に見えますが、落とし穴もあります。

非エンジニア社員のレベルを底上げしないといけないし、現場がつくったアプリの機能やセキュリティ面のチェックも必要です。勝手につくられた「野良アプリ」が乱立しないよう、管理もしていかなくてはなりません。

生成AIの怖いところは、外見だけなら何かうまく行っている感じがすることです。でも結局、きちんと伴走できる人がいないと、統制不能なカオスになってしまうんですね。

その意味では、会社としては「(3)現場開発型」のつもりだけど、内実は「(1)アカウント配布型」というケースもありえるわけです。ただ放任しているだけ、ということですね。

●ステップをどこまで上るべきか

――どの型を目指せばいいのでしょうか?

ここまで読んでいただければわかるように、各類型は階段状になっています。

(1)アカウント配布型
(2)カスタマイズ型
(3)現場開発型

(1)で組織のAIリテラシーを醸成し、(2)で機密領域やコア業務にAIを届かせ、(3)で改善速度そのものを組織能力に変えていく。

階段を上るにつれ、技術力だけでなく、安全に生成AIをつくるための社内ルールなども整備されていきます。だから、いきなり(3)に行くのは難しいし、危険だったりするわけです。

そしてだからこそ、AIについて深い知見がある人材が必要になってきます。独自に開発をするのであれば、そのメンテナンスもできないといけない。

そうなると、現場の全員が使える(3)というのは理想的なんだけど、現実的には(2)でも十分足りるし、何なら(1)でもいいんじゃないの、という判断もありえると思います。

一番大切なことは、AIを使うことではなく、AIを使って何をしたいかです。

もちろん、今後の機能発展なども考えると、(3)に近づいていったほうが、そのチャンスは増えるはずですが、ゴール自体は間違えないようにしておきたいですね。


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