【Beck82】(2) 12の意味カテゴリに分かれる104単語を学ぶ
前回の続きです。2023年のCervettiらのメタ分析論文[1]のうち,「語彙そのものを指導する介入法」の代表格の論文である,Beckらの1982論文[2]を読んでみよう,という話でした。
誰を対象にしたか
ある小学校の4年生56名が対象で,そのうち27名が介入グループ,39名が統制グループでした。
ただし,実際に分析に用いたのは
◎介入グループから23名
◎統制グループから23名,
を取り出した,23「ペア」
です。これはマッチングと呼ばれる手法で,事前テストのスコアが同程度のペアを作り上げることで,介入前のベースラインを揃え,介入効果を分かりやすくするためのものです。
はっきりとは書かれていませんが,研究者らの所属大学を考えると,おそらくはアメリカ人児童だと思われます。この学校の生徒は,社会経済的地位が低い家庭から来ており,7割が黒人児童でした。
どのような単語を学んだか
さてここから介入についての説明なのですが,かなり複雑なので,順序よく説明する必要があります。
まず,学ぶ単語について。今回介入によって学習される対象となったのは,104単語でした。単語の選定基準は「4年生が知らないと思われる単語の中で,学ぶことが有用で面白いと思われる単語」です。
104単語は,12の意味カテゴリに分かれます。例えば,以下のような具合です。
①Peopleカテゴリ:accomplice*(共犯者), miser (けち)などの8単語
②What you can do with your armsカテゴリ:embrace*(抱擁する), knead(こねる)などの9単語
③Eatingカテゴリ:obese*(肥満), glutton(大食い)などの9単語
④Eyesカテゴリ:spectator*(観客), binoculars(双眼鏡)などの8単語
⑤Moodsカテゴリ:diligent(勤勉な),cautious* (慎重な), jovial(陽気な)などの9単語
⑥How we move our legsカテゴリ:atalk*(忍び寄る), galumph(どんどん歩く)などの9単語
⑦Speakingカテゴリ:urge*(促す), retort(反論する)などの9単語
⑧What people can be likeカテゴリ:stern(厳しい),gregarious,* (社交的な) independent(独立した)などの9単語
⑨Earsカテゴリ:eavesdrop*(盗み聞きする), rustle(サラサラ音を立てる)などの9単語
⑩More peopleカテゴリ:journalist*(ジャーナリスト), scholar(学者)などの9単語
⑪Working together or apartカテゴリ:ally*(同盟者), foe(敵)などの8単語
⑫The usual and the unusualカテゴリ:typical(典型的), monotonous(単調な)などの8単語
……む,難しいですね。正直に言いますが,けっこう分からない単語があります(汗)
アスタリスクのついている単語とついていない単語がありますが,
アスタリスクの……
◎ついていない単語はsome条件の単語:5日間の基本サイクルのみで学習した条件でした(61単語)
◎ついている単語はmany条件の単語:上記の5日間に加えて2~3日の復習サイクルで学習を追加した条件でした(43単語)
これらの介入については次で説明します。
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続きます。
引用文献
Cervetti, G. N., Fitzgerald, M. S., Hiebert, E. H., & Hebert, M. (2023). Meta-analysis examining the impact of vocabulary instruction on vocabulary knowledge and skill. Reading Psychology, 44(6), 672-709.
Beck, I. L., Perfetti, C. A., & McKeown, M. G. (1982). Effects of long-term vocabulary instruction on lexical access and reading comprehension. Journal of Educational Psychology, 74(4), 506–521. https://doi.org/10.1037/0022-0663.74.4.506
