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絵本・白峰アカネの冒険/17.アカネ、絶対絶命!

巫女社会に強制送還されるアカネは、リンの手下2名に護送され白峰山に登り始めた。前後から手下ひとりずつに挟まれて進む山中の細い道筋は、アカネが往路に使ったのとは違っていた。

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こちらは、第1話~第16話のあらすじです。

 この道が強制労働所へと続いているのだろう……アカネは、心を鎮めて事態の展開を受け入れようと努めていた。

 強制送還は巫女業法に基づく正当な措置で、それに抵抗したら罪を重ねることになる。仮に抵抗したところで、巫女力を奪われている今のアカネに勝ち目はない。
 今は冷静に周囲を観察し、自分の状況を少しでもマシなものにする機会をうかがうべきだ。アカネは、自分にそう言い聞かせていた。

 1時間ほど歩いたところで、前を歩いていた手下が立ち止まった。振り返り、アカネに向かってぶっきら棒な口調で言った
「着いたよ」

 そこは周りから岩だらけの山肌が迫る細い登山路で、こんなところに強制労働所がありそうにはない。戸惑うアカネに、手下が言った。
「驚いたかい? あんたを、ここで封印する」
「封印!」
アカネは、思わず、手下の言葉を繰り返していた。

 封印とは、強力な呪力で巫女を自然環境のなかに封じ込めることで、罪を犯した巫女に対して巫女社会が下す制裁の中で最も重いものだった。肉体が物理的に消滅するわけではないが、周囲からは見えない存在となり、まったく身動きできなくなる。

 巫女社会には、人間の命を奪ってはならないという戒律がある。だから、巫女社会での極刑は死刑ではなく封印だ。封印だから、解かれる可能性がある。冤罪で封印されたことが明らかになったときと恩赦が行われたときであり、その実例もある。

 しかし、いまだかつて、正気で封印から戻ってきた巫女は、ひとりもいない。封印されても巫女の五感と意識は働き続ける。完全に身動き取れず外界の変化を眺めているだけ、しかも、それが未来永劫つづくことを知っている。この状態が巫女の精神を壊してしまうのだ。

 アカネは、自分の声が震えていることに気づいた。一瞬、悔しさと屈辱感が込み上げてきたが、すぐに恐怖にとってかわられた。

 こんなところで封印されて、私の巫女人生が終わってしまうのか。絶望にも似た恐怖が、アカネの全身に走った。

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