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Monster Beverage(MNST)vs Celsius Holdings(CELH)— 事業成長力を徹底比較する


【世界級エナジードリンク王者のMonsterか、PepsiCo流通で急拡大するCelsiusか】

記録日:2026年6月15日。株価・バリュエーションは同日前後の表示値をもとにした概算です。

両社とも米国NASDAQ上場、12月決算、US GAAPです。Monster Beverageは、Monster Energy、Reign、Bang、Predator、Fury、Strategic Brands、アルコール系ブランドまで持つ世界的エナジードリンク企業です。Celsius Holdingsは、CELSIUS、Alani Nu、Rockstar Energy(米国・カナダ)を束ねる、フィットネス・ゼロシュガー系エナジードリンクの急成長企業です。

なお、Celsiusは2025年にAlani Nuを取り込み、さらにPepsiCoとの戦略提携を強化してRockstar Energyの米国・カナダ権利を取得しました。そのため、2026年のCelsiusは「従来のCELSIUS単体」ではなく、「CELSIUS+Alani Nu+Rockstar」のポートフォリオ企業として見る必要があります。


筆者の注目ポイント

  • 注目度:Monster Beverage ★★★★★ / Celsius Holdings ★★★★☆

  • 筆者は、事業成長力という観点では Monster Beverageにやや強い関心 を持っています。

  • 理由は、売上規模、営業利益率、海外売上比率、ブランドポートフォリオ、Coca-Cola系のグローバル流通網という総合力が非常に強いためです。

  • 一方で、Celsiusは北米での高成長、Alani Nuの勢い、PepsiCo流通網の活用により、短中期の売上成長率ではMonsterを上回る可能性があります。

  • つまり、Monsterは「完成度の高い世界王者」、Celsiusは「急拡大するチャレンジャー」という構図です。


① 現在の株価・バリュエーション比較

Monster Beverage(MNST)

  • 市場:NASDAQ

  • 株価:約92.14ドル

  • 時価総額:約910.7億ドル

  • PER:約44.5倍

  • EPS:約2.07ドル

  • 配当利回り:無配

  • 決算期:12月決算

  • 会計基準:US GAAP

  • 2026年1Q粗利益率:55.0%

  • 2026年1Q営業利益率:約31.1%

  • 2026年1Q純利益率:約24.2%

Monsterは、消費財企業としてはかなり高いPERで評価されています。ただし、粗利率55%、営業利益率30%超、純利益率20%超という収益性を見ると、単なる飲料メーカーではなく、高収益ブランド企業として評価されていることが分かります。

Celsius Holdings(CELH)

  • 市場:NASDAQ

  • 株価:約29.15ドル

  • 時価総額:約75.7億ドル

  • PER:約64.8倍

  • EPS:約0.45ドル

  • 配当利回り:無配

  • 決算期:12月決算

  • 会計基準:US GAAP

  • 2026年1Q粗利益率:48.3%

  • 2026年1Q純利益率:約14.1%

  • 2026年1Q Adjusted EBITDAマージン:約25.0%

Celsiusは、Monsterより規模は小さい一方、成長期待が大きいためPERは高めです。2026年1QはAlani NuとRockstarの統合効果により売上が急拡大しましたが、粗利益率はMonsterより低く、統合コストやブランドミックスの影響を受けています。


② 直近決算の比較

Monster Beverage(MNST)の直近決算

  • 対象:2026年12月期第1四半期

  • Net Sales:23.5億ドル

  • Monster Energy Drinks segment:21.9億ドル

  • Strategic Brands segment:1.267億ドル

  • Alcohol Brands segment:3,270万ドル

  • Net sales to customers outside the U.S.:10.6億ドル

  • Gross Profit Margin:55.0%

  • Operating Income:7.30億ドル

  • Net Income:5.695億ドル

  • Diluted EPS:0.58ドル

  • 前年同期比:Net Sales +26.9%、Operating Income +28.1%、Net Income +28.6%、Diluted EPS +27.6%

Monsterは、2026年1Qに四半期売上が23億ドルを超え、営業利益も7億ドルを超えました。特に海外売上が前年同期比44.9%増となり、全売上の約45%を占めた点が重要です。米国依存から、グローバル消費財企業としての色がさらに濃くなっています。

Celsius Holdings(CELH)の直近決算

  • 対象:2026年12月期第1四半期

  • Revenue:7.826億ドル

  • North America revenue:7.473億ドル

  • International revenue:3,530万ドル

  • Gross Margin:48.3%

  • Net Income:1.101億ドル

  • Net Income attributable to Common Shareholders:8,510万ドル

  • Diluted EPS:0.33ドル

  • Adjusted Diluted EPS:0.41ドル

  • Adjusted EBITDA:1.955億ドル

  • 前年同期比:Revenue +138%、North America +144%、International +55%、Net Income +148%、Adjusted EBITDA +181%

Celsiusは、2026年1Qに売上が前年同期比で2倍以上に伸びました。これはCELSIUS単体の成長に加え、Alani NuやRockstar Energyの取り込み、PepsiCo流通網の活用が効いています。成長率は圧倒的ですが、北米売上が全体の約95%を占めており、海外展開はまだ初期段階です。


③ 事業構造・中期方針の比較

Monster Beverageの事業構造

Monsterは、エナジードリンクを中心に、複数ブランドと価格帯を展開する企業です。

代表的なブランド・領域:

  • Monster Energy

  • Monster Ultra

  • Reign Total Body Fuel

  • Reign Storm

  • Bang Energy

  • NOS

  • Full Throttle

  • Predator

  • Fury

  • Strategic Brands

  • The Beast Unleashedなどのアルコール系ブランド

Monsterの主力はMonster Energy Drinks segmentです。2026年1Qの同セグメント売上は21.9億ドルで、全社売上の大部分を占めます。一方で、PredatorやFuryなどの手頃な価格帯ブランド、Strategic Brands、アルコールブランドを持ち、先進国・新興国の両方を狙える構造です。

強み:

  • Monster Energyの世界的ブランド力

  • Coca-Cola系のグローバル流通網

  • 海外売上比率約45%

  • 粗利益率55%、営業利益率30%超の高収益性

  • Reign、Bang、Predator、Furyなど複数ブランド展開

  • エナジードリンク市場の拡大を世界で取り込める

課題:

  • PERが高く、成長期待が織り込まれている

  • エナジードリンク市場でRed Bull、Celsius、ローカルブランドとの競争が激しい

  • アルミ缶、物流費、為替、地理的ミックスで粗利率が変動する

  • Monsterブランドへの依存度が高い

  • アルコールブランドはまだ全体寄与が小さく、成長性は検証段階

中期方針:

  • 中核Monsterブランドの拡張

  • Reign、Bang、Strategic Brands、Predator/Furyなどのブランドポートフォリオ拡大

  • 海外市場の深掘り

  • 価格改定とサプライチェーン効率化

  • 新製品投入による棚面維持・獲得

  • アルコール系ブランドの育成

Celsius Holdingsの事業構造

Celsiusは、フィットネス・ゼロシュガー・機能性を前面に出したエナジードリンク企業です。

代表的なブランド・領域:

  • CELSIUS

  • CELSIUS Essentials

  • CELSIUS On-the-Go Powder

  • Alani Nu

  • Rockstar Energy(米国・カナダ)

  • PepsiCo流通による米国・カナダ展開

Celsiusの大きな変化は、2025年のAlani NuとRockstarの取り込みです。これにより、従来のCELSIUS単体から、女性・フィットネス層に強いAlani Nu、クラシックなエナジードリンク需要を取るRockstarを含む、複数ブランド型へ変わりました。

強み:

  • CELSIUSブランドの健康・フィットネスイメージ

  • Alani Nuの高成長

  • PepsiCo流通網の活用

  • 米国・カナダでRockstarを加えたポートフォリオ化

  • 2026年1Q売上成長率+138%

  • Adjusted EBITDAマージン約25%

課題:

  • 北米売上依存が極めて高い

  • Monsterより粗利率が低い

  • Alani NuとRockstarの統合コスト・運営リスク

  • PepsiCo流通への依存

  • 2025年以降の買収効果を除いたオーガニック成長率の見極めが必要

  • 高PERで期待値が大きい

中期方針:

  • CELSIUS、Alani Nu、Rockstarを統合した米国エナジードリンクポートフォリオ運営

  • PepsiCoを活用した小売・フードサービス・新チャネル開拓

  • Alani Nuの配荷拡大

  • Rockstarの米国・カナダでの再活性化

  • 国際展開の拡大

  • 統合完了後の粗利率正常化


④ 2社のビジネス戦略の違い

事業ポートフォリオの広げ方

Monsterは、巨大なMonsterブランドを中心に、価格帯・味・機能・地域ごとに複数ブランドを展開しています。先進国ではMonster UltraやReign、新興国ではPredatorやFuryのような手頃なブランドも使い、世界市場を取りに行く戦略です。

Celsiusは、健康志向・フィットネス志向のCELSIUSを核に、Alani NuとRockstarを加えて、米国エナジードリンク棚での存在感を一気に高める戦略です。カテゴリー内の複数消費者層を取りに行く形に変わっています。

投資方針と成長手法

Monsterは、自社ブランドの育成、新製品投入、グローバル流通網、価格改定、マーケティングで成長するタイプです。大型買収よりも、既存ブランドの世界展開と棚面支配力が中心です。

Celsiusは、買収と流通提携で一気に規模を拡大するタイプです。Alani NuとRockstarにより売上規模は急拡大しましたが、その分、統合とブランド運営の難易度も上がりました。

市場開拓の方向性

Monsterは、海外売上が全体の約45%まで上がっており、世界市場の深掘りが主戦場です。エナジードリンク市場の拡大をグローバルで取り込む会社です。

Celsiusは、まず北米での棚面・配荷・ブランド統合が最重要です。海外売上は成長しているものの、まだ全体の5%程度であり、国際展開はこれからのテーマです。

戦略の違いが生む構造差

Monsterは、すでに世界で勝っている高収益企業です。規模、利益率、海外比率のバランスがよく、エナジードリンク市場が伸びるほど恩恵を受けやすいです。

Celsiusは、急成長している挑戦者です。売上成長率は圧倒的ですが、成長の中身には買収・統合効果が大きく、継続的なブランド成長と粗利率改善を確認する必要があります。


⑤ 市場規模(TAM)と成長性

市場の拡大がそのまま各社の業績や株価に結びつくわけではありません。

両社の主戦場となる市場

両社の主戦場は、世界のエナジードリンク市場です。

Fortune Business Insightsによると、世界のエナジードリンク市場は2025年に771.6億ドル、2026年に833.1億ドル、2034年に1,572.1億ドルへ拡大し、2026〜2034年のCAGRは8.26%とされています。北米市場は2025年に273.8億ドル、米国市場は221.5億ドルとされています。

市場の成長ドライバー

  • ゼロシュガー・低カロリー商品の普及

  • フィットネス・ウェルネス志向

  • eスポーツ・ゲーム・若年層文化

  • コンビニ・スーパー・クラブストアでの配荷拡大

  • 新興国の都市化と所得上昇

  • 機能性飲料、カフェイン、ビタミン、アミノ酸需要

  • 女性・ライトユーザー向けブランドの拡大

  • フレーバー多様化と限定品マーケティング

抑制要因

  • カフェイン・糖分への規制

  • 健康懸念

  • 競争激化による販促費増加

  • アルミ缶・物流費・原材料費上昇

  • 小売棚面争奪

  • 流通パートナー依存

  • ブランドの流行サイクル

  • 消費者の嗜好変化

両社の市場ポジション

Monsterは、世界エナジードリンク市場の中心プレイヤーです。Red Bullと並ぶグローバル大手で、Monster Energyを中核に複数ブランドを持ちます。海外売上比率が高まっているため、米国市場だけでなく、欧州・アジア・南米・新興国の成長を取り込めます。

Celsiusは、米国エナジードリンク市場で存在感を急速に高めた新興大手です。CELSIUS、Alani Nu、Rockstarを束ねることで、ゼロシュガー・フィットネス・女性向け・クラシック系まで複数需要を取れるようになっています。


⑥ 各社の優位性と参入障壁

Monster Beverage(MNST)の優位性と参入障壁

競争優位の源泉:

  • Monster Energyの世界的ブランド

  • 2026年1Q売上23.5億ドル

  • 2026年1Q営業利益7.3億ドル

  • 海外売上10.6億ドル、売上比率約45%

  • Coca-Cola系のグローバル流通網

  • 粗利益率55%、営業利益率30%超

  • Monster、Reign、Bang、Predator、Furyなどのブランド群

参入障壁:

  • ブランド:Monster Energyの認知度とファン文化

  • 販売チャネル:世界中のコンビニ、スーパー、ガソリンスタンド、飲食チャネル

  • 規模の経済:製造、調達、物流、マーケティングの効率

  • 棚面支配力:小売店でのスペース確保

  • スポンサーシップ:モータースポーツ、格闘技、音楽、アクションスポーツとの結びつき

  • グローバル展開力:国ごとの価格帯・ブランド使い分け

障壁の持続性:

  • 強固

  • エナジードリンクはブランド、棚面、流通が非常に重要です。

  • Monsterはこの3点で強い堀を持っています。

  • ただし、CelsiusやAlani Nuのような新しいブランドが若年層や女性層を取るリスクはあります。

Celsius Holdings(CELH)の優位性と参入障壁

競争優位の源泉:

  • CELSIUSのフィットネス・健康志向イメージ

  • Alani Nuの女性・ライフスタイル層への訴求

  • Rockstarのクラシックエナジー需要

  • PepsiCo流通網

  • 2026年1Q売上7.826億ドル、前年同期比+138%

  • 2026年1Q Adjusted EBITDA 1.955億ドル

  • 米国ゼロシュガー系エナジー成長の取り込み

参入障壁:

  • ブランド:CELSIUSとAlani Nuの明確なポジショニング

  • 販売チャネル:PepsiCo流通網による棚面拡大

  • 顧客基盤:フィットネス・ウェルネス・女性・若年層

  • マーケティング:SNS、インフルエンサー、ライフスタイル訴求

  • ポートフォリオ:CELSIUS、Alani Nu、Rockstarの消費者層分担

障壁の持続性:

  • 中程度〜強固

  • Celsiusのブランドは強いですが、Monsterほど長期のグローバル実績はまだありません。

  • PepsiCo流通は大きな武器ですが、流通パートナーへの依存も同時に生みます。

  • 統合後の粗利率、棚面維持、ブランド間のカニバリゼーションを確認する必要があります。

どちらの「堀」が深いか

堀の深さでは、現時点ではMonsterが優位です。世界的ブランド、流通、棚面、収益性、海外展開のすべてが強いです。

Celsiusの堀は、北米のフィットネス・ゼロシュガー・女性向けエナジードリンク需要に深く刺さるブランド力と、PepsiCo流通網です。Monsterが「世界規模のブランド・流通の堀」なら、Celsiusは「北米成長カテゴリーで急速に深まりつつある堀」です。


⑦ 今後3年間の事業環境シナリオ

あくまで事業環境の整理であり、株価予測ではありません。

追い風シナリオ

  • 世界エナジードリンク市場が年率8%前後で拡大

  • ゼロシュガー・フィットネス系需要が強い

  • Monsterの海外売上比率がさらに上昇

  • CelsiusがAlani NuとRockstarをうまく統合

  • PepsiCo流通によりCelsiusの棚面が増える

  • アルミ缶・物流費の負担が落ち着く

  • 新製品・限定フレーバーがヒットする

この場合、Monsterは海外成長と高収益性の両立が進みます。Celsiusは北米ポートフォリオ拡大と粗利率正常化により、売上・利益の両方で高成長を維持しやすくなります。

基本シナリオ

  • エナジードリンク市場は拡大するが競争は激しい

  • Monsterは高利益率を維持しつつ海外成長を続ける

  • Celsiusは買収効果が一巡し、オーガニック成長率が焦点になる

  • 小売棚面争奪と販促費が続く

  • 粗利率は原材料・物流費に左右される

この場合、Monsterは安定成長、Celsiusは成長率の質を問われる展開になります。

逆風シナリオ

  • カフェイン・糖分規制が強まる

  • 消費者の健康懸念が高まる

  • 小売棚面をめぐる競争が激化

  • CelsiusのAlani Nu/Rockstar統合が想定より難航

  • PepsiCo流通への依存が業績のブレにつながる

  • Monsterの海外成長が為替や地政学で鈍化

  • アルミ缶・物流費が再上昇する

この場合、Monsterは高PERの正当化が難しくなり、Celsiusは成長期待の剥落が起きやすくなります。


⑧ 筆者がMonster Beverageに注目する理由

1. 収益性がかなり高い

Monsterは2026年1Qで、売上23.5億ドルに対して営業利益7.3億ドルです。営業利益率は約31%で、飲料メーカーとしては非常に高い水準です。

2. 海外売上の成長が強い

Monsterの2026年1Q海外売上は10.6億ドルで、前年同期比44.9%増でした。しかも海外売上比率は約45%まで上がっています。これは、米国市場だけに依存しない成長余地を示しています。

3. ブランドポートフォリオが広い

MonsterはMonster Energyだけでなく、Reign、Bang、Predator、Furyなど複数ブランドを持っています。価格帯・機能性・地域ごとにブランドを使い分けられる点は、グローバル展開で大きな強みです。

逆の見方・反論ポイント:

  • Celsiusは2026年1Q売上成長率+138%と、成長スピードではMonsterを大きく上回る

  • CelsiusはAlani NuとRockstarを加え、米国エナジードリンク棚での存在感が急拡大している

  • Monsterは時価総額が大きく、成長率の上振れ余地はCelsiusより小さい

  • MonsterはPER40倍台で、成熟企業としては割高に見える

  • CelsiusはPepsiCo流通網の活用が進めば、北米でさらにシェアを伸ばす可能性がある


⑨ 両社の競合マップ(6社)

直接競合(2社)

  • Red Bull(非上場)

    • 世界最大級のエナジードリンクブランド。Monsterにとって最大の直接競合であり、プレミアムブランド力・スポーツマーケティングに強い。

  • PepsiCo(PEP)

    • Celsiusの戦略パートナーであり、Rockstarの国際権利を持つ飲料・食品大手。流通面では味方だが、飲料ポートフォリオ全体では比較対象になる。

広義の競合(2社)

  • Coca-Cola(KO)

    • Monsterの大株主・流通パートナー。飲料棚面、炭酸、機能性飲料、グローバル流通の観点で重要な存在。

  • Keurig Dr Pepper(KDP)

    • 米国飲料流通・ブランドポートフォリオを持つ企業。エナジー、炭酸、機能性飲料の棚面競争で広義に競合。

海外 or 代替競合(2社)

  • Suntory Beverage & Food(2587)

    • 日本・アジア・欧州で飲料事業を展開。エナジードリンク、機能性飲料、清涼飲料の地域競争を考えるうえで比較対象。

  • National Beverage(FIZZ)

    • LaCroixを持つ米国飲料企業。直接のエナジードリンク企業ではないが、低糖質・機能性・炭酸飲料の消費者時間を奪い合う代替競合。

  • ※あくまで事業環境の理解を補助する目的であり、他銘柄の推奨ではありません。


⑩ それぞれのリスク要因

Monster Beverage(MNST)のリスク

  • 高PERによる期待値リスク

  • Red Bull、Celsius、ローカルブランドとの競争

  • Monster Energyブランドへの依存

  • 海外展開に伴う為替・地域規制リスク

  • アルミ缶・物流費・原材料費上昇

  • カフェイン・糖分規制

  • アルコールブランドの成長不確実性

  • Coca-Cola流通網への依存

Celsius Holdings(CELH)のリスク

  • Alani NuとRockstarの統合リスク

  • PepsiCo流通への依存

  • 北米売上依存

  • 買収効果一巡後の成長鈍化

  • 粗利率がMonsterより低い

  • CELSIUS、Alani Nu、Rockstar間のカニバリゼーション

  • 高PER・高期待値

  • SNS・フィットネストレンド変化の影響

共通のリスク

  • エナジードリンク規制

  • 健康懸念

  • 消費者嗜好の変化

  • 小売棚面競争

  • 販促費・マーケティング費上昇

  • 為替変動

  • 原材料・物流・アルミ缶コスト

  • 景気減速による裁量消費の鈍化


⑪ 読者の関心軸別まとめ

特定の投資行動を推奨するものではありません。

  • 成長性重視:

    • Celsiusは、売上成長率、Alani Nu、Rockstar、PepsiCo流通による急拡大に注目

    • Monsterは、海外売上成長とブランド拡張による安定成長に注目

  • 安定性重視:

    • Monsterは売上規模、利益率、海外分散、ブランド力で優位

    • Celsiusは成長力は高いが、統合・流通・北米依存のブレがある

  • 配当重視:

    • 両社とも無配

    • 配当よりも、ブランド成長・利益率・株主価値創出を見る銘柄

  • バリュー重視:

    • MonsterはPER40倍台、CelsiusはPER60倍台で、どちらも低PER銘柄ではない

    • Monsterは高収益性、Celsiusは高成長性でバリュエーションを正当化できるかが焦点

    • 単純な割安性より、成長の持続性と粗利率の安定性を見る必要がある


⑫ この比較の面白さ

この2社の比較は、「飲料ビジネスでも、ブランドと流通がどれだけ強い堀になるか」を見るうえで面白いです。

Monsterは、世界中で売れるエナジードリンクブランドを持ち、Coca-Cola系の流通網も使える、非常に完成度の高い企業です。すでに大きいのに、海外売上がまだ伸びている点が魅力です。

Celsiusは、ゼロシュガー・フィットネス・女性向け・ライフスタイルという新しいエナジードリンク需要を取り込み、Alani NuとRockstarで一気に規模を広げました。ただし、急拡大の反動として、統合リスクとオーガニック成長の見極めが重要です。

Monsterは「強い王者」、Celsiusは「勢いある挑戦者」。どちらもエナジードリンク市場の成長に乗る企業ですが、投資家が見るべきポイントはかなり違います。


記録データ

  • Monster Beverage(MNST)

    • 市場:NASDAQ

    • 決算期:12月

    • 会計基準:US GAAP

    • 株価:約92.14ドル

    • 時価総額:約910.7億ドル

    • PER:約44.5倍

    • 配当:無配

    • 2025年通期Net Sales:82.9億ドル

    • 2025年通期Operating Income:24.2億ドル

    • 2025年通期Net Income:19.1億ドル

    • 2026年1Q Net Sales:23.5億ドル

    • 2026年1Q Monster Energy Drinks segment:21.9億ドル

    • 2026年1Q Strategic Brands segment:1.267億ドル

    • 2026年1Q Gross Profit Margin:55.0%

    • 2026年1Q Operating Income:7.30億ドル

    • 2026年1Q Net Income:5.695億ドル

    • 2026年1Q Diluted EPS:0.58ドル

    • 2026年1Q海外売上:10.6億ドル

  • Celsius Holdings(CELH)

    • 市場:NASDAQ

    • 決算期:12月

    • 会計基準:US GAAP

    • 株価:約29.15ドル

    • 時価総額:約75.7億ドル

    • PER:約64.8倍

    • 配当:無配

    • 2025年通期Revenue:25.153億ドル

    • 2025年通期Gross Profit Margin:50.4%

    • 2025年通期CELSIUS brand revenue:14.577億ドル

    • 2025年通期Alani Nu revenue:10.019億ドル

    • 2025年通期Rockstar Energy revenue:5,560万ドル

    • 2026年1Q Revenue:7.826億ドル

    • 2026年1Q North America revenue:7.473億ドル

    • 2026年1Q International revenue:3,530万ドル

    • 2026年1Q Gross Margin:48.3%

    • 2026年1Q Net Income:1.101億ドル

    • 2026年1Q Adjusted EBITDA:1.955億ドル

    • 2026年1Q Diluted EPS:0.33ドル


数値の出典

  • Monster Beverage「2026年12月期 第1四半期決算」

  • Monster Beverage「2025年12月期 第4四半期・通期決算」

  • Monster Beverage「2025 Form 10-K」

  • Celsius Holdings「2026年12月期 第1四半期決算」

  • Celsius Holdings「2025年12月期 第4四半期・通期決算」

  • Celsius Holdings「PepsiCoとの戦略提携強化リリース」

  • Fortune Business Insights「Energy Drinks Market Size, Share & Industry Report, 2026-2034」

  • Yahoo!ファイナンス、各種金融情報サイト


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重要事項(免責事項)

本記事は、公開情報をもとに筆者が作成した企業比較・事業分析であり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
記載している数値や見解は作成時点のものであり、今後変更される可能性があります。
投資判断は、必ずご自身で最新の開示資料や専門家の意見を確認したうえで、自己責任で行ってください。


おまけ:今日のひとこと用語解説

粗利益率って何?

粗利益率は、商品を売ったあと、原価を引いてどれくらい利益が残るかを見る数字です。
たとえば100円で売って、作るのに45円かかったら、55円が粗利益で、粗利益率は55%です。
飲料ビジネスでは、ブランド力や価格改定、原材料費、物流費によって粗利益率が大きく変わります。

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