Claude×Linearでタスク管理を魔改造進化。人間のしょーもなさをAIで補って「代謝のいい組織」をつくってみたのだが
こんにちは!カドベヤAI部です!
「タスク管理」正直うまくいっていますか?
もし、うまくいってない場合、理由はシンプルで「タスク管理は人間には無理ゲー」だから。
カドベヤではこの前提を受け入れて、タスク管理をAIにやってもらう仕組みに変えました。
今までタスク管理ツールをいろいろ導入してきましたが、どんなに素晴らしいサービスを使っても、なんかいやな部分がよどみのようにたまってきて、うんざりしては別のタスク管理手法を試すということが繰り返されてきました。
Trelloのカンバン型のタスク管理。Wrikeのプロジェクトマネジメント型。Notionを使ってタスク管理の手法自体をカスタマイズ。幾度となくツールの使いこなしを試行錯誤しながら、本を買って勉強したり、カスタマーサクセスの方に相談をしてみたり。それでもなんとなくうまくいかない…しっくりこない…

実は、この問題はツールやメンバーの意識の問題ではなく、人間の認知負荷の限界が根本にあります。カドベヤでは、「タスク管理は人間には無理ゲー」と割り切ってAIとの親和性がめちゃめちゃ高いLinearというタスク管理ツールを導入しました。LinearをClaude Codeに操作させるということを通して、組織のタスク代謝を劇的に変えようとしています。

① Claudeで会話する
② 思いついたら「issue化して」と言う
③ Linearに高品質なタスクが自動登録される
AIと会話しているだけで、成果が出まくる組織に変わる!そんな夢のようなタスク管理をまるまるnoteで公開してしまおうという太っ腹企画。
今回は、その仕組みを設計したカドベヤ取締役COO・長津孝輔に、カドベヤAI部の岡安と野田がインタビューを実施しました。なぜ従来のタスク管理は破綻するのか、そしてAIがどのように組織を変えていくのか——まずはその問題点から紐解いていきます。
↓↓↓長津孝輔とは何者なのか?こちらの記事もお読みください
【カドベヤAI部メンバー】
取締役COO:長津孝輔
エージェント:岡安健太
エージェント:野田逸平
なお、本記事は「Claude×Linearで代謝する組織をつくろう」シリーズの第1章「コンセプト編」です。第2章「バイブタスク管理 設計編」、第3章「バイブタスク管理 実践編」と続き、カドベヤLinearオペレーションに必要なCLAUDE.mdやskillsなどをgithubで公開するつもりです(絶賛準備中)。

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この記事の内容を渡してClaude Designに生成してもらったスライドはこちら。スライドで概要だけ知りたい方はSpeakerDeckでもおたのしみいただけます。それではインタビューのはじまりです。
「シップしまくる企業」しか生き残れない時代
ーまず、なぜ今「タスク管理」を語る必要があるんでしょうか?
長津:AIの登場によって世の中の会社組織のあり方が根底から変わろうとしていると思っています。

Anthropicが僕は大好きなんですが、週に3〜4本ぐらいのペースで破壊的な新機能をリリースしていくんですよ。最近もClaude Designが公開されてAdobeとFigmaの株価が下がったばかりですが、こんな機能があったらいいな〜。と思っていたものを信じられないハイペースで公開し続けています。OpenAIもそうだし、Googleもそう。AI企業だけじゃなくて、いけてるSaaSプロダクトも最近ものすごいペースで新機能を公開していくでしょう?
とにかく「シップ(出荷)しまくる」ことが、これからの企業の至上命題になっていきます。
アメリカ中心に起こっているそういうムーブメントを指をくわえて見ている場合ではなくて、日本企業も含めて「シップ力」がある会社しか生き残れないハードな世界になっていくんだと思うんですよ。おそらく日本でも数ヶ月後には明確にそういう世界になります。
岡安:確かに、最近アップデートのスピードとペースがすさまじいですよね。
長津:AIを使いこなせる優秀な人たちの、個人のアウトプットが100倍になっている。
僕はずっと言ってるんですけど、AIって人のアウトプットを爆増させる道具だと思っていて、優秀な人——僕は「AIサイボーグ」って呼んでるんですけど——のアウトプットが100倍になったから、それを束ねるチームのシップが1,000倍になり、会社のシップが10,000倍になっている。
つまり、AIを完全に自分の仕事に取り込んだ人たちがたくさん所属している組織が各所に現れ始めていて、そのスピード感を減速せず組織のアウトプットに変換できる秘密の方法が確立されつつあるということなんじゃないかと思うんです。

でも、そんな組織のマネジメントやタスク管理の話って、まだあんまり具体的なものを見たことがない。AI企業ではそういうマネジメント手法が水面下で体系化されつつあるのかもしれないですが、AIを使いこなすプレイヤーたちを減速させないマネジメントの話ってあんまり外に出てこないですよね。
AIサイボーグ組織の「チームマネジメント」の方法論
ーAIサイボーグが集まった組織のマネジメントは、まだ答えが存在しないということですか?
長津:そうですね。まだ実験中なのか、秘密なのか。Xには毎日新しいAIの使い方が出てきて話題になっていますけど、それを1つのチームとして、会社としてどう活かすかまではあんまり語られていないんような気がします。
野田:僕もClaude CodeをMAXプランにして使ってみて、なんでも作れることに感動しているんですが、確かにチームとして使うというところまで意識できてないかもしれません。個人の力はぐんぐん伸びているけど、みんなでAIを使って仕事するというところまでは想像がいたってない感じがあります。
長津:「みんなでAIを使う」って、言うのは簡単だけど、実際は結構難しいよね。今日はClaudeにLinearを操作させてチームのタスク管理を最高の状態に持っていこうという話をしたいんだけど、そこにはツール論だけじゃなくて、マネジメント論みたいなものまでが自然に含まれる問題なんだと思います。
しかもこの議論には危うさも含まれていて。AIサイボーグ集団を前提にマネジメントした場合、当たり前だけどAIを使えない人はその組織には入れなくなっていく。AIサイボーグに特化した形で人間の組織を作っていくって、結構ストロングスタイルなんだと思うんですよ。

野田:ヘタをするとAIを使いこなす人たちだけの選民思想みたいな感じになってしまう可能性もありますか?
長津:うーん。あると言えばある。でもね、どんな企業の歴史の中でも「⚪︎⚪︎ネイティブ」が入社してきた時の会社全体のクライシスってあったんだと思うんですよね。
スマホネイティブとか、SNSネイティブとか、コロナ禍の時に入社したリモート世代とか、普段TikTokしか観ていない新入社員とおじさんが話が合わないみたいなこともあると思うんですけど、そういった新しい価値観が流れこんだ時に、会社のルールを柔軟に変えていくことって、企業として当たり前にやるべきことだと思うんですよ。
「AIによって異常なアウトプットするやつ」が急に現れた時に、それを会社のルールで制限したり禁止することなんてナンセンスすぎるし、「チームにはAIが使えない人もいるんだから気を遣ってやろうね」みたいな指導を1on1でするマネージャーがもしいたら、僕ならぶっとばします。笑
カドベヤのブランドとしての価値を毀損したり、社会的な倫理観から逸脱してしまわない限り、メンバーのやる気とスピードを阻害するようなマネジメントは元々認めてないわけで。

岡安:たしかに今まで3時間かかっていた業務を、Claudeで3分で終わらせたのに、空気を読んでないから怒られてしまうような組織だったら、会社に所属する意味がよくわからなくなってしまうかもしれないです(笑)。
長津:そうだよね。AIに関しては、まったく使わない人から、バキバキに使って成果出しまくる人までのグラデーションがある。淡い方に合わせて現状維持的な方法を選ぶのか?濃い方に合わせて会社の方法をガラッと変えるのか?組織のリーダーたちはまだ悩んでいるんじゃないでしょうか?カドベヤは、AIサイボーグばかりの会社を目指すと宣言していますので、当然AI濃度が高いマネジメントに切り替えていきます。
個人の爆発的なアウトプットを会社の成果に転換していって、会社の成果として増幅させながら取り込んでいくような「代謝の良い組織」のマネジメントが重要になっていくんじゃないかと思うんです。

「代謝のいい組織」とは何か
ー「代謝のいい組織」とは具体的にどういうイメージなのでしょうか?
長津:基本的には多くの組織はピラミッド型の指揮命令系統で、それらが事業ごとの縦割りになってたりするという構造を持っています。四角形で囲った集団の中に三角形の組織図があるかたちですよね。
タスクはピラミッドの上から降ってきて、下の方の現場メンバーが受け取って対応して、完了したら上に承認依頼して、それをさらに上に確認して……っていう階段をのぼったり降りたりするような情報伝達ですよね。そういったウォーターフォールな環境では重力の問題があって、上下の伝達経路には、上の方のどこかで止まってボトルネックが発生するという問題が起こりがちです。
「超絶アウトプットAIサイボーグ集団」のコンセプトは、AIで今までになかった異常な仕事量をこなす個人のスピードを減速させないことにあるので、停滞が起こりやすい形のまま続けていくのは難しそうです。縦割り構造のウォーターフォールで「週に4つ破壊的な機能をリリースする」ような速度に追いつけるものなのかな?
決裁のために課長の判子、部長の判子、本部長の判子、社長の判子が必要で……時間をかけて判子を微妙にお辞儀させてる間に、Claudeには新しい機能が追加されてしまうでしょう。

リーダーとメンバーが一体になって1週間とかの短い単位の意思決定ループでタスクの代謝をよくしていく手法もあります。それが、アジャイル・スクラム・リーンと呼ばれているものです。
生成AIがまだこんなに発達していない頃、あくまで人間がタスクをこなしていく前提で設計されたものなので、チームの成果物が100倍・1,000倍になった時にそのままの手法でいけるのかどうかも疑問だよなと思ったんですよ。
たぶん、現場からの成果報告まみれで意思決定する人の認知負荷が高くなりすぎる。
僕はCOOという立場ですが、少数精鋭の5つの部門と週次のスプリントを持っています。それ以外に制作案件のお客様との週次の定例が5つぐらい。月次の定例会はいくつやってるんだというぐらい、ずっと意思決定に追われています。それに加えてAIと僕だけでやっているSNSコンテンツ生成プロジェクトチームもいくつかあったりするので、夜には頭からぷすぷす煙が出てるような状態になっています。笑

①人間 ②人間+AI ③AI から爆発的なアウトプットが出て、それに対する情報が洪水のように押し寄せる組織において、AIやAIサイボーグメンバーは「超高品質な報告・連絡・相談」を連打する必要があるし、それに対するAIサイボーグリーダーは「超速意思決定」を常にしていかないと成立していくはずがないんだと思います。
3日にひとつ破壊的なリリースをしていくAI企業が、ノンフィクションとしてこの世に存在してしまっているいま、相対的に既存の組織形態と多くの方法論が「遅すぎ」になってしまっているとしたら?AIサイボーグの速さに対応した新しいやり方を作っていかなくてはいけません。

「人間ってしょーもない」ということを受け入れる——AIで人間のしょーもなさを補うマネジメント
ーAIサイボーグの「超高品質ホウレンソウ」とAIリーダーの「超速意思決定」にはどんな課題があるんですか?
長津:3つの局面で3つづつの課題があると思っています。

①人間メンバーのタスク管理
自分だけのルールでやる
目的を見失っている
「いつかやる」ことを一生やらない
②人間メンバーのホウレンソウ
受け取る人の事を考えていない
責任を逃れることを優先して意思決定を丸投げする
ホウレンソウ自体をやらない/忘れる
③人間リーダーの意思決定
判断を先送りする
自分が理解できないことはリスクとみなす
リスク自体取らない
岡安:うわー。耳をふさぎたい。そんなにダイレクトに恥ずかしいことを言わなくてもいいじゃないですか。
長津:いや、恥ずかしいけど直視しよう。このようなことは実はうちのような野武士の集まりのような小規模な組織だけじゃなくて、めちゃめちゃ頭が良くて有能な方が集まっているところでも、同じような問題が起きているんじゃないかと思うんです。

色々な現場の素晴らしいPOやスクラムマスターやPdMの人と僕は会ってきたんだけど、「めちゃくちゃ忙しいのに人間ができててやさしそう」という共通点があるんです。どの現場でもそうです。
野田:言われてみれば、すごくやさしく話を聞いてくれる人が多いかもしれませんね。包容力があるというか。
長津:おそらく、どの現場でもろくでもない…いや、人間らしいアウトプットと人間らしい報告が出てくるのを、仕事ができて優しい人間が「人間力でカバー」することでなんとかうまくいってるんだと思うんですよね。その証拠に人間力が高いリーダーが辞めたり、外れたりした組織って、一気に仕事が回らなくなったりします。
人間が人間のタスクをマネジメントすることって、そもそも相認知負荷が高いことなのに、AIがいる世界でタスクマネジメントするのって人間の認知能力の限界を超えていることなんじゃないかなと思うんですよ。
だからこそ人間ってしょーもないっていう事を最初に受け入れて、それを設定の前提にするべきなのかなと思うんです。人間のダメさをみんなで受け入れてしまって、AIでそれを補うんだという決意さえしてしまえば最高のタスク管理が実現できるかもしれないよ。というのが僕からのご提案です。

岡安:人間の苦手なことをAIで補って仕組み化するべきだったってことですね。
長津:そう。人間のしょーもなさにうんざりしながら最適化するっていうパターンをこの際やめて、人間が苦手なことをAIに頼んで、速度を最大化するチームマネジメントを考えてみようじゃないかという感じです。
人間にタスク管理は無理ゲーなのでカドベヤではClaude×Linearを導入しました

ーいやー人間はしょーもないとか認めなくないなぁ(笑)。
長津:いや、しょーもないでしょ。これはうちのメンバーがとか、特定の誰かがしょーもないという話ではなくて、タスク管理という観点では僕も含めた全人類が相対的にしょーもないという話ですよ。
カドベヤはしょーもなさを補うためにClaude×Linearをチームでのタスク管理に導入しました。人間がタスク管理をせず、Claude Codeを使ってLinearを管理するという方法論を確立中です。
Linearは、一般的にはエンジニア組織での開発プロジェクトなどのタスク管理に使われるツールです。アプリ、web、モバイルでいい感じのUIで使えます。他のタスク管理ツールと同様に、タスクの作成、担当者の割り当て、進行状況の追跡などの基本機能に加えて、Githubとの連携やslackとの連携も充実しています。
一見するとシンプルで直感的な課題管理ツールに見えるのですが、AIから操作するインターフェイスが他のツールと比べて圧倒的に充実しています。OpenAIやAnthropicでも使われているらしく、AIとの親和性が他と比べて高いのが特徴です。
カドベヤでは2025年11月ごろにタスク管理を全てLinearに移行して以来、半年以上Linearを愛用してきました。それだけでもスピード感が上がってきた手応えがあったのですが、Claude Codeを使ったタスク管理を行うことによって、さらに超速化したタスク管理の実現を目指しています。

次回予告:Claude×Linearでタスクマネジメントが超絶進化
今日は「Claude×Linearで代謝する組織をつくろう」シリーズの第1章「コンセプト編」についてお話しました。最後まで読んでくれてありがとうございました。第2章「バイブタスク管理 設計編」では、以下のような内容をお伝えするつもりです。
- CLAUDE.mdで高品質なissueを生成する
- LinearをClaudeの記憶システムに組み込む
- skillsでセッション間のタスク管理文脈を維持する
- Routinesで自動的にタスクの健康状態をヘルスチェックする
- 定例会やスプリントのアジェンダを自動的に生成する
- 暗黙知をタスク管理のOSに変えるハーネス・エンジニアリング
- OKRによる目標管理とタスク管理を一体化させる
第2章「バイブタスク管理 設計編」はこちらからお読みいただけます。
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