5/12無職サミットin駒沢オリンピック公園レポ【東京旅 後編】
■無職サミット前夜
無職サミットという伝説は、小峰ひずみさんとのイベントの翌日にDiscordで「また対談企画やりたいんだけど、いい相手いますか?」と問いかけたことから始まった。
Discord内では「○○さんと対談して欲しい!」「○○さんなら面白そう!」などと様々な意見が飛び交ったわけで、その中で僕は一つの結論にたどり着く。
「全員呼べばよくね?」
こうしてアンチワーク界隈、無職界隈の人を呼びつけておこなう、無職サミットなるイベントの企画が朧気ながら立ち上がることとなった。
サミットと呼べるくらいに人を集めるとなれば、流石に関東の方が都合がいい。となると、大阪から行くので文学フリマ東京の前後が都合がいい。ただし、文フリ前日の土曜日はZINEフェス神戸である。となると翌日であるが、翌日はド月曜日。だが、無職サミットを冠するイベントであれば月曜日にやることは障害とならず、むしろ望ましいくらいである。なぜなら参加者は無職だからだ。
文学フリマの翌日ということで、別の構想も生まれてきた。「文学フリマの売残りをさばく会」という構想である。以前、ZINEを扱う書店の人が「文学フリマ明けに売残りを売り込みに来るのはやめてくれwww」的なポストを投稿しているのを見て、僕はなんとなく売残り捌きニーズが膨大に存在していることを感じ取っていた。さらに、文学フリマも巨大化してしまい、ゆきずりのお客さんとじっくりコミュニケーションをとる・・・みたいなことがむずかしくなりつつあるいま、「もしかして酒飲みながら本の話をすれば、文フリの現場以上に濃いコミュニケーションが取れるんじゃないか?」というアイデアもそこに合流し、結果として文学フリマ内企画として盛り込むことにした。

また、たまたまベーシックインカムの話題についてXでやりとりしていた池戸万作さんにも、軽いノリで「無職サミットでベーシックインカムについて講演してくれませんか?」と聞くと、二つ返事で「いいですよ」と言ってくれたので、それも企画に盛り込むことにした。
その後、ベーシックインカムブックスのプロジェクトを一緒に進めている篠塚さんも無職サミットに参加してくれるとのことだったので、BIに詳しい二人の座談会的な形式でやることにした(※残念ながら、篠塚さんは体調不良で当日は欠席したわけだが・・・)。

そんなこんなで、やりたいことも固まってきた。というわけでビジュアルも色々とつくって、準備していくことに。



さて、そんなこんなで広報をしていると、だんだん「行きたい!」という声がたくさん集まってきた。直接参加表明してくれた人だけでも20人くらいはいて、直接つながっているわけでもない人もちょくちょく「お、無職サミットなるイベントがあるのか!参加するぜ!」といった具合で投稿しているのを見かけるようになった。
できるだけ人を集めたいと思っていたので、これは嬉しい傾向であるものの、一方でいざこれだけ集まりそうになってくると「もしかして40人とか50人とか来ちゃうんじゃないか・・・」といった不安が募り始めてくる。
もちろん、不安である。会場は無職イベントの例に漏れず公園で、なんの許可も取らない。場所も事前に抑えるわけでもなく、下見するわけでもなく、ぶっつけ本番。シートや食材、椅子やライトなど、持ち込んでもらわないとにっちもさっちもいかない(なんせ僕は大阪から新幹線で東京に行くわけで、たいした荷物を持ち込めるわけではないのだ)。それだけの人数を賄うだけの備品や会場が上手く用意できるか、ちゃんと満足いくイベントになるのか? 不安にならない方がおかしいだろう。
さて、迎えた当日はどうだったか?
■結果は、大成功!
結論から言えば、実際に50人くらいの方が来てくれた。シートや椅子、食べ物、酒などを皆さんが持ち込んでくれて、いい塩梅に備品もそろった。会場もいい感じの場所だった。
まるで神の見えざる手が無職たちをアソシエーションし、全ての帳尻を合わせてくれたようだった。
これを大成功と呼ばずして、なんと呼べばいいだろう。


もちろん、当日に至るまで、僕は探り探りであった。とくに、会場の選定には苦労した。もともと予定していた自由広場は、写真で見るよりも小石が多く、かつ雨で湿っていて、シートを敷くのには抵抗があるような場所であった。


別にここでもよかったのだけれど、問題は天気である。予報ではポツポツと雨が降りそうな微妙な空模様で、文学フリマの売残りや、トークイベント用のマイクを広げるのもマズイ。近くに屋根のある場所もあったわけだが、なんだかジメジメしていてあまりいい場所でもない。
困った困った・・・ということで、少し早めに会場入りしていた僕は公園内にいい場所がないかと散策をしていた。
20分ほど歩いて、とんでもなく良い場所を発見してしまった。
こちらである。

まずなにより屋根がある。そしていい感じにテーブルも椅子も配置されている。予報では雨は降っても少しのあいだだったので、雨が降らない間は屋根なしの場所のテーブルも使える。人もちょくちょくいるが、大群で押し寄せたならいい感じに占有できるだろう。
てなわけで、ここに陣取ることにした。

もともと予定していた開始時刻の17時よりも、3時間ちかくも早くから僕たちは会場を抑えていて、最初は4人~5人ほどでしゃべっていた。顔見知りもいれば、そうでもない人もいるという微妙な空気感である。ぎこちなく自己紹介なんかを始めてみるけれど、参加者各位もどう振る舞っていいのかわかららず、なんとなく腰が落ち着かない。
そこで、まとも書房界隈ではおなじみの『ねお★りべっ!』を何人かでプレイし始めてみたら、だんだん場がほぐれてきた(やっぱりゲームって大事)。
そうこうしているうちに、気づいたら人がだんだん増えてきた。


そうこうしているうちに酔いも回りはじめ、だんだん人見知りモードが解除されていく。人数も増えていき、日が暮れる頃には、大盛況。40人を超えたあたりから数えるのをやめたが、たぶん50人以上には膨れ上がっていたはずだ。


参加者が数人のうちは「周りの人から怪しく見られないだろうか・・・」みたいな不安があったのだけれど、これだけの人数になってくるともう周りの目なんか気にならなくなっていき、僕たちは無敵感に包み込まれる。やはり、公園はみんなで占拠すれば怖くない。
6時頃には池戸万作さんもお越し頂き、ベーシックインカムに関する講演会も行った。

講演会については、正直、ちょっと予定調和的に僕が進行してしまった点と、マイクが聞き取りずらかったという点は反省点ではあるものの、積極財政によってBIを実現するスタイルの万作式ベーシックインカムやその実現可能性を知る意味でいい機会になったのではないかと思う(後日YouTubeでアップ予定!!)。
※ちなみに池戸さんは五月中に、別の場所でも講演会を予定しているらしく、参加者を募集中である。興味ある方はぜひ。
さて、そんなこんなで大盛り上がりしていた中だが、少しだけ水を差される場面もあった。なんといっても会場の場所は公園管理事務局の目の前なのだ。案の定、事務局の人がやってきて、話しかけてきた。
事務局の人「これって何の集まりですか?」
とは言っても、想定の範囲内である。僕はやんわりと大人な感じで流すことにする。
僕「いやまぁ、ネットの集まりというか・・・ちょっと集まってご飯食べてるだけですね・・・」
事「いちおう20人以上で集まるときは申請書を書いてもらわないとダメなんですけど・・・」
僕「あ、そうでしたか。すみません。いまからでも書かせていただきましょうか?」
事「いや、もう今回は結構ですので、次から気を付けてください」
・・・と事なきを得る。まぁ、たくさん集まって盛り上がっているところを強固な意志で妨害できる人は多くない。「まぁまぁ次から気を付けてくださいね」くらいでお茶を濁すのが関の山だ。ちなみにこの後にも、警察がやってきて、近隣住民からクレームが入ったと言われた。しかし、警察の方も「そんなにうるさくないと思うんですけどねぇ・・・一応免許証の方を・・・」といった物腰柔らかい様子であり、さぞ日ごろからモンスター通報者の対応に辟易させられているのだろうなぁと感じさせられる。
せっかく大人数のイベントをやるのだ。クレームを入れられるくらいのものにしなければ話にならない。クレームは勲章である(いやまぁ迷惑はなるべくかけたくないんだけどね・・・)。
■イベントはみんなでつくってなんぼ
さて、これだけの人が集まったわけで、一人ひとりとじっくり話し込むことは不可能だった。その点は若干悔やまれるものの、各所でいろんな話題が花開いていて、僕もアレコレ場を回す必要を感じなくなり、参加者の一人として流れに身を任せることにした。
会場の様子を見ているだけで、皆さんが楽しんでくれたことは確信できたわけだけれども、後日、色んな反響をいただけたことはやっぱりうれしかった。
昨日の無職サミット、初めてにも関わらず交流してくださった皆様ありがとうございました。
— もりお (@heinotsubuyaki) May 13, 2025
企画してくださった久保さんに感謝。
貴重な体験をさせていただきました。 pic.twitter.com/P2z54c21nT
無職サミット、仕事終わりでだいぶ遅れての参加でしたが最高でした🫶
— 燎平 (@sjrs286) May 13, 2025
お話出来た方、みんな優しく穏やかな方でした。
そして何とすずひらさんの2次会に参加させていただくという、想像を超えたミラクルを体験した1日となりました。
イベントを開催してくださった久保さん、ありがとうございました✨ https://t.co/rSoDyV9cMA
無職サミットめっちゃ楽しかった!
— ゆっくり本を読む会/しょうご (@slow_reading11) May 12, 2025
マイノリティであることを堂々と公言できる空間が居心地よかった!#無職サミット
無職サミット、楽しかったです!
— すずひら (@suzuhira_1) May 12, 2025
お相手してくださった皆様、そして主催してくださった久保さん、ありがとうございました。 https://t.co/0GhlZAUqbt
無職ですかー?
— パソ猫 (@pasoneko2359) May 12, 2025
元気があれば労働以外は何でも出来る!
1・2・3、ダーッ!!
無職サミット楽しかった。
お休みなさい(-_-)zzz
無職サミットに行ってきた。こじんまりと交流。よかった。行ったよかったよ!!!🐙
— 勝山実『自立からの卒業』発売中! (@hikilife) May 12, 2025
無職サミットお疲れ様でした。めっちゃ楽しかった!
— 月落不離天 (@un774) May 12, 2025
無職サミット大盛況のうちに終了!
— こうたろう (@koymapo) May 12, 2025
参加者は最終的には50名くらい。
てっきりおじさん10人くらいの集まりだと思ってたら、若い人のほうが多く女性率も2割ほど。
とても面白いピクニックでしたね。それぞれの無職話も聞けてよかったです!
機会があれば、また参加してみたいですね。#無職サミット pic.twitter.com/UzVMGntSX4
無職サミット面白かった〜
— ヤキソバライター (@yakisova_writer) May 12, 2025
あんなに人来るとは予想してなくて圧倒された笑#無職サミット
無職サミット大盛況だった pic.twitter.com/vccb9Z3GlN
— ゆる無2 (@yrfwmsk2) May 12, 2025
無職サミット、40人規模ぐらいの集まりになっててすごかった。飲食物持ち込みたくさん。いろんな人と交流が取れたが「最近仕事を辞めました」という人や遠くから来た人なんかもいて活気がありました pic.twitter.com/efuR3XjgUc
— 仲 陽介(レンタルニート) (@naka_yousuke) May 12, 2025
無職サミット撤退しました!
— 読書ニート (@dokushoneet) May 12, 2025
電車の時間の都合上、早めの帰宅。
色々とお話聞けて楽しかったです。今日はありがとうございました🙌#無職サミット
無職サミット
— 尾見 (@omisatoshi0606) May 12, 2025
たくさんの無職と話せて嬉しかった!
有職より無職の人のほうが好きなのでまたあったら行きたい
Xだけではなくnoteでガッツリ感想記事を書いてくれた人もいる。
記事を読んでいると、労働が当たり前の社会からはみ出したオルタナティブな「無職」という属性をあっけらかんと話すことができる無職サミットは、社交辞令に塗れた他の交流会なんかと比べて、人間性の根本に踏み込むような交流になったんだなぁという印象があった。
たとえば、エーショー西郷さんはこんな風に書いてくれた。
正直、私自身も「就職しなきゃマズい」といった焦りに取りつかれていましたが、今回いろいろな方とお話をして、心がふっと軽くなりました。
どうやらエーショーさんにとっても人生の視野を広げるいいきっかけになったようだ。そして、きっと他の人にとってはまたエーショーさんの話が生きるヒントになることもあっただろう。
主催者として鼻が高い・・・と感じる一方で、これだけの人を集めてきたのは僕の力ではない。いろんな方々に拡散してもらって、それをきっかけに多くの人に知ってもらった(とくにすずひらさんファンの方が多かった)。かつ、備品や食べ物も皆さんがどんどん持ち込んでくれた。そして、対話したり、ゲームしたり、本をおススメし合ったり、価値のある交流を生んだのは紛れもなく一人ひとりの参加者の方々である。誰かひとりでも欠けていれば同じイベントにはならなかった。
主催者は、添えられていただけ。でも、こうやって参加してもらって、自分たちで作っていくイベントの方が、ぜんぶがお膳立てされているイベントよりも楽しいはずだ。紛れもなく無職サミットは、自ら作り上げる創造欲や、誰かのために動き回る貢献欲など、人間が持つ欲望を開花させ共鳴させることによって、ボブ・ブラックが『労働廃絶論』で書いた「自由で相互依存的な活気の中にある集団的冒険」が生じた瞬間である。
これはもう、伝説である。2025.5.12に、無職サミットという名の伝説が生じたのである。
改めて参加してくれた方々、ありがとうございました。イベントを楽しんでくれて、備品や食料品、本を持ち込んでくれてありがとうございました。片づけにも協力してくれてありがとうございました。とくにニーマガオフ会でへべれけになって帰ってきた僕を泊めてくれて、翌日に駒沢公園まで車で送ってくれて、買い出しも手伝ってくれて、帰りもホテルまで送ってくれた、隠れて生きているエピクロス主義者とそのご家族には、もうお世話になりすぎて頭が上がらない。ありがとうございました。
帰りがけ、東京編第二回を望む声もたくさんいただいた。ぜひやりたい。もちろん大阪編もやりたい。そんなわけで、伝説は始まったばかりである。みなさんまた会いましょう。
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1回でもサポートしてくれれば「ホモ・ネーモはワシが育てた」って言っていいよ!