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役者が交代しても泰輔の人物像は一切変えなかった 『チョッちゃん』最終回によせて【前編】 脚本家・金子成人インタビュー

2025年3月24日よりNHK BS「アンコール放送」枠で放送を開始し、10月11日に最終回を迎えた「連続テレビ小説」『チョッちゃん』。38年前の朝ドラにもかかわらず、今でも色褪せない豊かな物語に、多くのドラマファンが魅了された。この名作はいかにして生まれたのか。脚本家の金子成人さんにインタビューし、人物造形や台詞、シーンづくりのこだわりについて聞いた(取材・文/佐野華英)。
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◼︎「明日からまた生きていこう」。前向きになれる最終回に

──『チョッちゃん』の「戦後、登場人物たちが再集結して、それぞれが明るい未来に向かって歩き出す」というエンディングは、最初から決めていたのですか?

金子成人さん(以下、金子) 脚本を書きだす前に、全体のストーリーを作ったのですが、最終週で蝶子(古村比呂)やその仲間たちが、戦争という苦難を乗り越えて再会する構成は初めから考えていたと思います。「明日からまた生きていこう」と前向きになれる終わり方にしたかった。

 最後のシーンを書くにあたっては、高校生のときに観た『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)のラストシーンが念頭にあったような気もします。トラップ一家が、敵が侵攻する故国を逃れてアルプスの山を越えていくという、希望に満ちた物語の閉じ方でした。

◼︎季節感を大切に──生まれて初めて見た北海道の雪の記憶

──ラストシーンもそうですが、『チョッちゃん』の大きな魅力のひとつに、季節や天候を物語に有機的に取り入れていることが挙げられると思います。こういった四季折々の描写も、こだわりのうちでしょうか。

金子 ドラマの脚本を書くときに季節感を出すことはとても重要だし、僕自身、好きですね。特に朝ドラは長い年月の物語を描くので、時間経過をきちんと表現しなくてはならない。そのために、季節の移り変わりの描写はとても有効です。

 天候は、人物の心理を映すものでもあります。あまり使いすぎると嫌らしくなっちゃうんだけど、ここぞという、大事な場面では使いたいですね。

──金子さんは長崎県のご出身で、『チョッちゃん』の舞台は北海道。南と北の天候の違いやカルチャーギャップが創作意欲をくすぐるところもあったんでしょうか。

金子 僕はプロになる前、倉本聰さんのところに弟子入りしていたんですが、倉本さんについて行ったのが僕にとって初めての北海道でした。生まれて初めて北海道の雪景色を見て、やっぱり感動しました。ホテルのバーで飲みながら窓の外を眺めていたら、雪が下のほうから舞い上がってくるんですよ。それこそ舞うように。渡辺淳一の『雪舞』(1973年/河出書房新社)で読んではいたけれど、「雪が舞う」というのはこういうことかと、初めて知りました。

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