優しさのなかにも勝負師の顔
「利用者虐待とか悪いニュース多くない?」
「介護の元気になる話ってないの?」
介護をしている、していないにかかわらず、
このような印象を抱いている方も
いらっしゃるかもしれません。
実際に私は、友人・知人・親戚から
このようなことを言われた経験があります。
もちろん、介護におけるすべての事柄が、
暗いニュースばかりではありません。
そこで今回は、介護士歴11年間の私が、
実際に経験したポップで明るいお話をお届けします。
最初のエピソードは、
「優しさのなかにも勝負師の顔」というお話です。
以前、どろどろした介護の裏話をするといいましたが、
軽くて明るい介護の話も書いていきますので、
どうぞよろしくお願いします。
レクリエーションでわかった意外な一面
介護といえば、外せないのがレクリエーション。
その種類は豊富で、
大まかに分けると以下の5つほどあります。
(私が知らないだけで、まだあるのかも知れません)
身体を動かす
頭を使う
音楽を楽しむ
作品を作る
地域の方と交流する
今回ご紹介するエピソードは、
体を動かすレクリエーションで起きた話です。
よくイメージされる高齢者の印象
「高齢者」と聞いて、
あなたはどんな人物像を思い浮かべますか?
自分のおじいちゃん、おばあちゃんの
雰囲気でも構いません。
\少し想像してみましょう/
私がパッと思い浮かぶのは、以下のような印象です。
経験が豊富で物知り
時間の流れがゆっくり
温厚でよく笑う
実際に介護の現場で出会った利用者さんも、
いずれかの1つに該当していました。
たとえば、いつも明るい笑顔で挨拶してくださったり、
「あんた大変そうやね、手伝ってあげるよ」
と優しく手を差し伸べてくださったり。
ただ、そういった利用者さんも
意外な一面を見せる瞬間があります。
勝ちには貪欲なレクリエーション
意外な一面が見えたのが、
得点を競い合う対戦形式のレクリエーションです。
そのなかでも人気だったものが、
ゲーゴルゲームと呼ばれるもの。
室内でもゲートボールやゴルフの楽しみが味わえる
というゲームですが、かなりの盛り上がりを見せます。
個人戦やチーム戦で戦い、
毎回熱い戦いを繰り広げていました。
打った後に悔しがる人や、
高得点を出せて笑顔になる人もいて、
サポートしている職員も一緒になって楽しめます。
ふとした瞬間の鋭いひとこと
そんな勝負の合間に、
ある利用者さんの意外な姿がみえました。
ニコっと笑う顔が特徴の
いつも穏やかな女性利用者、Aさん。
となりのBさんが、
打ち終わって戻ってきたそのとき—―
「あんたへたくそやな。あれじゃ勝てんで!」
と真顔で放つストレートなひとこと。
(え~!!めっちゃ辛辣なこと言うじゃん!)
(いつもの優しさはどこ行ったんよ!)
思わず心の中で叫んでいました(笑)
Bさんも落ち込んでいる様子だったので、
声掛けを行いましたが…。
まだ経験の浅かった自分には、驚きの出来事でした。
戦いが終われば、いつもの笑顔
体を動かしたり応援で声も出したりしているので、
レクリエーション後は水分補給をしてもらいます。
勝負が終われば普段通りに戻っている、Aさん。
Bさんとも、笑顔で話している姿に安心はしましたが、
関係が悪化し、喧嘩に発展するケースもあるので、
気を付けておかなくてはなりません。
その後、感想を聞いてみると、
2人そろって
「負けたら悔しいけど、次勝ちゃええわーなあ」
と明るい笑顔。
勝ちたい気持ちは何歳でも関係ない
今回の出来事で、改めて感じたのは、
人は何歳になっても「勝ちたい」という気持ちを持っていること。
やっぱり勝負するなら勝ちたいですよね。
普段の優しい一面だけで、
その人を理解した気持ちになってはいけない
ということが学べました。
介護の現場には、こうした人間味あふれるエピソードで詰まっています。
こんなポップな介護の裏話もしていきますので、
どうぞよろしくお願いします。
