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介護実践編⑳終:銀メダリストの残光、評価の果てに。

​どうも、たまです。

​介護実務競技会、準優勝。

僕の中では「クッション選び」のミスや、覇気のない1位の男に負けた悔しさで一杯でしたが、一歩施設の敷地を跨げば、そこは「凱旋」の空気感でした。

​それもそのはず。
聞けばこの施設、過去の最高順位は10位前後だったとか。

そこへ、入社して一年に満たない44歳の新人が、エリア全体で「2位」という特大のトロフィー(概念)を抱えて帰ってきたわけです。
これはもう、弱小野球部に突如現れた松井秀喜ばり(古い、、、)の衝撃だったと言っても過言ではありません。

​1. 「おじさん新人」から「たまさん」へ

​まず変わったのは、お局様たちや役職者たちの態度でした。

これまでは「IT上がりの、ちょっと動けるおじさん」という、どこか小馬鹿にしたような視線を感じることもありました。
しかし、今回の結果で
「この男、ハッタリだけじゃないな」という事実を突きつけてやったわけです。

​挨拶をしても「……ん」と鼻を鳴らすだけだったあの「月光浴のルーンさん」ですら、

「へー、やれば出来るんだ、、2位なんてね」

と、一瞬だけ鉄仮面を崩して声をかけてくる始末。

​現場の空気というのは不思議なもので、
一箇所に「数字」で出せる実績がドンと置かれると、理不尽な指示や陰口がスッと引いていくんです。
実力主義で戦ってきた僕にとって、
この「結果で黙らせる」感覚は、
何物にも代えがたい快感でした。

​2. 現場に漂う「たま流」の伝播

​さらに、僕の「スピード」に対する評価も
一変しました。

以前は「仕事が荒いんじゃないの?」
と陰口を叩かれていた僕の爆速介助。

それが「2位」という箔がついた途端、「効率的で無駄のない動き」「速いは正義!」
というポジティブな変換をされるようになりました。現金な奴等だぜ、、、

​でも、僕はそこで慢心はしません。

競技会で指摘された「安全性」へのこだわり。車椅子を止めるたび、カチッ、カチッ、とロックの音を響かせる。

「アイツ、そこまで徹底してるんだ、、、」

そんな周囲のささやきを聞きながら、僕は心の中で
「これがプロの仕事ですよ」
とキモめに笑ってやりました。

​3. 2位の男が抱える「孤独な熱」

​施設内LINEのスタンプの嵐は落ち着きましたが、、、。

僕の中の闘魂の灯火は消えていません。

「おめでとう」と言われるたびに、あの日、僕の前で覇気のない顔をして1位の表彰状を受け取った男の顔が浮かぶ。

​「この施設では最高記録かもしれない。でも、俺は1位じゃない」

​賞状をロッカーの隅に入れ、僕は今日もジャージの袖を捲り上げます。

2位という評価は、あくまで「次」へのパスポートに過ぎない。

14.5万円の壁を金額的に破壊し、もっと上の、景色がいい場所まで駆け上がる。 

僕の評価額は、まだまだこんなもんじゃない。自分の価値をさらに釣り上げるべく、誰よりも速くナースコールの受話器へと手を伸ばすのでした。

​次回予告:

​「たま、次なる『野心』の種を撒く」

競技会での快挙をきっかけに、施設内での発言権を強めていく?たま。

しかし、そんな僕の快進撃を面白くないと思う勢力が、静かに動き出す。

そんな中、施設長から僕だけに「ある極秘の相談」が持ちかけられる……のか!?

これでひとまず、介護実践編 は終了。
これからは 介護 武者修行編に突入します!
以下のマガジンから!


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