書きあぐねる作家、髙橋P.モンゴメリーは、あの暑さが恋しい。
僕は、夏が好きだ。
どのくらい好きかというと、炎天下の下をランニングするくらい好きだ。
人に言うと、たいてい少し驚かれる。
「暑いのに?」
「わざわざ?」
「熱中症、大丈夫?」
もちろん、無理はしない。
水分も取るし、休む時は休む。
けれど、あの真上から照りつける太陽の下にいると、不思議と体の奥のほうから元気が戻ってくるような感じがある。
正確に言うと、僕はただ夏が好きなのではなく、晴天が好きなのだと思う。
空が青いこと。
光が強いこと。
影がくっきり地面に落ちていること。
遠くの建物の輪郭まで、はっきり見えること。
そういう景色を見ると、気持ちが前を向く。
ただ、ここでひとつ気づく。
冬の晴天は、そこまで僕を元気にはしてくれない。
たしかに冬の晴れた空も美しい。
空気が澄んでいて、遠くまで見える。
朝の冷たい光にも、それはそれで良さがある。
でも、僕が求めているものとは少し違う。
僕が好きなのは、晴れていて、なおかつ暑いこと。
つまり、僕を元気にしているのは、晴天と暑さの両方を兼ね備えたものなのだと思う。
目に入る強い光。
肌に直接届く熱。
アスファルトから立ちのぼる空気。
額から流れる汗。
Tシャツが背中に貼りつく感じ。
そういう視覚と肌感覚が、僕を元気にしてくれる。
不思議なものだ。
同じ一日でも、曇っているだけで気持ちが沈むことがある。
反対に、予定が何もなくても、朝から強い日差しが差し込んでいるだけで、少しだけ何かを始められそうな気がする。
たぶん僕にとって夏は、季節というより、「動ける感覚」なのだ。
汗をかく。
水を飲む。
少し疲れる。
でも、どこか生きている感じがする。
暑さはたしかに厳しい。
年々、冗談では済まない暑さになっているとも思う。
だから、誰にでもおすすめできるわけではない。
それでも僕は、あの夏の光が恋しい。
外に出た瞬間、
「うわ、暑い」
と思う。
でも、そのあと少しだけ笑ってしまう。
ああ、これこれ。
この感じだ。
体が先に思い出す。
僕はこういう空の下で、少し元気になる人間だったのだと。
みなさんはどうですか。
好きな季節はありますか。
あるいは、理由はうまく説明できないけれど、なぜか元気になる天気や空気はありますか。
僕にとっては、それが夏です。
晴天と暑さが重なった、あのまぶしい季節です。
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