見出し画像

こっちはグレタに10年耐えた。君らもマスクに耐えろ。ヴァンス副大統領の名セリフ

トランプ政権の歴史に残る名セリフ、さっそく出ましたね。

「作家」J・D・ヴァンス副大統領が2月14日のミュンヘン安全保障会議(MSC)で放った。

Trust me I say this with all humor if American democracy can survive 10 years of Greta thunberg's scolding you guys can survive a few months of Elon Musk.
(Forbes Breaking News 動画0:39あたり)


これ、面白いけど、訳しにくいな、と思った。

日本語のXで、すでにいくつか試訳が出ています。


JD・バンス「君らは10年間もグレタの説教に我慢できたのだから、マスクの説教くらい耐えろ」


この「君らは」は誤訳ですね。「American Democracy」と言っているから、グレタに耐えたのは「我々(アメリカ人)」です。


『グレタの𠮟責に10年耐えたんだから、マスクにだって数か月ぐらいなら耐えられるだろ。』


こっちのほうが正しい。

でも、より正確かつ生き生きした翻訳は、餅は餅屋で、山形浩生の以下の訳文です。

アメリカの民主主義が、グレタ・トンベリのお説教に十年耐えられたんだから、あなたたちの民主主義だってイーロン・マスクの数ヶ月ほどで死にやしませんって。


そのイーロン・マスクの「説教」とは、ドイツのいわゆる極右政党を支持するようなマスクの発言を指すのでしょう。

そして背景には、ウクライナ紛争解決のため、プーチンに接近するトランプ政権へのヨーロッパ諸国の危惧がある。

というわけで、ヴァンスのこの「ジョーク」に、(ヴァンスがちょっと「笑い待ち」したにもかかわらず)その場ではほとんど誰も笑っていないのがわかります。


でも、このセリフは、強烈な皮肉であるとともに、「言論の自由」の核心の一つ、ビターな側面をついていると思うんですよ。

言論の自由、表現の多様性の擁護とは、「嫌いな言論に耐える」ことだ、と。

これは、SNS規制をやりそうなヨーロッパ(と日本)への牽制にもなっている。

そして、マスクが何を言おうと、彼は言論の自由のためにTwitterを買収したわけで、まあ元手をかけている。自分の「言論の自由」を行使する権利が彼にはありますね。


ヴァンスは、スピーチの前段で、以下のとおり、言論の自由がおびやかされている現状への懸念を表明しました。

イギリスやヨーロッパ全体で、言論の自由は後退していると私は懸念しています。そして喜劇的な意味でも、真実を語る意味でも、時として検閲を求める最も大きな声はヨーロッパ内部からではなく、私自身の国から来ていることを認めざるを得ません。前政権は、いわゆる「誤情報」を検閲するようソーシャルメディア企業を脅迫し、いじめました。


左翼に耐えてきたんだから、右翼にも耐えろ。

こっちは朝日・毎日に耐えてきたんだから、ネトウヨにも耐えろ。

これからいろいろ応用して使えそうだから、名セリフと言えると思います。



<参考>


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集