トランプの英語、天皇陛下の英語
6月26日の、バッキンガム宮殿晩餐会での天皇陛下の英語スピーチを、タイ在住の英語系YouTuber「こじさん」が批判している。
バレちゃったですね。バレた。
天皇陛下は英語が得意じゃない。これ世界中にバレちゃった。
まあね、母国語ではないですからよしとしましょうとか、素晴らしかったよと、そういう声もありますありますが、ダメなのは陛下じゃなくて、宮内庁、外務省も同罪ですよ。
もうこんな演説を書いた役人、出てこいや。陛下が気の毒でたまんないですよ、はい。
天皇陛下の英語スピーチがヤバかった! シラブル地獄で顔面は歪み、晩餐会会場はドン引きモード全開! 悶絶の14分間に何が起きた?(しくじり英語チャンネル 2024/6/29)
趣旨としては、天皇陛下ではなく、スピーチを準備した宮内庁の責任だとして、
1 センテンスが長すぎる
2 単語が長すぎる
3 構成が悪い
4 感情がなさすぎる
5 代名詞が不適切
と、こじさんは批判しています。
まあ、わたしも、陛下の英語は、感銘を受けるほどは流暢ではないな、と思ったけど。
でも逆に、天皇陛下が、日本語より英語が流暢でも、困るからね。
陛下が推敲を重ねたという日本語原文を、忠実に英訳したら、ああいう重々しい英文になったんでしょう。
大袈裟で大時代的な表現や、いわゆるbig wordが多いのは、こういう場面だから仕方ない。まさにbig wordを使うべき舞台ですからね。
わたしは英語は素人ですが、日本語の文章に関しては、一応専門家でした。
その観点から、畏れ多くも言わせてもらうと、推敲を重ねただけあって内容は充実しているけど、もう少しトピックを絞って、人間的エピソードをくわえた方がよかったのではないか。
例えば、以下の部分、カズオ・イシグロの父、石黒鎮雄に触れたところはよかったと思うんですがーー
昨日は私的にテムズバリアを視察いたしました。テムズバリアは、1953年に起きた英国史上最悪の北海高潮被害(the 1953 North Sea Flood)を踏まえて建設されました。英国における高潮予測の発展には、日本人研究者の石黒鎮雄(しずお)博士、日系英国人でノーベル文学賞受賞者の作家カズオ・イシグロ氏のお父上が重要な役割を果たされました。
石黒博士は、英国の研究所に迎えられ、北海の高潮の正確で迅速な定量的予測を実用化しました。石黒博士がその研究から発展させたアナログ計算機は、カズオ氏によると BBC ドラマ「ドクター・フー」(Doctor Who)のタイムマシーン「ターディス」(TARDIS:Time And Relative Dimension in Space)の内側のようだったとも聞いています。石黒博士による電子工学と海洋科学の学際的イノベーションは独創的であり、今を生きる日英両国の研究者にも、時空を超えて大きなインスピレーションを与えているものと思います。
こういう話であれば、イシグロの作品にも触れてほしかったし、イシグロが父をどう思っていたかなど、もう少し加えてほしかった。
こじさんの言う「感情がない」と重なるかもしれないけど、事項を並べているだけで、人間味が乏しいとは思いましたね。ネタがいいのに、「ストーリー」になっていない、というか。まあ、内容もそうだったけど、「理系」的でした。
晩餐会スピーチ動画
スピーチ日本語全文
スピーチ英語全文
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で、きのうは、バイデンとトランプのディベートで、また英語をたくさん聞いてしまった。
バイデンの衰えが目立った、ということだけど、文字に起こすと、両者は突っ立ったまま膨大な数の言葉を発しているわけで、年齢を考えれば、どちらの体力も驚異的だと思いました。
ディベート全文
ハイライトとしては、最後の方の、ゴルフの腕前を競い合う場面が、多くのメディアに取り上げられていましたね。まあ、今回のディベートの質と、両者の「人間性」が象徴的に表れた場面ではある。
終盤に差し掛かると2人は、ゴルフのハンディキャップをめぐって言い合いを始めた。
「彼はボールを50ヤード(約45メートル)も飛ばせない」と言って、火をつけたのはトランプ氏だ。「彼は私にゴルフの勝負を挑んできた。でも、ボールを50ヤードも飛ばせない」。そして自らについては「以前と変わらずずっといいコンディションだ」とし、バイタリティーは十分あると自慢した。
これに対し、バイデン氏はパッティングの腕前では負けていないとし、自らの見せ場はグリーン上だと対抗。「ドライビングコンテストは喜んで受ける」とし、「副大統領時代にハンディキャップを6まで下げた」と付け加えた。
するとトランプ氏は、小ばかにするように「ハンディキャップ6だって? 私はあなたがどんなスイングをするか知っている」と返した。
(時事ドットコム 2024/6/28)
ゴルフ談義の場面
でも、アメリカのメディアが気づかないわけはないと思うんだけど、これは以前からやり合ってる話です。
昨年の政治集会でも、トランプはバイデンの「ハンディ6」を笑いのタネにしていました。
最近の政治集会で、ゴルフのハンディキャップの話題が、ドナルド・トランプ元台大統領とジョー・バイデン大統領の間でありそうでなかった争点となった。
何が起こったのか:トランプ大統領は金曜日、サウスダコタ州ラピッドシティーでの集会中に、現大統領のゴルフの腕前とされることに対して不信感を表明せずにはいられなかった。
トランプ氏がクリスティ・ノエム知事から支持されたこのイベントで、前大統領は、ゴルフで6のハンディキャップを持っているというバイデン氏の主張に言及した。
トランプ大統領、バイデン氏のゴルフスキルについて高らかに暴言「彼はこれらの話をでっち上げている」(ウィブル証券 2023/10/9)
そのネタ、もう聞いたよ、と。
いわば、老漫才師が、同じネタを延々とやっている感じなんですね。
事前に仕込んで、即興性や即応性があるように見せかけているけれど、どっちも新しいことを言えなくなっている。
老人になれば、そうなる。同じ老人として、それがわかります。
トランプの方が元気に見えたとしても、もし彼が当選したら、任期中にバイデンの歳になるわけで。
若々しさがなさすぎる。世界の行方が心配です。
若い奴らが好き放題やってる、地獄の東京都知事選が、少しマシに思えました。
<参考>
