高次脳機能障害で身体障害者手帳は取れる?
高次脳機能障害は、なかなか外見からでは分かりにくいもの。
「体の不自由さと同様に、障害者手帳を取得できるのだろうか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
今回は、高次脳機能障害と身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳について解説します。
身体障害者手帳とはなに?

高次脳機能障害が残存している場合に、リハビリテーション治療の継続と自立生活を進めること、地域での生活の継続、復職・復学・就労支援が必要です。
以上の支援を進めるために障害者支援法があります。
障害者支援法が定めるサービスを利用するためには
身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳の取得、または医師による高次脳機能障害の診断書が必要です。
いずれの手帳も、初診日から6カ月以上を経過(障害の程度が概ね固定されるため)した時点から申請が可能となります。
失語症は「身体障害者手帳」を取得できる
高次脳機能障害のなかでも、失語症は身体障害者手帳における
「音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害」に該当します。
失語症の重症度により
3級「音声機能、 言語機能 又はそしゃく機能の喪失」もしくは
4級「音声機能、 言語機能又 はそしゃく機能の著しい障害」に認定されます。
令和3年の厚生労働省の調査では、身体障害者手帳の取得者のうち1.2%を占めると言われています。
失語症以外の高次脳機能障害は「精神障害者保健福祉手帳」を取得できる
精神障害者保健福祉手帳は、高次脳機能障害のほか「てんかん」や「統合失調症」、「うつ病」などの方も対象です。
1~3級に分けられており、身体障害者手帳と同様に1級が障害の程度が重度、3級が軽度と分類されます。
症状が複数ある方は、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳いずれも取得することが可能です。
身体障害者手帳と異なる点として
精神障害者保健福祉手帳は2年に1度の更新が必要です。
どんなサービスが受けられるの?

身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳いずれの手帳を取得の場合には障害者総合支援法の対象となります。
介護給付
居宅介護
重度訪問介護
行動援護
生活介護
短期入所
放課後デイサービス など
訓練等給付
自立訓練(機能訓練、生活訓練)
就労移行支援
就労継続支援(A型 雇用型、B型 非雇用型)
グループホーム など
補装具
(車いす、義肢、装具、重度障害者用意思伝達装置 など)
補装具の購入または修理に要した費用の支給
自立支援医療
心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度。
日常生活用具等給付
(特殊寝台、エアマット、入浴補助用具、携帯用会話補助装置など)
介護・訓練支援用具
自立生活支援用具
在宅療養等支援用具
情報・意思疎通支援用具
など
税制上の優遇措置
所得税、住民税、相続税、自動車税
障害者医療費の助成
ほかにも、地域や事業所によって受けられるサービスがあります。
・公共交通機関の運賃割引
・携帯電話料金の割引
・上下水道料金の割引
・心身障害者医療費助成
・公共施設の入場料等の割引
・手当の支給 など
介護保険が認定されたら、原則介護保険サービスが優先
介護保険とは、日常的に介護が必要になった際に介護度に応じたサービスが利用できる制度のことです。
1号被保険者(65歳以上)は、疾病に問わず
2号被保険者(40~65歳未満)は、加齢に伴う特定疾患が原因による要介護状態に限り申請が可能です。
介護保険が認定された場合は、原則介護保険サービスが優先されます。
しかし、介護保険にはないサービス(自立訓練や就労系サービス等)は利用することが可能です。
さまざまな公的サービスが利用できる
障害者や要介護者へのサービスは「身近な人が利用を考えるとき」になって初めて触れるものかもしれません。
障害とともに生活をする。
当事者自身も、その方を支える人も「大丈夫かな?」と不安を感じやすいものです。
公的サービスを受けられれば万事解決とまではいきませんが、生活への不安が少しでも前向きに捉えられますと幸いです。
【参考文献】
・高次脳機能障害ポケットマニュアル
・厚生労働省「身体障害者手帳」
・こころの情報サイト「精神障害者保健福祉手帳」
・厚生労働省 「高齢の障害者に対する支援等について」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000824397.pdf
