「ビール」の深い歴史と今のカタチ
角打ちのテーマソングを募集しています。
かっくうちー♫
前回はワイン、ブランデー、ウイスキーの関係についてお話ししましたが、「ビールはどうなん?」ってことでね。
今回は、身近なお酒、「ビール」にスポットを当ててみたいと思います。
実はビールにも、壮大なドラマがあるんです。
(僕サッポロのビアマイスターです。プロのビール注ぎできます、エッヘン!)
1. 製造方法?意外な「共通点」
ビールの主原料は「麦」です。麦を発芽させて麦芽(モルト)にし、お湯を加えて甘い麦汁(ばくじゅう)を作ります。そこに「酵母」を加えて発酵させるとビールになります。爽やかな苦味や香り付けのために「ホップ」を入れるのが特徴ですね。
【他のお酒との共通点】 前回の記事、ウイスキーは「麦のお酒を蒸留したもの」
そう、極端な言い方をすれば**「ウイスキーを蒸留する前の姿」がビール**なのです!
ウイスキーにとっては「お母さん」のような存在と言えます。
また、蒸留という工程を経ずに「酵母の力で発酵させただけ」という点では、ぶどうから造るワインと同じ「醸造酒(じょうぞうしゅ)」というグループに入ります。
2. 偶然?それとも知恵?ビールの誕生秘話
ビールの歴史はワインと同じくらい非常に古く、紀元前4000年以上前のメソポタミア(現在のイラク周辺)にまで遡ります。ちなみにワインは紀元前6000年前。
その誕生は、まさに「偶然の産物」で、当時の人々が主食としていた「麦で作ったパン」を、うっかり外に置き忘れてしまったと。そこに雨が降ってパンが濡れ、空気中の野生酵母が入り込んで自然に発酵し、ブクブクと泡立つ液体が出来上がったそうな。
試しに飲んでみたら「なんだか気分が良くなるぞ!」となったのが、ビールの始まりだと言われています。ちょっと信じがたいですよね
ワインの「ぶどうの放置」と似たような、奇跡のドラマですけど。
3. 昔と今、お酒造りはどう変わった?
昔のビールは、今の私たちが知っている透き通った黄金色で、シュワシュワでのどごしが良い飲み物ではありませんでした。濁っていて、どちらかというと「飲むパン」のようなドロドロとした栄養食だったそうです。
大きな変化の第一歩は、中世ヨーロッパの修道院です。ビールを長く保存するために、殺菌作用のある「ホップ」を入れる知恵が生まれ、あの独特の苦味がつきました。ホップに殺菌作用あるんです。ホッピーはどうなんでしょうか。
さらに決定的な違いを生んだのが、19世紀の「冷凍機」の発明です。これによって、低温でじっくり発酵させる「ラガー(ピルスナー)スタイル」のビールが、季節を問わず造れるようになりました。この技術革命によって、ビールはスッキリとした爽快なのどごしと黄金色の輝きを手に入れました。現代の日本のビールのほとんどがこの製法です。
4. データで見る!日本での流行り
日本のビール市場は、国税庁の酒類販売数量などの統計を見ると、1994年頃をピークに実は減少傾向が続いています。若者のアルコール離れや、安くて甘いチューハイ(RTD)の台頭、そして幾度かの酒税法改正による値上げなどが主な要因です。この流れの中で、発泡酒や第3のビールなど、お財布事情に合わせた商品が次々と生まれたのもビール業界ならではの歴史です。
しかし近年、非常に面白い変化が起きています。それは**「ノンアルコールビール」の大進化**です。
少し前までは「ビールっぽくない」と敬遠されがちでしたが、最近は技術が劇的に進歩しました。一度本物のビールを醸造してからアルコール分だけを抜き取る製法などにより、本物と遜色ない「ゼロ」の味わいを実現した商品が登場しています。健康管理を意識し始めるミドル世代を中心に、「あえてお酒を飲まない」という選択肢が広がりを見せているとのことです。
いかがでしたでしょうか? 放置されたパンから始まり、ウイスキーへと繋がり、そして今はノンアルコールという新しい形でも私たちを楽しませてくれるビール。
1杯目は生ビールでしょう!!!ってことでね。
角打ちを楽しもう!!
