ベイブレードX、本当に大丈夫か2 ~ちょっと同情編~

(2026/6/17:末尾に追記あり)
(2026/6/19:さらに末尾に追記あり)

タカラトミーが誇る大人気コンテンツ、ベイブレード。現在では第4世代であるベイブレードXが展開中となり、2023年から始まった本シリーズも2026年7月には4年目を迎える。

これを書く私も小学生の時に爆転シュートシリーズを通り、以降一時期は離れていたものの現在では再びベイブレードを買い集めている1ファン。とはいえ、昨今の展開について色々思うところがあり、昨年末に以下の記事を公開した。

かなり強めのトーンの批判を盛り込んだ記事なので、他のベイブレードファンから袋叩きになる可能性も覚悟の上で執筆し、表立った反論があれば迎撃するだけの準備もしていたが、思ったよりも肯定的に受け止められたのは少し拍子抜けした。1件ほど鼻で笑えるレベルの低俗な空リプを確認した程度だ。

今回はタカラトミーに同情的な目線も含めつつ、直近の出来事について語っていきたい。

転売ヤーの大攻勢

6/13(土)、限定商品と新商品のベイが発売された。「サムライセイバー メタルコート:サムライブルー」と「ブラキオウィップ」だ(正式名称は長すぎるので省略、サムライセイバーのスポーツショップ先行販売の話も省略、他にランチャー販売があったことについても省略)。

筆者は結局両方とも購入できなかった。またSNSを見渡す限り、特にサムライセイバーの方は買えなかった人たちがかなり多かったようだ。

新商品ベイブレードを買うのが大変なのは、今に始まったことではない。情報解禁日の0時には各ECサイトで商品ページが公開され、夜明けまでには予約分が終了する。店舗での発売当日も開店前の朝から行列ができ、午前中には在庫がなくなってしまうこともザラだ。少なくとも首都圏ではそうだ。

今回異様だったのは、国際色豊かな転売ヤーが押し寄せていることがちらほら報告されていたことだ(正確には、数か月前から予兆や形跡はあった)。

元から海外でも展開していたベイブレードXだが、少し前から一部地域で爆発的に人気が上がっているらしい。海外転売のために国内市場が荒らされているということだ。その結果により、フリマサイトにてうんざりする光景が広がっている。

新商品や限定商品に限らず、ベイブレードの在庫が根こそぎ消え失せている売り場もある。タカラトミーもこの状況を把握しており、少し前に生産体制の強化を宣言した。

また今回のサムライセイバーに至っては土曜の当日中に増産の声明が出る異例の事態となっている。

(当日中に即告知が出せてすごい、の称賛の中に「こうなることを予見して事前に準備していたのでは…」といった声もあった。聞いた瞬間よろしくない納得をしてしまった)

メーカーとして対応を進めてくれていることは前向きにとらえたいが、このように転売が活発化するほど市場が大きくなった商品については、ブーム中に転売ヤーを克服できた例は少ない。メーカーが出せば出すほど転売ヤーが食い荒らす悪循環から抜け出すのは相当に難しい。特に今回の場合、海外需要が高まったことに端を発しているため、釣り上がった転売価格を国内ユーザーが断固拒否する統制が取れていても、国外に買い手がいる以上は転売が成立してしまう。

販売店も本格的に対策を導入し始めている。大手では抽選販売、個人店ではその場での開封や常連の優先などで、少しでも本来の顧客の手に渡るように尽力しているようだ。この辺はコロナ禍ごろの別商品でこなれた転売対策が活きている。

解決はしそうなのか

メーカーは増産、小売店は販売時の工夫で対策は打ってくれているが、この異常事態はいつまで続くのだろうか。少なくとも今年の夏や秋までの話ではないだろうな、と私は見ている(そこまでに増産はまだ間に合わなさそう、小売の販売対策に転売ヤーが折れなさそう、転売価格下落も起きなそう、など)。転売ヤーの執拗な買い占めよりも、本来の顧客の情熱の方が先に尽きてしまうケースも多いだろう。そもそも現代は娯楽の多様化が進んでおり、いくらでも競合がいるのだ。そしてメーカーの増産もそこまで思い切った量までは出来ない。転売の需要がなくなるほど潤沢になり転売ヤーが手を引いたとしても、それはそのまま市場の需要と供給のバランスの崩壊に繋がるからだ。

SNSでは、プレミアムX会員の特典として購入枠を設けてほしいという要望がちらほら見られた。確かに現在の会員特典はかなり弱いこともあり、実現したら私も状況次第では利用を検討はするものの、私はあまりこれに期待していない。理由は以下の3つだ。

①メインターゲットである子供が月額料金を支払うのは難しい
→実際負担するのは親だが、理解を示す親がどれだけいるだろうか。
②転売ヤーが転売のために登録すれば意味が無い
→現状の高騰価格から察するに、転売の利ざやに比べれば月額料金なんてたかが知れている。仕入れルートが増えてしまうだけだ。「朝、実店舗に並ぶための交通費や人件費」よりも安価に済むことすら考えられる。
③生産数・需要数の総量が増えるわけではない
→あくまで増えるのは販路だ。仮に100万個出荷できる生産能力があったとして、そこから新たにプレミアムX会員向けの配分がされるということは、その分別の販路への配分は減る。たとえばX会員向けに20万個割り振ると、残り80万個が一般市場に出回るということである。増産施策を考慮しても実効性を感じられない。

実際はもっと複雑な要素が絡み合うが、そこまで良い方策とはならないだろう。やってはいけないわけではないし、救われる人がいないとは言わないが。


そもそも論として、今回の異常事態の前から需要と供給は全く釣り合っていなかった。象徴的なのは2024年末のベイブレードパークの物販だ。当時、完売状況をまとめたツイートを紹介する。

2024年12月27日から始まった本イベントでは、目玉であったカラーチョイスブースターはなんと数日中に売り切れている。2月2日まで続くイベントにもかかわらずだ。当時はかなりの阿鼻叫喚だったのを覚えている。

以下が列整理番号と完売告知のタイミングをもとに、おおよそのカラーチョイスブースター在庫数を推定した当時のツイートだ。あくまで個人の憶測によるものなので、信じるか信じないかは各人にお任せする。

たった数日で目玉商品を枯らしてしまったイベントではあったが、今振り返ってみると需要予測に誤りがあったわけではなく、イベントまでに用意できる数がこれで精一杯だったのだろうという見解だ。その後、Web通販やベイブレードバーでの販売にて根気強く供給し続けた姿勢は評価したい。しかし、本イベントや他でのこれまでの供給状況を考えると、今回の「増産します」という宣言にどれだけの信頼が置けるかはかなり怪しい部分がある。

「増産分は順次、世界各地域での展開」

6/13の告知に興味深い文言があった。上記に挙げた通りの「増産分は順次、世界各地域での展開」の部分だ。現在のベイブレード展開は、各国でのラインナップの内容や時期にズレがある。当然ながら最も恵まれているのは日本だ。転売が苛烈になった原因の海外需要が満たされれば、元通りとは言わずとも少しは改善されるだろう。そもそもズレなんて無い方が良いのだが、こればかりはどうしようもない。しかし生産の見直しをしようがこのズレ自体が「海外転売の需要」が起こる一因でもあるので、タカラトミーには本気で取り組んでほしい。

ベイブレードX、続くの?

転売行為による在庫の枯渇は、ファン界隈に大打撃を与えている。買うまでが大変で、買えなければ不満が募り、モチベーションは相当低下する。加えて直近ではアニメ4期のWeb限定展開への縮小や、引退者もちらほら出てきていることもあり、空気感としては右肩下がりの状況だ。そんな状況を察してか開発者側から「めちゃくちゃ先のことをやってる」と展開継続を示唆する発言もあった。

Xシリーズ展開から3年。これまでのシリーズ実績から見ても、折り返し地点に差し掛かっている。転売問題に限らず様々な不満は抱えているが、どうか頑張っていただきたい。

6/17追記:サムライセイバー 祝・受注生産🎉

6/17(水)時点で受注生産販売が告知された。この対応及びスピード感は中の人がかなり頑張ったのだろう。前々から準備していて告知を今まで控えていたとしても、この際買えなかった日の交通費のことは言うまい。



と、思ったらそもそもアクセス過多で在庫数以上の注文・決済のシステムエラーが起きていたらしく、全キャンセルで仕切り直しになったのが実態らしい。おいおい…。

いずれにせよ転売ヤー爆死でざまあ、と言いたいところだが、JFAStoreは国内の配送先に限っている。ということは、海外の買い手は直接ここから買えず、フリマサイト出品から代行サービスによる購入というルートに限られるのは変わらないようだ。後は、海外転売ヤーのネットワークにより国外への持ち出しまでは対応し、持ち出し先の国で売りつける、などをやるのかもしれない。

ともかく、公式のこの対応を引き出したのは、ファン界隈の多数の反応によるものだろう。ただし、今回の限定品についての対処に限られているため、一般販売品についての対応も注視していきたい。

6/19追記:増産、そして、地上波カムバック

6/19(金)、さらにニュースが2つ出た。一つ目は増産のニュースだ。

「7月下旬から8月上旬より」とあるように、来月にはもう到着地の店頭に並ぶようだ。5/20の告知時点よりさらに前から進めているとしても、かなり迅速な動きを見せているようだ。

順次世界各地域の店頭にて、ということだがラインナップが豊富な分日本市場は引き続き狙われそうな…?

もう一つのニュースが新作アニメの地上波放送復帰だ。Web放送オンリーはてっきり展開縮退なのかと思ったが、一時的なものだったらしい。

見えてる情報から今後の展開をやや悲観的にとらえていたが、予想をいい意味で裏切る良い流れが続いている。引き続き、踏ん張ってほしい。

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