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エンピツはどっちに倒れる?

机の上に、エンピツの尖った方を上に向けて、立ててみてください。簡単に立つはずです。では次に、その机を揺らしてみてください。エンピツは倒れます。その倒れた方向はどうでしょう。何度も繰り返せば、いろいろな向きに倒れるはずです。
では次に、ほんの少し傾けた机の上にエンピツを立ててください。立てにくいかもしれませんが、その机を揺らすとどうでしょう。毎回、エンピツは机を傾けた方向に倒れます

多くのアーチャーは勘違いをしているのです。「安定なものほど不安定」なものはないのです。

例えば、コンパウンドボウはどうでしょう。
近年のコンパウンドボウのセッティングは、リカーブボウのそれとは真逆です。コンパウンドボウは、弓自体が左右対称形に作られ、重いこともあるため、左右に突き出たVバーではなく、エクステンションサイトとは逆側に付けられた、片側だけのサイドバーによってバランスがとられています。

それも左右のバランスだけでなく、前後のバランスもとるという役目も果たしています。発射時には弓は手の中から落ちるため、前方に傾斜しますが、エイミング時にはほとんどの場合、手の中に重心があります。コンパウンドボウのセッティングは基本的に「手の中重心」なのです。
なぜこのようなセッティングをするかというと、コンパウンドボウは弓も機械で、それを発射するのも機械的発射が行われるからです。そこではアーチャーズパラドックスも起こらず、アーチャーは狙って、引き金を引くだけです。コンパウンドボウは完璧な「機械」だからこそ、より精度を上げるために、水平な板の上に、下が非常に重いエンピツを立てているのです。

あなたの弓は、どちら向きに倒れますか。
バランスを取るといってVバーを付けているにもかかわらず、弓は毎回必ず的方向に倒れます。あなたの弓だけではありません。Vバー使用の有無に関わらず、みんな的方向に倒れるのです。
なぜ、Vバーで左右のバランスを取っているのに、前後のバランスは取らずに、弓は的方向に倒れるのでしょうか?

リカーブアーチャーは、必ずミスをします。ミスをした時、完璧を目指し手の中に重心を置くと、弓は手と同じように動き、ミスをそのまま弓に伝えます。
ところが、的方向に重心を置いておけば、どんな射ち方をしても、弓は必ず的方向に倒れてくれます。だからどんなセッティングであっても、重心はグリップの前方下部にあり、弓は的に向かって飛び出すのです。リカーブボウは、弓は前に倒れるという「方向性」を出すことで、ミスを小さくしているのです。

それにしても、なぜ今のリカーブアーチャーは、Vバーの角度も重さも左右対称にセッティングして、悦に入っているのでしょうか? 右側にエクステンションサイトという、重く長いスタビライザーが突き出ているのに、それを加味しようとはしません。
昔、左側のロッドを長くしたり、重りを増やして使ったものですが。

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亀井 孝のアーチェリーノート 貧しいアーチャーです。点数はお金で買えませんが、もしこの記事があなたのアーチェリーに幸運をもたらすと思われたら、チップをお送りください。 きっとあなたのアーチェリー人生は、素敵なものとなるでしょう。