Aか、Cか、それが重要だ
ドトールのレジの前で私は悩む、ミラノサンドAか、ミラノサンドCか。
瀬戸内レモンタルタルの言葉が私を誘惑する。
ドトールには定番のサンドイッチ、ミラノサンドがある。
表面をカリッとするまで焼いたフランスパンに具が挟まれたサンドイッチだ。
具はA、B、Cの三種類。
ミラノサンドAはボローニャソーセージ、ロースハム、生ハムにレタスが入った定番のサンドだ。ミラノサンドBは海老とバジルソースが特徴、そしてミラノサンドCは季節商品でタイミングによって内容が変わる。
ドトールに入って、小腹がすいたな、って思ってレジの前でメニューを見ると、ミラノサンドのラインナップが並んでいる。
ミラノサンドCは「期間限定 てりやきチキン ~瀬戸内レモンタルタル~」とある。おいしそうだ。瀬戸内レモンって名前がついているものはだいたいおいしい。
Cにしようかな、って一瞬思う。でも、初めて食べるものだし、口に合わないかもしれない、いまの空腹ならどっちを食べても多分満たされる。
CかAか、迷う。
いや、ミラノサンドAなら信頼に応えてくれる。なんといっても20年来の定番メニューだ。
ミラノサンドCのことを考えつつも、私は結局Aを頼んでしまう。
別にミラノサンドAが悪い、というわけではない、ミラノサンドAは変わらずおいしい。
毎日通ってたり、しょっちゅう食べているようであれば、期間限定のCを頼むのも容易であろう。問題はたまにドトールに行ったときに、久しぶりにミラノサンドでも頼もうか、って思った時にどちらを選ぶかという問題だ。
定番商品とか看板メニュー、というのはブランドの信頼であってハズレが無い。
それ以外の期間限定などを選ぶ、というのは勇気が必要だ。
多分ミラノサンドCは、それがイマイチだったときのネガティブな気分を受け止められる、そんなときにしか選べないのだと思う。ハズレを掴んでも笑って流せるくらいの心の余裕、その余裕こそがミラノサンドCを選ぶときに必要なのだ。
現代人は心の余裕が持てないからミラノサンドCを頼めない、とまで言うつもりはない。けれど、余裕がない生活をしていると、なかなか冒険できない、というのも確かなのだ。
AかCかで迷ったときに、私はつい無難な方を選んでしまう。
少しだけ、残念な気持ちだけが残る。
ミラノサンドAに罪は無い。
それでも、私は今日も結局ミラノサンドAを頼んでしまうのである。
ミラノサンドCを横目に見ながら。
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