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シン・新幹線大爆破は樋口真嗣が日本映画界を爆破する

樋口真嗣は過小評価されている監督なのではないか。
もちろん「平成ガメラ」シリーズのように樋口真嗣の功績は歴史に残っているが、監督作に於いては評価が芳しくない。
氏のフィルモグラフィーを振り返ってみると大コケした映画は一本もなく、打率の高い映画監督なのは明白だ。
「進撃の巨人」でさえ大コケしたのは評価だけで興行収入は十分ヒット作の要件を満たしている。
最も評価が高い「シン・ゴジラ」は庵野秀明にその手柄を取られてしまって正当に評価されていない。
「シン・ウルトラマン」に関しては欠点や演出に関して、庵野秀明の不在を理由に樋口真嗣が不当に批判の的になったが、実際は庵野秀明の手癖が作品の欠点のほとんどであったのは「シン・仮面ライダー」公開後に明白になっただろう。

筆者はこれまで積極的にSNSを活用して来なかったが「シン・ウルトラマン」の素晴らしさを伝えたいという一心で本アカウントを始動した。
樋口真嗣のような縁の下の力持ちの監督をきちんと評価してこそ評論として意味があるのではないだろうか。
山崎貴と同レベルでヒット作に恵まれているのに正当な評価もされずに、その結果本作「新幹線大爆破」もNetflixでしか企画が通らなかったという。
日本の映画界の衰退が伺え、ゴージャスな娯楽映画を作る会社が外資しかないという絶望感。
日本映画界を爆破させるべくはやぶさ60号は走り出すのだ。

新青森駅を定刻通りに出発した東北新幹線「はやぶさ60号」は、東京駅に向けて順調に走行していた。
車掌の草彅剛は、日常の業務として乗客を迎えていたが、一本の脅迫電話が入る。
列車に爆弾が仕掛けられており、時速が100kmを下回ると即座に爆発するというものだった。
犯人は爆弾解除の条件として1000億円を要求する。
犯人は青森県内で貨物列車を爆破させ、脅迫が現実であることを示す。
この事態を受け、JR東日本の新幹線総合指令センター、政府、警察が連携し、爆発を回避するための対策を講じることになる。

「シン・ゴジラ」の成功を受けて、新境地を開拓した樋口真嗣が「新幹線大爆破」を「ヤシマ作戦」スタイルで描く夢のような映画だ。
「シン・ゴジラ」の会議シーンは画期的であり、本作はその延長であるが、庵野秀明が不在であっても樋口真嗣の演出でスリリングなサスペンスを演出出来ることを証明している。
シン・シリーズで特有のiPhoneやGoProでのショットがないので画質の変化に緊張感が途切れることがない。
またセリフも改善されており、電話でのやり取りでは所謂”オウム返し”のダサい演出が無いではないか。
ここだけで感動的だった。

乗り物パニック映画は一定の面白さが保証されているジャンルだ。
舞台が進行形で移動し続けるので話が停滞する暇が無い。
矢継ぎ早に最悪の事態が想定され解決していくジャンルとシン・シリーズの会議シーンが相性が良い。
白眉は列車のすれ違うシーンだろう。
分岐器を切り替えるシーンはとてもスリリングで本作のハイライトになっている。
シン・シリーズレギュラーの斎藤工の『はいっ!』がモノマネしたくなる素晴らしい演技だ。

本作はゴージャスな娯楽映画として満足度の高い映画となっている。
シンシリーズでおなじみの官僚を無碍に称賛するようなものでもなく政治の空洞化を浮き彫りとする作品になっていてこれも良かった。
これは紛れもなく、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」「機動戦士ガンダムジークアクス(シン・ガンダム)」に連なる「シン・新幹線大爆破」だ

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