義実家リアルタイム日記⑥ 話しても、響かない。
前回までで、2024年秋の帰省の話を書きました。
今回は、2025年の出来事を書きます。
この年、私たちは義実家へ帰省できませんでした。 でも、電話だけは欠かさず続けていました。
私たちは週に1回、義母に電話をしています。
役割はふたりで分けています。
私は義母の体調や日常のことを聞く担当。 夫は、お金の残高など現実的な話をする担当です。
私が義母に体調を聞くと、 たいてい義父の病状の話になります。
自分のことは、あまり話してくれません。
風邪をひいて病院に行っても、 治ってから「実はね」と報告してくる。
心配をかけたくない、という気持ちなんだと思います。 それはわかっています。
でも、その「心配かけたくない」が、 時々こちらをもっと心配させるんです。
ある時、義母がぽつりと言いました。
夜、義父がひとりでトイレに行こうとするらしいんです。
転んだらと思うと、目が覚めてしまう。 義父が起き上がる気配を感じると、 すぐに目が覚めるようになった、と。
その話を聞いて、胸が痛くなりました。
義母、ちゃんと眠れているんだろうか。 毎晩、そんなふうに気を張り続けているんだろうか。
そう思うと、胸が締めつけられるような気持ちになりました。
一方、夫は毎回お金の話をしていました。
通帳の残高を聞くたびに、 前回より少なくなっていました。
1か月にいくら使っているのか。 あとどれくらい持つのか。
そんなことを考えて生活しているようには 見えませんでした。
その日その日を過ごせればいい。 そんな感覚が義両親にはあるように感じました。
夫が聞きました。
「このままあと10年生きたら、どうするの?」
義母は笑って言いました。
「そんなに生きないよ」
電話を切ったあと、 夫とふたりで顔を見合わせました。
話しても、響かない。
この頃の私たちは、そんな無力感を抱えながら、 毎週電話をかけ続けていました。
次回は、この頃に起きたもうひとつの出来事を書きます。 電話がきっかけで、私たちはまたひとつ、 知らなかった事実を知ることになります。
続きはまた次の回に。
よかったら、また読みにきてください。
かな
同じような立場の誰かにそっと届きますように。
