AIを伴走者に。チーム運営で学んだ寄り添いと仕組みづくり
AIを使った“言語化”を研究中。AI活用のヒントをお届けするnoteです🌱
この1年、息子が所属する少年野球チームの運営を担ってきました。
運営は、小さな事務作業の積み重ねです。配車、日程調整、費用計算、連絡文…。ひとつひとつは10~15分でも、積み重なるとあっという間に2~3時間!気づけば夜中にPCの前でため息をつく日々でした。
1年間の運営の後半から壁打ち相手にAIを取り入れてみたところ、運営の景色が大きく変わりました。
このnoteでは、前半(人力でこなした時期)と後半(AIを活用した時期)を比較しながら、運営の変化と得られた知見をまとめます。
少年野球に限らず、運営の負荷で疲れている人・AI活用に関心がある人の参考になれば幸いです。
Before / Afterの比較
Before(AIなしの前半)
連絡文:ゼロから書き出し&書き直しをして時間がかかる
運営フロー作り:新しい運営方法を考えても不安で抱え込む
遠征の準備:過去資料を見ながら電卓とExcelを往復して試算
モヤモヤ:抱え込むしかなく、ストレスが溜まる
After(AIありの後半)
連絡文:文章の素案を送りAIが校正 or AIにたたき台を作らせて微調整して仕上げをして時短できた
運営フロー作り:AIに壁打ちすることでメリット・デメリットを整理でき、安心して新しい方法を提案できた
遠征の準備:複数案を比較 → 全国遠征でも最安案を即決できた
モヤモヤ:壁打ち相手として使い、気持ちを整理できた
使った割合(ざっくりの体感)
連絡文・お知らせ作成 …… 15%
運営フロー作り …… 20%
遠征の準備 …… 15%
感情面の整理・壁打ち …… 50%
振り返ってみると、AIのメリットは事務効率化もありましたが、それ以上に「感情を整理する場面」で支えられた割合が大きかったことに気づきました。
AIで実際に得られた効果
ゼロから考える負担を減らす
AIに文章の下書きや条件の比較を任せられるようになってから、ゼロから考える負担がぐっと減りました。
実は「なにを判断するか」よりも、その前段階の「なにを、どこから考え始めればいいのか」を考えることが最大の負荷だったんです。抜け漏れを指摘してくれるのも大きな助けです。
なかでもAIの存在に最も感謝したのは、全国遠征時のコストシミュレーションでした。
自チームの人数・条件では、どの移動手段が最も安いか
雨天順延があった場合、どの案が最も負担が少ないか
こうした複雑な条件をAIと壁打ちしながら整理しました。
旅行代理店には伝えきれないような事情――たとえば「親は全員が帯同できるわけではなく一部は個別移動になる」「延泊時に残れる人と帰る人が分かれる」「できれば配車は最小限にしたい」といった細かい条件――まで含めて考慮でき、ベストな案を導き出すことができました。
1週間モヤモヤしていたのに、AIと壁打ちを始めてわずか30分でスッキリしたときの感動は今も忘れられません。これは、事務効率化という以上に「意思決定を後押しする力」としてのAIの価値だと実感しています。ぜひ皆さんにも試していただきたい活用法です。
人にしかできない部分に集中できる
下書きや条件比較をAIに任せられるようになってからは、人間にしかできない部分に集中できました。資料作成は最小限にとどめ、そのぶん「説明する場面」や「個別に調整する場面」に時間を使えたのです。
たとえば、遠征のしおりに「選手の感想を書き込む欄」を加えたこと。遠征に行く前、現地で、帰ってきてから、それぞれの感想を書く欄を設けました。単なる事務資料ではなく、選手や家庭が一緒に振り返れる“思い出の記録”になることを願って。
また、遠征時の係を事前に決めたり、現地での動き方をシミュレーションしておくことで、自分が当日あわてて指示を出す場面を減らすこともできました。私が頭が真っ白になっても周りのメンバーが動いてくれる安心感が生まれたのも大きかったです。
AIで効率化して生み出した時間を、「皆がどんな気持ちで参加しているか」を考えながら、できるだけ同じ方向を向ける雰囲気づくりに注げたのは、まさに人にしかできない役割だと感じています。
感情面の整理ができる
私がいちばんAIに助けられたのは、この”感情面の整理”でした。
100人近い規模の組織をまとめることは簡単ではなく、さまざまな価値観や意見に翻弄されそうになります。ときには、自分ひとりでは消化できない負の感情に押しつぶされそうになることもありました。
そんなとき、AIにモヤモヤの壁打ち相手になってもらいました。「自分はなににモヤモヤしているのか?」「それはなぜなのか?」と掘り下げるうちに、少しずつやるべきことが見えてきます。
たとえば「自分が責められるのはまだいいけれど、家族や仲間が責められるのは耐えられない」と気づいたときは、自分がどう立ち回るかの判断基準ができ、それだけで心が落ち着きました。
状況がなにも変わらなくても、原因を自分なりに掴めるだけで、モヤモヤに振り回されなくなった感覚があります。AIは答えをくれる存在というよりも、「気持ちを整理して判断基準を作ってくれる伴走者」として機能してくれたのだと思います。
限界と工夫
出力をそのままは使えない
AIはどんどん進化していますが、そのままは使えません。私がメインで使っているのはChatGPTですが、雰囲気でそれっぽいことを言ってくる部分もあり、鵜呑みにすると痛い目にあいます。笑
そこで私は、必ず自分で内容を確認し、構成を組み直してから使うようにしていました。たとえば、連絡文のたたき台が返ってきたら「順序を入れ替えてわかりやすくする」「角が立たないように表現を整える」といった手を加えてから最終形にします。
AIが“7割”の下ごしらえをしてくれるからこそ、残りの“仕上げ”に時間を使えて、自分の納得感を高められる。それがAIを気持ちよく使い続けるコツでした。
感情や温度感はAIだけでは無理
自分と価値観が大きく違いそうな人に連絡を送るとき、「これをこのまま送って不快にさせないか」「もっと短い方がいいか、長い方がいいか」などの温度感の調整を相談していました。
AIの視点でフラットにくれるアドバイスはありがたい反面、「AIはこう言うけど、自分の感覚を信じたほうがいい気がする」という場面もちらほらありました。
空気や温度感など、人の心に関わる部分の最終調整は、やはり人間が担う必要がある。AIは情報や論点を整理するのにはとても役立ちますが、相手の気持ちや場の空気を踏まえた微妙な調整は、まだ自分自身の感覚を頼ったほうがよいと感じています。
この線引きがあるからこそ、AIに「任せられる部分」と「自分が担う部分」に分けて活用できています。
条件設定が曖昧だと結果がズレる
AIは過去の会話ログをある程度は覚えてくれます(私は有料版のChatGPTを使っています)。でも完全ではないので、「前に言ったのに…またイチから説明か…」と感じることも少なくありません。
それでもAIを活用するには、前提を正しく整理する工夫が必須です。たとえば遠征費用を比較するときには「人数は何人か」「高速を使うのか」「延泊の可能性があるか」「乗る際のチームルール」など、条件を一つずつ丁寧に伝えるようにしました。
面倒ではありますが、条件を正しく伝えれば伝えるほどAIの出力精度も上がり、自分の判断もラクになると実感しています。
まとめ : AIは“雑務の下支え”になる
AIと半年、運営にみっちり使って実感したのは、AIは決して万能ではないけれど、「雑務の下支え役」としては圧倒的に心強い存在だということです。
AIを雑務の下支え役として活かすことで、私は「人に寄り添うこと」と「仕組みを整えること」に集中できました。1年のチーム運営も終わりがすぐそこ。いまは引き継ぎの真っ最中です。
野球チームの運営に限らず、学校行事や地域活動、そして会社のプロジェクト進行でも同じ構造があります。AIがあることで、人は“人にしかできないこと”に力を注げるようになります。
ここからAIはますます進化していくはずで、人間がAIに任せられる領域はさらに広がっていくでしょう。AIを駆使しながら、私はより人間にしかできない部分に時間を使っていきたいと思います。
これは野球チームに限らない、普遍的な学びでした。
そしてこの経験が、同じように運営やプロジェクトを担う人にとって「AIを取り入れる一歩」の参考になれば嬉しいです。
▼ 野球チーム運営に携わることになったときに受けた講習での学びメモ。
▼ 全国大会の決勝、最終回裏に起こった物語。
