第137回「カスタマーハラスメントはおやめください」
今日は、
朝からスケジュールをしていた役所への訪問。
前日に、訪問時間の確認の電話をしてから、
役所が指定する時間に間に合うように向かった。
まぁ朝なので気を遣い、
時間ぴったりに到着。
早く到着しても相手にバタバタさせちゃうからね。
受付の人に声をかけると、
「こちらでお待ちください」と言われ、
近くの椅子に座って、少し待機。
待っている間に、
メッセージで仕事の連絡をする。
5分...10分...
なかなか担当者が来ない。
また別の受付の人に声をかける。
するとまた「確認するのでお待ちください」
と言われ、再び椅子に座り直す。
周りを見る。
椅子の目の前には、パーテーションがある。
そこには様々な掲示物があり、
その中でも一番大きくて目立っていたポスターがあった、それが、
「カスタマーハラスメントはおやめください」といった内容のポスターだった。
役所に到着してから15分...
そのポスターを見ながら思った。
(カスハラねぇ...もしいまここで「遅い!」って怒ったらカスハラって言われるんだろうなぁ。)
そう思いながら、
カバンに入れていた本の存在を思い出し。
本を読むことにした。
とりあえず落ち着くか。
と思ったけれど、
20分...25分...と時間が過ぎていき、
ついに30分が経過した。
それでもなんのアクションも起こらない。
予定していたとはいえ、さすがに朝の時間、
次の予定もあるため、
移動時間を含めると、もうそろそろタイムリミットが近づいてくる。
それなのにも関わらず、
担当者はいまだに姿を現さない。
なぜ遅れているのかの説明も無い。
どういう状況なのかわからない。
私はまたポスターに目をやる。
「カスタマーハラスメントはおやめください」
...はいはい、わかってますよ。
でもね、こっちだってもう次の予定があるんだ。
だから穏便にね、
ここから去ることにするよ。
ということで、
そこにいた受付の若い男性の方に名刺を渡し、
冷静にこのように伝えた。
「あの、すみません。
今日ですね、
担当者の◯◯さんが時間を指定して、
その指定の時間に到着して、
もうすでに30分以上も待っているんです。
今日はこの後予定もあるので帰らせていただきます。
〇〇さんにお伝えして欲しいのですが、
ちゃんと対応できる時間を確定してから、
再度私の携帯へ電話をください。
これを◯◯さんにお伝えください。」
若い男性職員の方は真摯に受け止めてくれた。
そして私は次のスケジュールへと向かった。
うーん、我ながら大人だ。
担当者の〇〇さんからしたら、
こりゃぐうの音も出ないだろう。
そしてこれは、カスハラではないだろう。
担当者の方は、帰ってしまった私に対して、
どう思うだろうか。
なんて考えたりもした。
でも、もし私が逆の立場だったなら、
待たせてしまった相手に対して、
必ず、第一声に平謝りをすることでしょう。
だからきっとそんな感じの電話が来るのかな。
と思いながら、
次の予定へ向かった。
そこでまたふと考えた。
「カスタマーハラスメントはおやめください」
のポスター。
私は今回いたって落ち着いていたので、
そんなことにはならなかったが、
でもやはり、
他の人たちはこんな仕打ちを受けてしまったら、
怒るだろうな。
まぁ、これで怒るのは当たり前だと思う。
でもそれでも、
声を荒げたり、捲し立てたりした時点で、
どうしてもカスハラになってしまうのだろう。
被害者が加害者に変わる分岐点だ。
じゃあ逆にこの、
私がいま待たされているこれは、
なにハラスメントなのか?
放置ハラスメント?
たらい回しハラスメント?
申請物を提出する私は、
役所に書類を出さないといけない。
それも、期限付きの書類だ。
だから正直焦ってはいる。
必ず提出しないといけないものだから、
相手が受け取ってくれないと困るものだ。
相手の機嫌を損ねれば、ちゃんと受け取ってくれるか、ちゃんと仕事をしてくれるか、
それすらわからなくなるリスクすらある。
そう考えると、
私よりも役所の方が、あきらかに立場は上だ。
立場が上の役所の人が
こちらの申請の都合を盾にして、
私に対していま、なんらかのハラスメントを行っている状況とも言えるのではないだろうか。
私は、役所の言われたとおりにわざわざ来たのに、
それに対してなんの対応もしてくれず、
結局帰るしかない状況へ追い込まれた。
普通の企業なら、
お茶を出したり、場を繋ぐことは当たり前だ。
この辺りの常識感のなさも、
お役所様の偉いところだ。
朝の大切な時間も削られ、
普段から冷静な私だが、
今日のこれには相当に心を苦しめられた。
ある種パワハラのような、
悪質な嫌がらせのような、そんな行為を受けた。
「カスタマーハラスメントはおやめください」
なんて言ってる場合じゃないのだ。
逆だ。
自分が人に対してどんな仕打ちをしているのか、
気づかなくてはならないんだ。
午後になる直前に、
やっと折り返しの電話が入った。
もう約束の時間から2時間も経っていた。
さて、どんな電話かな。
とスマートに電話に出る。
すると軽やかな声で、
「いや〜すみません!帰っちゃいました〜?私このあと空いているんですけど、次はいつがご都合よろしいですか?」
...
...
こりゃダメだ(涙)
私は淡々と、あのポスターを思い出しながら、
怒ることなくスケジュールを合わせて、
再度役所に向かい、
ほぼ半日無駄にしたけど、
今日を乗り越えました。
ふぅ、お疲れ様、自分。
だけど最後にチクっと言ってやりました。
再度役所に訪問した時、
担当者の人が「お待ちしてました〜」
とか言うもんだから、
私は、
「お待ちしていましたは、私のセリフですよ。
あなたのことをずっとお待ちしておりました。」
第137回目の投稿でした。
