国産の牛乳が日本から消えていく
時々無性に濃い牛乳が飲みたくなる。普段わが家に常備しているのは明治の「おいしい牛乳」だ。一時、森永の「牛乳で飲むココア」にはまっていた。冷たい牛乳にも溶ける。これで飲むと、学校給食のミルクに入れるミルメークとかなんとかってのを入れた気分になり楽しい。あまいものが飲みたかったら鳥取の大山乳業のコーヒー牛乳「白バラコーヒー」だ。これを売っている店を見つけるとうれしくなってくる。ちなみに白バラ牛乳は通販もしているのでおすすめだ。
牛乳に興味がない人でも、牛乳からつくるチーズやヨーグルト、アイスクリームやバターは口にするだろう。牛乳からはいろんなものが作られている。
その牛乳が日本からなくなるかもしれないという。
前段階として、国産の牛乳がなくなるかもしれないというのだ。
さらに前段階で、国産のチーズが消える。
それはEPAやTPPでチーズなどの乳製品が安く入るから。チーズは安くなっていいじゃん。なんでそれが牛乳につながるんだという話だが、生乳は季節で生産量が違う。なんせ生き物相手のことだ。冬は牛乳が余るのでバター、脱脂粉乳にする。ミルクを出すなと言ったって出てしまう。捨てるのか。そんなわけにもいかない。
安い輸入品が入れば冬の牛乳の行き場がなくなる。そうすると国内牧畜家の収入が減り、ついには廃業となってしまう。そして国産牛乳が消える。
牛乳を輸入するにしても、輸入品に頼ると、レアアースや石油のように、何かの理由で輸入が止まれば、日本から牛乳が消える。そして牛乳に関連するチーズやヨーグルト、アイスクリームやバターも消える。
石油が入ってこないことだけではない。輸入に頼りすぎて、何度も経験したことだ。
牛の頭数の多いフランスは9割、ドイツは7割が国の補助金だ。そうしなければ経営できない。国産品を大切にしている。それに対して日本は4割の補助金。自給自足なんてしなくていい。安い輸入品をどんどん買えと政府がいっているようなものだ。外国から輸入すれば、その利益のいくらかをわけてもらえる誰かがいるのだろうか。そちらで儲かるから、日本の畜産などどうでもよい。
日本の畜産農家の減少は「高齢化と後継者不足が原因」といわれるが、実際はお金がない。国がお金を使っていないからだ。輸入が止まることへの危機意識が全くない。
そこまで考えなくても、現実の日本の畜産農家の場合、家畜の餌は海外からの輸入にたよっている。こちらもなんらかの理由で輸入が止まれば、牛たちは食べるものがなくなってしまう。餌がなくなるだけで日本の牧畜は消えてしまうという危うい場所に立っている。
牛乳はまだ心配しなくても、今も多くの乳製品が日本に入ってくる。中でも日本とアメリカとの関係から、アメリカ産の乳製品がどんどん輸入される。その中には遺伝子組み換え成長ホルモンγBGHを投与された牛がいる。γBGHは乳量を3割増やすだけでなく、牛の成長速度も速くなるので、餌代が節約できる。
そんないいことだけではない。人間が過剰に摂取すると発がんリスクが高くなるといわれ、カナダや欧州は輸入を拒否しているそうだ。けれど、アメリカではそんな危険性は報道されないので、どんどん使われる。日本でも話題にならないので、アメリカ産の成長ホルモンγBGH入り乳製品は日本にどんどん入ってくる。
これは10年前の本の記事だが、今も何も変わっていないだろう。
金のため、儲けのためなら人間の体はどうなってもいいと思われている。
ああ、日本はどこへ行くのだろう。
堤未果の「日本が売られる」(幻冬舎新書2018年)を読んで、へえっと思ってこの記事になった。
堤未果さんの記事に触発されて書いた記事はこちらにも、
