医療が売られて医療を受けられないアメリカのようになっていくわが日本の現実
定期的に病院へ行っている。老化すると、どこかしらが悪くなり、病院へ行かざるを得ない。マイナンバーカードで受付をして、長い長い時間待たされて、ちょちょっと医者の話を聞いて、薬をもらって帰る。薬代だけで一万円近く払う。健康保険の使用明細が届き、医療費を見ると、実際の薬代は何万円にもなっている。うわあ、医者にはこんなにお金が入っているのかと、改めてびっくりした。
医療費というものは、とにかくめちゃくちゃかかるものだ。
昔のように漢方薬を煎じて、その「さじ加減」で治療していた時代とは違うのだ。
医者の治療費というよりは、今は薬品会社が高い研究費を使って開発した高価な薬がばんばん使われる。しかも大量に配られる薬代が高いのだ。
高い医療費をなんとかしようと、日本には国民皆保険制度がある。普通に治療を受ければ補助されるのだ。誰でも安く医療を受けられる。ところが外国ではそんなことがない。医者にはなかなかかかれない。なんでもかんでも病院へ行く日本とは違う。日本のあたりまえが外国では通用しない。
外国で病院へ行き、目の玉が飛び出るほどの医療費を請求されたという話はよく聞く。日本の常識は外国では通用しない。
日本の国民皆保険制度は、1958年、国民健康保険法が制定され、1961年、国民皆保険制度が完成した。
保険証一枚あれば、いつでもどこでも誰でも、その日のうちに質の良い治療が受けられる。医療破産など起きないよう、治療費が一定額以上になれば、全て国が払い戻してくれる制度だ。
そんな日本だから、高額医療を受けに来日する外国人が多い。
2012年、それまで来日1年だった健康保険の加入条件を3か月にした。留学生、会社経営者として来日すればすぐに保険証がもらえる。どんどん日本にいらっしゃい。病気になっても大丈夫、というわけだ。
中国人に患者の多いC型肝炎薬は3か月455万円が月2万になり、肺がんのオプジーボは1500万円が60万円となるのが日本だ。差額は国民の税金となる。
また、保険料がどんどん上がり、医療費が40兆円もかかるのは、高齢化ではなく、アメリカから他国の3~4倍の法外な値の医療機器、新薬が保険制度から払われているからだ。アメリカの企業は、高い買い物をしてほしいから、安いジェネリックが入らないようにしているという。
堤未果さんの本を読んで、そんなことを知った。かすかにわかっていたことを、数字をあげて説明されれば、改めて考えなければならない問題だと思う。
これは10年近く前の話だが、今も全然改善されていないだろう。そして保険料は今でもどんどん値上げされていく。病院自体も、何かあったときのリスクが高い産科などはどんどん減って、危険性が少なく儲けの大きい美容外科や老人医療が増えている。自由競争にすればそうなってしまう。人の健康よりも儲けとなってしまう。
日本の未来を考えた設計図なんてどこにあるのだ。ただ子どもを産み増やせと言っても、砂上の楼閣にしかすぎないだろう。
わが日本の未来はどこへ向かっているのだろう。
堤未果さんの「日本が売られる」(幻冬舎新書2018年)を読んで、へえ、と思ってこの記事になった。
堤未果さんの記事に触発されて書いた記事はこちらにも、
