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公立学校が消え税金で作られた民営学校が増えていく

 公立学校を民営にせよと、大阪市は2019年、YMCAに運営を委託する公設民営学校を特区に開設することを決定。
 大阪府大阪市住之江区南港中三丁目にできた大阪府立水都すいと国際中学校・高等学校は、
「生徒や教員が新しいことに挑戦し続けられるようサポートします。自分自身を成長させ、生涯を通して学び続ける素地を養うために、失敗も成功も奨励します」
「生徒の興味関心を惹き、生徒自身が中心となって主体的に関わることができる、充実した創造的なプログラムを通して、水都国際中学校・高等学校の生徒は、学術的な専門性と国際社会で活躍できる資質・能力を獲得します」
「様々な事象を批判的に思考する方法、意思決定をする方法、チームで協働する方法を学びます。生徒と教員は世界に目を向け、グローバルな環境下で自信を持って行動します」
を学校理念とする。
 すばらしい。すばらしいけど、その裏には何があるのか。

 日本に先駆けてチャータースクールと呼ばれる公設民営の学校は、アメリカでは80年代から全米に広がった。すばらしい理念があるからこそ広まったのだが、その実態はどうなのか。
 自治体が所有し民間が運営する。建物の修理、改修は自治体の税金で行われる。教職員は公務員ではなく非正規になり、都合の悪い職員は、いつでもクビにできる。
 
 これは児童館も一緒だ。神戸のことしか知らないが、これからますます需要が高まる児童館、というよりは学童保育施設(放課後児童クラブ)は、
「学童保育(放課後児童クラブ)は、子育てと仕事の両立支援や、放課後における児童の健全育成を目的として、保護者が働いているなど、放課後大人の家族が家にいない小学生のために実施しています」
と神戸市はいう。
 その児童館が、営利を目的としないとされる社会福祉協議会から営利目的の企業に次々と委託されている。企業が受けるということは、儲かるからだ。儲からないのに運営をしようなんていう崇高な企業はどれほどあるだろうか(今は非栄利のNPOが運営しているところも多いが、いつまで続くのか……)。企業は、さらに儲けるために人件費を削ったりもする。職員は安い給料で働かされ、どんどん職員が集まらなくなり、それでは外国人だと、どこかの業種のようなことになる。
 
 閑話休題、アメリカの公設民営学校だ。ここは税金で運営できるが、成績がよくないと税金がおりなくなる。だから、企業は教員に厳しいノルマをつける。テスト重視で音楽、美術、体育などは廃止される。教員は長時間働き、非正規のためすぐにクビになる。成績不振校は廃止にされ教員は一斉解雇され失業する。そこに通っていた子どもたちは、他のチャータースクールに入れず、教育難民となる。月謝の払いの悪い家庭の子どもはいらないからだ。もちろん授業をかきみだす多動の子などもいらない。私立学校ではない。半分自治体がかかわっている、公立学校のような学校なのにだ。公立学校では、どんなに問題のある子でも、どんなに問題のある家庭の子でも、みんな受け入れる。民間では、そんなことはない。
 そもそも民間が参入したのは、儲かるからだ。それはそうだ。学校というものはなくならない。必ずお金が入ってくる。子どもの数が減って経営が苦しい私立学校も多いが、半分以上(?)は税金でまかなわれるのが公設民営学校だ。こんなにボロい商売はない。

 アメリカのチャータースクールの弊害は知らせず、理想的な学校だという情報だけ流していく。そして、どんどん公設民営の学校を増やそうとしている。自治体にしても、めんどうな学校運営をしなくてすむ。建物だけ立てればいいのだ。企業は、税金をもらいながらお金が入ってくる。マイナスはまったくない。
 マイナスとなるのは、切り捨てられる子どもたちと従業員である教職員だ。
 アメリカなどの現実をみて、国連人権理事会は2016年「教育の民営化がもたらす弊害から子どもたちを守るべき」と決議しているとのこと。


 児童館に続いて学校も民営化されていく日本。
 さて、日本はどこへ進んでいくのだろうか。

 


堤未果さんの「日本が売られる」(幻冬舎新書2018年)を読んで、この記事になった。

 


堤未果さんに触発されて書いた記事はこちらにも、

 

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