#180 私の所見の書き方②(2026.3.7)
小学校で教師をしています。
日々気付いたことや、感じたことを忘れないようにnoteに記録しています。
前回こんな記事を書きました。
この続きで今回所見を書きながら気づいたことをメモしておこうと思います。
【所見にフォーマットはあるのか?】
「毎年、前回よりよい文章を書ければな」と思っています。
何年やっても、新しい書き方や、視点の発見があるので「フォーマット」や「型」というものはないと思っているのですが、
次にあげる要素を、できるだけ簡潔にまとめるのは大切だと思っています。
( ①データの蓄積によってわかるその子の傾向の紹介 )
( ②学習場面 )
( ③目には見えない『思考』ができていました。 )
( ④それにはこういう価値があります。 )
( ⑤それは将来このようにつながると思います。 )
例えば次のような文章を考えてみました。(※実際の子どもの文章ではありませんが、説明のため少し大げさに書いています…)
授業ではいつも友だちの意見に対して「そういうことか!」「なるほど」と反応し、真剣に話を聴くことができました。(①)生活科では友だちの育てている野菜も観察しながら(②)、「ピーマンは他の野菜と比べて実ができるのが早い」ということを発見をしました。(③)
「複数の情報を比べながら決まりを見つけていくこと」は他教科でも大切な力です。(④)
これからも友だちの考えを参考にしながら、
自分の考えを深めてほしいと思います。(⑤)
この「書き方」に「当てはめて」所見を書くというのではなく、
この(①)~(⑤)の要素を意識して所見を書くと、「○○しました。□□しました。次年度も頑張りましょう。」みたいな、ただやったことの羅列にはならないのかなと思います。
子どもの実態や活動内容によって、①~⑤の順番が変わったり、④と⑤をまとめて書いたりすることもあるのだと思います。
少し補足すると、
例えば①は
「いつも授業では自然に関するものに興味をもち、様々な知識を発表することができました。」
「振り返りの時は、感想を必ず何枚も書いていました。」
「様々な活動でいつも友だちと協力して練習していました。」など…
一つのエピソードではなく、その子の行動や成果物を、長期的に見た結果分かってくる傾向を書いていきます。
一言でその子を表す言葉、文章と言ってもよいかもしれません。
②はできるだけ「その子ならではのエピソードや活動」が選ぶとよいと思っています。
③が特に大切だと個人的に思っています。
「○○を練習していた」「○○を作っていた」「ノートにまとめた」等だと「ただの事実の羅列」になってしまうので、
「ボールを投げる時の手の位置や、バウンドさせる位置を気にしながら練習しました。」
「ひもの長さや穴の大きさを考えながら、みんなが楽しめるおもちゃ作りをしました。」
「ノートを分割して叙述と自分の考えを分けて理由を説明することができました。」
など、やっていることの裏側にある、目に見えない「活動の意味」「難しさ」「コツ」みたいなもの言語化することが大切だと思っています。
これは教師の教材研究や、見取りの質が高ければ高いほど、いくらでも具体的に書けるのだと思います。
例えば、図工に詳しい方であればで、
「木版画で素敵な作品を作りました」ではなく、ちょっと表現が大げさになるかもしれませんが
→「彫刻刀の角度と手の力を調整しながら、○○の細かな模様を崩さないように、版木を外側から丁寧に彫っていくことができました…」といったように、言語化する解像度が上がってくるのだと思います。
書き方に、形式やフォーマットはないので、どのように書くとよいかを今後も模索していきたいと思います。
とにかく所見は短い文章だからこそ、よいフレーズが浮かぶような気もしています。
【今年の目標】
3学期の所見で意識したいことは次のことです。
・複数の資料から情報を集める。
・文章の質や読みやすさを考える。
・100文字ちょっとの短い文章の中にも起承転結を込める。
・授業のワークシート1枚でも深く読むことで、その子が考えていたことを分析する。
・つぎはぎの文章ではなく、文と文のつながりを考える。(二つの事例の共通点を見つける。意味づけをする。)
今回は一度書いたもの2~3回書き直しています。いろんな資料を見ながら、もっとよりよいエピソードや言い回しが見つかったら、文章を差し替えています。
毎年できるわけではありませんが、今年は書く人数が少ないので自分の中でできるところまでやってみようと思っています。
これは、もちろん子どものためでもありますが、自分の「書く力」を高めたいということもあります。
「速く書ける」でも「たくさん書ける」でもない、「人に伝わる文章」というものはどうやれば書けるのだろう、「もっと良い書き方がいくらでもあるのでは」と最近よく思います。
時間はかかるかもしれませんが、一度どれくらいまで、所見の完成度をあげられるか自分の中で挑戦してみようと思っています。
ある程度考えていったら、また来年所見を書く時に新しい書き方が見えるような気もします。
【作業工程と見直す回数】
所見を書く時の作業工程を整理すると、
・エピソードを精選する作業(写真やノート週案などを参考に)
↓
・文を作る作業
↓
・修正する作業(追加、差し替え、表現の統合)
↓
・文章を整える作業(語尾、言い回し)
所見を書く時はこの4工程くらいだと思うのですが、一つひとつの工程の解像度や精度をあげると文章はよくなると思います。(もちろん限られた時間の中でしかできないのですが…)
一度作った後に、さらにもう何回か同じサイクルを繰り返すと精度が上がると思います。
自分の場合、最初から提出するための「完成形」を作ろうとすると、文章にばらつきが出ますし、なかなかよい文章が思い浮かびません。
「一度全部作って、また修正して…」を繰り返す方が自分には合っているかなと思っています。
見直す回数は、4回くらい別の日に見るとよいと思っています。
疲れていた時に書いた文章、疲れている時に書いた文章など、一度「書いた当時の思考」と「文脈」を切り離して読み直した時でも、本当によい文章かどうかを確かめるようにしています。(だいたい変なので書き直しています。)
【おわりに】
文章は、いつもすっとかけるわけではないですが「真っ白な原稿」に0から文字を書き始めて、頭の中にあるものだけで、文章がまとまると、ものすごく充実感があります。
逆に、何もないからこそ直観的に「大切な言葉」を選べているような気もします。
「こんな事ばっかり考えて書いていたら、所見終わらないよ」といわれてしまいそうですが、
百数文字の短い文章でも「人の気持ち」に伝わらなければ、それはただの「文字の羅列」ですし、
自分を含め人の心が動く文章を書こうと思わなければ、すでに自分はAIにも負けているんだろうなと思います。
短い文章でもこだわって考え続けていくと、「長い文章」を書く時のヒントも見つかることがあるのでギリギリまでジタバタしてみようと思っています。
本当につまらないこだわりかもしれませんが、自分のその時に感じたことや、気持ちの在り方や揺れが文章として表現できたらなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
(追伸)
過去に所見を書いた時の自分の記事です。同じようなことを書いているかもしれませんがもしよかったら読んでみてください。
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