人々が暮らしているところに行く〜これからは地域密着型の複数の小さなコワーキングが1つの大きなハブに勝る:今日のノート#597(2025-07-07)
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#トーキング・コワーキングVOL .29
次回のトーキング・コワーキングは、7月11日(金)の19時から。
ゲストは、福島県郡山市の「co-ba koriyama」の三部 香奈さんです。
ぜひ、ご視聴ください!
#人々が暮らしているところに行く〜これからは地域密着型の複数の小さなコワーキングが1つの大きなハブに勝る
Linkedinに読んでてワクワクする投稿があったので紹介しておきます。
書いたのは、以前、この記事でも引用させていただいたニューヨークの不動産業に詳しいBrad Hargreaves氏。
その散文的な文体がとても小気味いいので、なるべくその雰囲気を壊さないよう、以下にざっくりと訳す。
*****
コワーキングの復活は起きている。ただ、マンハッタンではない。ここでは、賢明なオペレーターが実際に勝利を収めている点をご紹介する。
コワーキングの復活は、あなたが思っているようなところでは起きていない。
WeWorkが崩壊し、Industriousがフォーチュン1000のクライアントを追いかける中、3人の経営者が真のコードを解いた。
人々が暮らしているところに行くのだ。
私はPatch(英国)、Work Heights(ブルックリン)、Switchyards(アメリカ南東部)を研究した。
その結果わかったことは以下の通り。
旧来のコワーキングの問題点:
- 高価な繁華街に立地
- 出張者をターゲットにしていた
- 一等地の不動産の奪い合い
- 長時間の通勤が必要だった
新しいモデルが機能する理由:
- 平均通勤時間9分(WeWorkは26分)
- ビジネス街ではなく、近隣のロケーション
- 地域コミュニティとの融合
- はるかに安い不動産
勝利している3つのアプローチ:
Switchyards: ボリュームプレイ
- 28拠点で月額100ドル
- 5年以内にさらに200クラブを計画
- メンバーの92%がコワーキング初心者
- 住宅街のみ
Work Heights: プレミアムローカル
- ブルックリン7拠点で月額290-320ドル
- 全拠点で24時間365日利用可能
- 屋外ワークスペース(ポスト・パンデミック・ゴールド)
- ハイパー近隣エリア集中
Patch: コミュニティの拠点
- 街のランドマーク(古いビール醸造所や図書館)を再利用
- 地元の目抜き通りと一体化
- 公共施設+コワーキング
- 街の中心部に活気を取り戻す
彼らすべてが理解していること:
人間には他の人間が必要だ。コーヒーショップがオフィスに取って代わることはない。しかし、近隣のワーククラブならそうなるかもしれない。
不動産に関する洞察:
- Bクラスのオーナーは家賃を安くする
- 大家は今すぐ管理契約を結ぶ
- 巨額の保証金が不要
- 複数の小さな拠点が1つの大きなハブに勝る
2025年にこれが機能する理由:
- リモートワークは永続的
- 人々が求めているのはコミュニティであり、通勤ではない
- テクノロジーが小さなスペースを実現可能にする
- 実績のあるモデルには安価な資金が投入される
大局的な見方:
コワーキング1.0は企業オフィスに取って代わろうとした。
コワーキング2.0は孤立を置き換える。
WeWorkは出張者をターゲットにした。
これら3スペースのの事業者は近隣住民をターゲットにしている。
未来はダウンタウンのタワーではない。
角を曲がったところにあるクラブだ。
次の波を作るのは誰か?
理解しているオペレーター:
近接性は名声に勝る。
9分の通勤時間は26分の通勤時間に勝る。
月100ドルは月500ドルに勝る。
コミュニティは利便性に勝る。
コワーキングの復活は本物だ。
ただ、それはVCが注目しているところではない。
*****
これからのコワーキングの進むべき方向を指し示す見事な洞察だ。
コワーキングの復活というのは、彼がこの記事で「コワーキングは生まれ、死に、そして再び生き返る」と言っていたことにつながっていると思う。(前出のnoteはこれをもとに書いた)
言いたいことはよーく判る。これから我々に必要なのは、バカでっかいチェーンを展開するビッグブランドなんかではなくて、近隣のコミュニティベースの中小のコワーキングなのだ。もう、大大大賛成。
蛇足ながら、事例に挙げられたスペースのことを補足しておく。
Patch(イギリス)
B-Corp認証を取得し、「ビジネスを善のための力として活用する」グローバルムーブメントの一環
大学との連携による奨学金制度や慈善団体向け割引を提供
メンタルヘルス慈善団体や文化組織向けの多様で公開イベントを主催
地元の女性起業家支援イベントなど、コミュニティエンゲージメントに重点
過去にここでも紹介しているが、「Work Near Home(自宅の近くで働く)」という理念のもと、地域社会とのつながりを重視した新しい働き方を提案している。
Work Heights(ブルックリン)
2014年設立で、創設者Sam Strauss-Malcolmが古いジャンクヤードを改装して開始
建築サルベージや再生素材を地元調達し、各拠点に独自の個性を創出
Herman Miller製品(AERON、CAPER)など高品質な設備を提供
Travel Magazineでブルックリンのトップ10コワーキングに選出
プライベートオフィスは提供せず、デスクスペースとミーティングルームに特化
ここも、ここで書いていた。
Switchyards(アメリカ南東部)
パンデミック中に14ヶ月間全メンバーの料金を停止し、コミュニティを維持
2019年にスタートアップ向けから「近隣ワーククラブ」にピボット
San Francisco拠点のBullpen Capitalなどから総額1,050万ドルを調達
2021年以降、年間売上が倍増し続けている急成長企業
ダウンタウンの19,000平方フィートの1920年代建築から住宅地展開へシフト
これもここで書いていた。
B-Corp認証取得とか、奨学金制度や慈善団体向け割引とか、再生素材を地元調達とか、パンデミック中に14ヶ月間全メンバーの料金を停止し、コミュニティを維持したとか、いずれも地域密着型のガチのローカルコワーキングだ。こういうコワーキングがローカルにほしい。
Brad Hargreaves氏が指摘していた中で注目しておきたいのは、「大家は今すぐ管理契約を結ぶ」というところ。これは従来のリース契約ではなく、ビルオーナーとコワーキング運営者が共同管理者となり、売上をシェアする管理契約を意味する。Industriousがその筆頭。今後、日本もこの形態が増えるだろうと思う。
そして、「複数の小さな拠点が1つの大きなハブに勝る」ということと「テクノロジーが小さなスペースを実現可能にする」ということは当然リンクしている。従って、これまでの不動産業にはない発想が求められる。
つまるところ、「人々が暮らしているところに行くのだ」という言葉に集約される。生活圏内のコワーキングが彼らのカツドウ基盤となる。
近接性は名声に勝るし、コミュニティは利便性に勝る。
ぼくらは、そこでコワーキングしよう、と思う。
ということで、今日はこのへんで。
(トップ画像:Patch)
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