時代に逆行するAmazonのハイブリッドワーク禁止令は何を象徴しているか:今日のアウトテイク#306(2024-09-19)
<アウトテイク>
・SNSに投稿するのではなく、これを自分SNSとした投稿
・記事として仕上げる前の思索の断片、または下書き
・一部、筆が乗ってきて文字数多いのもあり〼
・たまに過去に書いたネタを展開する場合も
・コワーキング関連のネタが多め
・要するに「伊藤の現在地点」
・いずれKindle本にまとめる予定
#今日のBGM
#今日のコトバ
"考えてみれば日本の近代化は、それまで持っていた伝統文化=固有のおもりを切り離し、文明の通有性の中に浮かび上がることによって実現した。その結果、文明の海にただよい出てしまったのが現状だと言えます。
日本の各地に新しい地域文化の芽を育てることは、私たちの心におもりをとりもどす大切な仕事であると信じて疑いません。"
(開高健 『一言半句の戦場』)
#Kindleでコワーキングコラム集Vo.1、ついに発行!
「今日のアウトテイク」からコワーキングネタだけをピックアップして、Kindle(電子書籍)でコラム集として発行するプロジェクトの第1号、ついに発行されました。
長短織り交ぜて52本を収録。文字数は68,132文字。ページ数にすると154ページ(ただし、ガジェットによって文字の大きさは変えられるのでページ数は変動的)。
ぜひ、お読みください!
#「交換」できる24時間営業の無人書店
これはオモシロイ。ありそうでなさそうな。
大学生二人が始めた24時間営業の無人書店。古い京町家の玄関前にガラスケースが置いてあって、その中に10冊ほどの古書が並んでいる。
よく地方に行くと畑のそばで野菜を売ってる「無人販売」のあの方式かと思いきや、 「持参の本と交換してもらうか、カンパという形でコップにお金を入れてもらうか、という形です」ですって。「交換」てのがオモシロイ。それで、一冊の本が世間を巡回する。いろんな人の手にわたる。
うちも本のあるコワーキングにしようとしていて、一棚ごとにシェアする書店をこの狭いカフーツの端っこでやろうと思ってるのだけれども、貸出や販売だけじゃなくて「交換」というのもアリかもしれない。
いい気づきをいただきました。
#時代に逆行するAmazonのハイブリッドワーク禁止令は何を象徴しているか
一昨日からこの話が波紋を呼んでいる。ここへ来て、Amazonがリモートワークを全否定した。
理由としては「過去5年を振り返り、オフィスで一緒に働くことの利点は大きいと確信した。社員同士が学び合ったり新たなアイデアを生み出したりするには、在宅勤務ではなく出社が効果的だ」と、いかにももっともらしい言い分。
確かに、毎日、同じメンツと実際に顔を合わせることで、意思の疎通はしやすいし、微妙なニュアンスでのやり取りもアイデアの発露になることはある。で、それをそのままオンラインで再現するのは、まだ少し無理がある。
けれども、まったく不可能ではない。加えて、ワーカー側もツールの違いによってどう意思が通じるかは学習してきている。環境に応じてやり方を工夫するのが知能ある人間の振る舞いではないですかね。
考えても見てください。30年前は、インターネットなんてなかったんですよ。最初はおっかなびっくりで触り始めて、でもすぐにその可能性に気づいて、あっという間に世界中に普及した。その間、試行錯誤は繰り返され、もちろん失敗もたくさん積み重ねて、なんとかかんとか辻褄を合わせつつ、人類のあらゆるカツドウに欠かせないツールとなっている。
これを進化というのではないですかね。とりあえず今現在のあるべき姿であって、この先、どう変わっていくかは判らないけれども、それでも変わることを否定しては進化も止まってしまう、ということは皆が共有できていると思う。
Amazonが社員を元のオフィスワークに引き戻すことは、ただオフィスに引き戻すだけではなくて、人間の持つ可能性をシャットアウトしてしまう横暴な行為だと思うのだけれどどうでしょう?
昨日も書いたけれど、世界中でハイブリッドワークがデフォルトになろうとしている最中に、それに抗うことに果たしてワーカーの賛同は得られるのかしらね。
それと、ここ、笑ってしまった。
組織が急拡大するなかで、熱心に働かない社員が目立つようになったほか、中間管理職が必要以上に増える問題が起きた。コロナ特需が落ち着いて成長が減速した22年秋以降、本社部門を中心に計2万7000人の大規模な人員削減に踏み切った。人員を減らした後、働き方にもメスを入れるようになったのが現状だ。
キビシイ言い方すると、熱心に働かない社員と中間管理職が増えすぎたのは、そもそもそういうワーカーを繁殖させてしまう企業風土だったからじゃないですかね。それ、リモートワーク以前の話だと思うのだが。
ついでに、週5日出社強制は「企業文化」を強固にする狙いらしいが、その「企業文化」って一体何だろう。
在宅勤務を続けていては、社員の当事者意識の強さや素早い意思決定、倹約といったアマゾンの文化の維持が難しいと判断したという。
だから、それはただ単に社員のリテラシーの問題だけではなくて、リモートでもちゃんと機能するような仕組みにするべき、マネジメントする側の怠慢が原因であるとも考えられる。というか、このへんに、社員を全然信用していないフシを感じるのだが違うかな。考えすぎ?そういう扱いされたら社員も怒るで、しかし。
素早い意思決定が必要なら、素早く決定できる仕組みにすればいいだけで、そこに巨大組織のヒエラルキーが災いしてる気がする。
組織、組織というけれど、それって要するに、つまるところ、人でしょ。組織というハコがあってヒトが動くのではなくて、考えて動くヒトが集まって集合体となるんであって、「企業文化」なんて得て勝手な理屈だけこねられても、結局、「笛吹けども汝ら踊らず」となると思うけど、それは杞憂か。
そんなに社員の責任感と自由な発想を求めるのなら、いつも同じ顔ぶれの馴れ合いムードの中に閉じ込めるのではなく、むしろ彼らを野に放って、つまり、リモートワークさせて、ぜんぜん違う属性の人たちと関わりを持つことでオツムを刺激させたほうがよっぽどいいと思う。
第一、通勤という時間もエネルギーもコストも浪費する行為をやめるだけでも、経営的には大きなメリット。加えて、そんなバカでかいオフィスも必要ないから家賃という固定経費も莫大に節約できる。「倹約」を云々するんだったら、会社がまず倹約するべきではないかな。
ただし、在宅ワークは限界がある。プライベートと仕事はやっぱり分けといたほうが双方にとってハッピーだ。だから、自宅に近いコワーキングを利用することを、会社として制度化することをオススメしたい。
そうすると、コンプライアンスとかなんとかまた言い出すだろうけれど、だったらリモートワークする社員全員にVPNを支給すればいい。Amazonぐらいの企業なら、それぐらいドってことないはず。
「23年には週3日の出社方針に反対するアマゾン従業員の一部が本社地区でストライキに参加した」らしいから、今回もなんらかの行動には出るだろう。そういえば、Amazonって労働組合があったんじゃなかったですかね。
エリック・シュミット元CEOもこのほど古巣を批判し「グーグルはワーク・ライフ・バランスや早めの帰宅、在宅勤務を(ビジネスで)勝利することよりも重要だと判断している」と述べている。
って、当たり前じゃないか。どこの世界に社員の幸せを邪魔する会社に協力する人がいるの?
社員は会社の持ち物ではない。まして奴隷でもない。持てる能力を提供することで企業の成長に加担するパートナーだ。雇用というから誤魔化される。ではなくて、個人と会社の取り引き。業績の悪いときに平気で首切るくせに、都合のいいときだけ「企業文化」とか言い出す。
今まで通りの週3日出社のハイブリッドでいいんじゃないか。で、その範囲内で成長するようにするのが、あなたたち経営陣の仕事ですよ。
ハイブリッドワークについては、このへんを参考まで。
あー、今思ったけれど、これ、単に経営者が寂しがってるんじゃないの?自分だけオフィスにポツンといるような気がして。
なことはないか。ないですね。きっと。
いや、もしかして、彼も人間ですから、あるいは。
ということで、今日はこのへんで。
(カバー画像:Nik)
ここから先は
最後までお読みいただき有難うございます! この記事がお役に立ちましたらウレシイです。 いただいたサポートは今後の活動に活用させていただきます。
