見積もり300万円のシステムを、月1.5万円で自作した——中小製造業の総務がAIで社内DXをやっている話
最初に言っておくと、私はエンジニアではありません。中小製造業の総務です。
それが今、社内システムを自分で作って運用しています。NASの上でDockerを使って、消耗品の管理システムと社内ポータルを動かしている。
開発に使っているのはClaude Code。月額約1.5万円。それ以外のランニングコストはほぼゼロ。
そして何より、これがめちゃくちゃ楽しい。
「システム化したい」の始まり
きっかけは、日々の業務で感じていた小さな違和感でした。
紙で管理している消耗品の在庫。月末のExcel集計。「あのファイルどこだっけ?」を繰り返す毎日。
「これ、もっとうまくできるんじゃないか」
そう思って、システム会社に相談してみたことがあります。返ってきた見積もりは約300万円。中小企業にとっては大きな金額です。保守費用も含めると、さらにかかる。
kintone(キントーン)も試しました。ノーコードで社内ポータルを作ってみた。でもうちの環境には合わなかった。
これは別にkintoneが悪いわけじゃないんです。中小製造業には「社内のデータは社内で管理したい」というニーズがあって、クラウドサービスとの相性が難しいことがある。どこの中小企業でもよく聞く話だと思います。
会社が「やってみろ」と言ってくれた
ここからが、私がこの話を書きたい本当の理由です。
「自分で作ってみたい」
正直、無謀な提案だったと思います。総務の人間が、システム開発をやりたいと言い出したんですから。
でも、会社はOKしてくれました。
これって、すごいことだと思いませんか?
中小企業だからこその柔軟さかもしれません。大企業なら稟議を何枚も通して、情シス部門のレビューを受けて……と、実現するまでに何ヶ月もかかるかもしれない。
でもうちは「面白そうだからやってみろ」と言ってもらえた。
会社の中で、自分のやりたいことをやらせてもらえる。 これがどれだけ恵まれていることか、やり始めてからどんどん実感しています。
Claude Codeとの出会いで、道が開けた
「やっていい」と言われても、プログラミングの知識がないのは変わりません。
でもClaude Codeに出会って、全てが変わりました。
「こういう管理システムを作りたい」と伝えたら、コードを書いてくれる。「ここがうまく動かない」と見せたら、直してくれる。
プログラミングの知識はなくても、「何を作りたいか」を言葉にできれば、システムは作れる。
これに気づいたとき、一気に道が開けました。
最初に作ったのは、消耗品管理システム
総務の仕事のひとつに、消耗品の管理があります。
ボールペン、コピー用紙、トナー……。必要な人が総務に取りに来て、紙に「何を・いつ・何個」書いていく。月末にその紙を見ながら、Excelで集計する。
「出し入れした時点で記録されるなら、集計いらなくない?」
Claude Codeに「ブラウザから入出庫を入力したら、自動で在庫数と履歴が記録されるシステムを作って」と伝えました。
できました。月末の集計作業がなくなった。紙も減った。
この成功体験が、全ての始まりでした。自分で作ったものが実際に動いて、業務が楽になる。この感覚が、たまらなく楽しかった。
社内ポータルで「迷子」をなくす
次に作りたかったのが、社内ポータルです。
うちの会社あるある:
日常的に使うExcelが、共有フォルダのあちこちに散らばっている
デスクトップにショートカットを置いて使うから、ファイル名が変わると迷子になる
「あのExcel、どこだっけ?」が日常茶飯事
新しい人が来ても、口伝えで教えるしかない
ポータルがあれば、ブラウザを開くだけでいつも使うExcelへのリンクが一箇所に並ぶ。迷子にならない。
しかもポータルは「入り口」。ここを起点にいくらでも広げられる:
スケジュール管理
書類の申請・承認
マニュアルの共有
消耗品管理(もう動いてる)
一つ作れば、そこから何でもつながる。
なぜ「NAS × Docker」なのか
全部NASの上で動かしています。
NASは多くの中小企業にすでにある。ファイルサーバーとして使っているだけなら、その上でシステムも動かせる。データは社内にあるから安心。追加の機器購入もいらない。
大企業なら情シス部門がいて、予算もある。でも中小企業には、どちらもない。
だからこそ、「今ある機材」「今あるAI」「今いる自分」で作る。中小企業だからこそできる、身の丈に合ったDX。 それが一番現実的で、一番楽しい。
仕事で「自分のやりたいこと」ができる幸せ
毎日、仕事をしながら「次はこういうの作りたいな」と考えています。
会社の課題を見つけて、自分で仕組みを考えて、AIと一緒に作って、実際に動かす。それで誰かの仕事がちょっと楽になる。
これが楽しくないわけがない。
「総務」って、地味な仕事だと思われがちです。でも見方を変えれば、会社の業務を全部見渡せるポジションでもある。だからこそ「ここを自動化したら楽になるのに」が見える。そしてAIがあれば、それを実現できる。
会社がこの挑戦を許してくれていること。自分のやりたいことが、会社の役に立つこと。この二つが重なっている今の状況は、本当に恵まれていると思います。
これから詳しく書いていきます
この記事は予告です。
今後、具体的な作り方を書いていく予定です:
NASでDockerを動かすところから
消耗品管理システムの設計と構築
社内ポータルの作り方
中小製造業のDXで、やっていいことと危ないこと
「うちも同じ状況だ」「DXやりたいけど予算がない」「でも何かやってみたい」——そんな方がいたら、ぜひフォローしてください。
大企業のやり方を真似しなくていい。中小企業には、中小企業のDXがある。
そして何より——楽しんでやるのが一番です。
---
この記事が参考になったら、スキ・フォローお願いします。
関連記事:「情シス」じゃないのに全部やってる人へ——非・情シスという生き方
Photo by Albert Stoynov on Unsplash
いいなと思ったら応援しよう!
気が向いたらコーヒー奢ってください。泣きながら喜びます。また奢ってくれた人いたら感謝しながら拝み奉ります。