順番不適合な、愛おしい戸棚
今の家に引っ越してきてから、もう15年が経ちました。
越してきた当時の次男は、まだ歩き方もおぼつかない上に、ちょうどテーブルの角で頭を打ってしまうくらいの身長。
長男はといえば、門柱に駆け上っては飛び降りて、まるでお猿さん。
「何やっとんじゃ、こらー!」と、何度も私に怒られるような、典型的な悪ガキ。
あの頃の我が家は、いつも誰かの賑やかな声で溢れていました。
そんな我が家の脱衣所には、家族のパジャマを入れる戸棚があります。
設置した当初、段取りよく決めたルールは、上から身長順に「父、母、長男、次男」
お風呂上がりに自分の段からパジャマを取り出せば、お着替え完了。
それが一番効率的で、収まりが良かったんですよね。
ところが、15年経った今はどうでしょう。
最上段に君臨していた、縦にも横にも大きかったとーちゃんは、運動を始めて痩せたせいか、なんだか昔より小さく感じられます。
2段目を陣取っていた私はというと、今や家族の中で「最小」!
(といっても大柄、170cm あるんですけどね!)
自分のパジャマを出すのに、少し上を見上げながら手を伸ばす毎日です。
そして、一番下の段でちょこまかしていた、ミニマムだったはずの次男。
彼は今や私より15cm ほど背が高くなり、横にも大きくなりました。
顔面だけは昔とあまり変わらない、ベビーフェイスな「マキシマム男子」に成長しました。
大きな体をぎゅ~と丸めて、一番下の段をきゅうくつそうに使っている姿は、どこかシュール。
でも、なんだか愛おしい。
そして一番楽をしているのは、私と次男の中間サイズに収まった長男くらいなものです。
次男に身長をはるかに越されてしまったことは、全く納得していない様子ですけどね(笑)
「…絶対、入れ替えた方がみんな楽だよね」
家族全員が、心のどこかでそう思っているのは分かっています。
でも、とーちゃんは現在単身赴任。
子どもたちだって、いつかはここを巣立っていく。
そう思うと、なんだか今はまだ、この棚を入れ替えたくないのです。
みんなそれぞれ、少々使いにくくても、もう少しだけこのままでいたいな。
それは親の勝手なプライドもあるのかもしれないけれど…本当の理由は分かっています。
私の感情が、まだ追いついていないんです。
この10年、子ども達が相次いで不登校になったり、自分もメンタル壊したりと、本当にいろいろなことがありました。
必死に駆け抜けてきて、自分自身がまだ「回復の途中」にいる。
心の整理整頓ができていないことを、うっすらと感じているんだと思います。
だから、かーちゃんから小さなお願い。
もう少しの間でいいから、このままにさせて欲しいんだ。
私がもうちょっとパワーアップするまでは。
子どもたちの、小さくて可愛かった姿を思い出しながら、この「順番不適合」な戸棚を使い続けていたい。
いつか、心から「よし、整えよう!」と思える日が来たら、その時にちゃんと整理するから。
それまでは大目に見てね、みんな。
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