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失われてゆく夢を求めて

 一つの大きな共同体が、みんなで見る「」があります。

 あまりに大きい夢には、時代や文化を超えて共有されてしまう夢もあります。

 2025年の私たちの多くも、数世紀前の夢を共有しています。

 今回は大きな夢を巡る作品を紹介します。


岬ロカ『「中世」の再建と《ロマン的》ドイツ(前編)』

ファンタジーの世界

 ファンタジーと聞いて、遠くのお城、青空、緑の草原が浮かぶのは私だけでしょうか?

 もしそれ以外の風景を思い浮かべるためには、「現代ファンタジー」や「和風ファンタジー」という言葉が選ばれがちです。

 私達は「ファンタジー」という何か似通った夢を共有しています。
 その「夢」を見はじめた人達はロマン主義者とまとめられる西洋近代の人々です。

 当時のロマン主義者の「夢」と、現在の私たちが見るファンタジーの「夢」は少し違いますが、しかし確かに繋がっています。

 一体この魅力的な「夢」はどこから来て、誰がどんな考えで思い描いたのでしょうか?

 いつもお馴染みの「ファンタジー」の源泉の一つにご案内いたします!

赤津龍之介『鳴り響く獅子座のアルファ』

 歴史学者と音楽家が見て生きたナポレオン時代の姿  

現実主義者の見る夢幻

 老学者は夢を見る。

 常識が語る事実と、遠い友の歌声の狭間   

 19世紀ドイツにて歴史学者であったギーゼブレヒトという人物の回想録風の小説です。

 老齢に至り教師の職を離れた語り手には、過ぎ去った時代の複数の姿が揺らぎます。
 時はフランスの革命期であり、ナポレオンがヨーロッパに席巻した時代。

 歴史学者として長年に渡り染みついていた、ギーゼブレヒトの見た時代の姿。
 およそ客観的に事実として語られてきた知識、現実として共有されてきた歴史。
 そして芸術家として生きた友の記憶より、詩と音楽に残響する歴史。

 歴史学者として身体が覚えた言葉と時代観、社会的に承認された歴史。それが老境で職を離れ、相対化されたことで、語り手自身の見聞した歴史が編み込まれる。その一方では亡き友の歌声が喚起する過去の残像達。
 芸術家の友を愛した歴史学者は、新たに編み直された熱の夢を見る   

 ナポレオンがつくる夢、
 葬る夢、道連れにする夢   

 歴史学に組み尽くされない戦争の記憶を織り上げ、歴史学者は夢の果て、先に果ての先を生きた友を見る   


 この2作品を収録した雑誌『ホーレン』3号は、2025年5月11日の文学フリマ東京40で刊行します!!!

🗓5/11(日) 12:00〜開催
🏢東京ビッグサイト南3-4ホール
📍ブース:き-67
サークル「ホーレン」

でお待ちしてます!!


 同時刊行する2号の紹介はコチラです!

 創刊号もあります!

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