【S6|外伝】人はなぜ、身体に意味を刻むのか(後編)
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人はなぜ、身体に、顔に、そして生き方に、
痕跡を残そうとするのだろうか。
人が身体に意味を刻もうとする理由を、
単なる文化や装飾の問題として説明することはできない。
そこには、
もう少し根源的な動きがある。
人間は、
頭だけで生きている存在ではない。
身体を通して経験し、
身体を通して理解し、
身体を通して判断を確定させていく存在である。
どれほど強く思った決意も、
時間が経てば揺らぐことがある。
言葉だけの約束は、
簡単に書き換えられる。
だからこそ人は、
ときに
「消えない場所」に
意味を置こうとする。
それは他者に見せるためというより、
むしろ
自分自身が忘れないための行為に近い。
一度刻んだものを、
簡単には取り消せないという条件が、
判断の重さを固定する。
考えてみれば、
私たちは日常の中でも、
同じことを繰り返している。
どの仕事を引き受けるのか。
どの関係を続けるのか。
どの道を選び、
どの道を手放すのか。
その一つひとつの選択が、
時間の中で積み重なり、
やがて
その人の輪郭を形づくっていく。
セルフデザインとは、
外見を整えることではなく、
選択の履歴を設計することなのだと思う。
人はなぜ、
身体に意味を刻もうとするのか。
それはおそらく、
自分がどんな人間として生きるのかを、
どこかで
確定させようとする衝動があるからなのだと思う。
そしてその衝動こそが、
人類がずっと続けてきた
「自分を設計する」という行為の、
もっとも象徴的な形なのかもしれない。
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