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【S6|外伝】人はなぜ、身体に意味を刻むのか(前編)


人はなぜ、身体に、顔に、そして生き方に、
痕跡を残そうとするのだろうか。


街を歩いていると、
ふと目に入ることがある。
タトゥーだ。

良いとか、悪いとか、
似合っているとか、
そういう話ではない。

人はなぜ、
服ではなく、
皮膚にまで
意味を刻もうとするのだろうか。

服は、取り替えることができる。
場面に応じて選び直すこともできる。
社会に向けた表現として、とても合理的な媒体だ。

しかし皮膚は違う。
一度刻めば、簡単には戻らない。
そこには、
「変えられない履歴」が残る。

考えてみると、
この違いはとても大きい。

服が社会に向けた表現だとすれば、
皮膚に刻まれるものは、
自分自身への宣言に近いのかもしれない。

タトゥーという行為は、
特定の時代や地域にだけ存在する文化ではない。

世界の多くの地域で、
それぞれ異なる意味を持ちながら、
しかし共通した形で存在してきた。

所属を示す印。
通過儀礼の証。
覚悟を示すしるし。
あるいは、
人生の節目を刻む記録。

装飾というより、
生き方を身体に固定する行為に近い。

さらに興味深いのは、
この行為の多くが、
痛みを伴うということだ。

わざわざ痛みを通過してまで、
人は意味を刻もうとする。

それは、
意味を「理解する」だけでは足りず、
身体を通して確定させようとする、
人間という存在の性質を
示しているのかもしれない。

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