【S4|未来感の編集】問いを深める知──科学とデザインのあいだで #2
第2話|科学という信仰──理性はなぜ疑われなくなったのか
1.信頼される知
科学は、現代社会において最も信頼されている知の形式だ。
仮説と検証、
再現性、
客観性。
それらは、世界を正確に説明するための強力な道具として機能してきた。
科学は、「正しさ」を語る言葉として
人々の拠りどころになった。
2.疑われないという状態
科学が特別なのは、その精度の高さだけではない。
疑うことを前提とした方法でありながら、結果として疑われにくい立場を手に入れたことにある。
科学的である、という言葉は、正しい、合理的だ、という評価とほぼ同義になった。
いつのまにか、科学そのものを疑う視点は後景に退いていった。
3.仮説の上に立つ世界
科学が扱う理論は、完成した真理ではない。
それらはすべて、現時点でもっとも妥当だと考えられている仮説の集合だ。
新しい発見によって、常識は更新され、説明は塗り替えられる。
科学が積み上げてきた世界は、確かな基盤のように見えて、
つねに仮定の上に立っている。
4.信仰としての構造
それでも私たちは、科学を揺るぎないものとして扱ってしまう。
その振る舞いは、どこか信仰に似ている。
科学は、意味を与えないとされるが、実際には世界を理解するための強力な意味装置として機能している。
科学は、信じる対象ではないはずなのに、信じられてきた。
5.疑うための知へ
ここで言いたいのは、科学を否定することではない。
むしろ、科学が持つ本来の強さを取り戻すことだ。
疑うために生まれた知が、疑われなくなったとき、問いは止まる。
この連載では、科学をもう一度
問いの側に引き戻したい。
デザインという視座から。
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