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【S4|未来感の編集】問いを深める知---科学とデザインのあいだで #3

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第3話|見えない過去、測れない未来──科学が切り取る断面

私たちは、断面しか見ていない。


1.生きていない過去

考古学が扱う化石は、生きていた瞬間そのものを語らない。
そこにあるのは、時間を経て残された痕跡だ。

地層もまた、過去そのものではない。

現在から切り取られた、ひとつの断面にすぎない。

誰もその時代を生きていない以上、
確証はどこにも存在しない。

2.推定としての理解

私たちは、限られた情報から過去を推定する。

形や配置、周囲との関係。

そこから、もっとも妥当だと考えられる説明を組み立てる。

科学は、過去を再現しているのではない。
過去について、説明可能な形を与えている。

3.未来はさらに不確かだ

未来は、過去よりも測りにくい。

物理学の方程式は、条件がそろえば同じ結果を導く。

だが自然は、つねに条件どおりには振る舞わない。

ゆらぎ、
偶然、
想定外。

未来は、計算の延長線上にそのまま現れるわけではない。

4.切り取られる世界

科学が扱うのは、世界のすべてではない。

観測できる範囲、
定義できる条件、
再現できる現象。

それらを切り取り、扱いやすい形に整えている。

問題は、その切片を全体だと思い込んでしまうことだ。

5.断面として知を扱う

科学は、世界を理解するための極めて有効な方法だ。

ただしそれは、部分的な理解である。

過去も、
未来も、
完全には捉えられない。

だから知は、つねに未完のまま更新される。

この連載では、科学を絶対解ではなく、
断面として扱っていきたい。

次の問いを残すために。

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