#152 本気の男はマッチングアプリで女性をこう絞る
マッチングアプリには、2種類の男がいる。
アプリに残る理由を探す男と、アプリを消す理由を探している男だ。
遊び目的の男は、出会いを増やしたい。だからアプリに残り続ける。
本気の男は逆だ。早くこの消耗戦を終わらせたい。だから——ここが今日の核心だが——
本気の男が探しているのは、「最高の女」ではない。「探すのをやめられる女」だ。
以前#117で、男が女性のプロフィールをどう見るかを書いた。今回はその先、本気の男だけがやっている絞り込みを、順番に開示する。
あなたが「なんか進展しない」と思っている裏で、本気の男たちは静かにふるいを動かしている。
1位 プロフィールは「加点」ではなく「矛盾」を探す
遊びの男は写真だけ見て、いいねを量産する。
本気の男は数を打たない。会う時間が有限だと知っているからだ。そして彼らがプロフィールで最初にやるのは、加点ではなく矛盾探しである。
「真剣な出会いを探しています」——なのに写真が全部、夜の飲み会
「落ち着いた関係が理想」——なのに趣味欄がイベントと旅行で埋まっている
「貯金を頑張ってます」——なのに写真の背景が毎回ホテルラウンジ
一つ一つは問題ない。本気の男が見ているのは、文章と写真のどちらが本音かだ。
そして彼らは知っている。文章は理想を書く場所で、写真は生活が写る場所。矛盾があれば、写真の方を信じる。
2位 返信の速度ではなく、「質問が返ってくるか」を数えている
女性は「返信が遅いと脈なしと思われる」と焦る。
本気の男が数えているのは、速度ではない。
自分の質問に答えた後、あなたから質問が返ってきた回数だ。
「休日何してるんですか?」「カフェ巡りです!」——ここで終わる女は、丁寧に脱落していく。
本気の男にとってメッセージは、盛り上がるかのテストではない。「この人と会話を続ける未来があるか」の試掘だ。質問が一方通行の相手との未来は、沈黙か、尋問かの二択になる。彼らはそれを、会う前に知りたい。
返信が半日遅れても、質問が返ってくる女は残る。秒で返ってきても、会話が行き止まりの女は消える。
3位 日程調整で、「生活」を見ている
意外に思うかもしれないが、本気の男にとって最大の審査項目は、デートの中身ではない。
デートが決まるまでの過程だ。
「いつ空いてますか?」「うーん、また連絡します」——保留が続く。 「金曜どうですか?」「たぶん大丈夫です」——前日まで確定しない。 決まった約束が、当日の朝に動く。
本気の男はここで静かに判定する。日程調整は、二人でやる最初の共同作業だからだ。
初デートの前から、共同作業はもう始まっている。
予定ひとつ決められない相手と、住む場所や結婚式の日取りを決める未来を、彼らは想像できない。逆に「金曜なら19時以降いけます。場所どの辺がいいですか?」と返せる女は、この時点で最終候補に入っている。
4位 「盛り上がったか」ではなく「疲れなかったか」で採点する
初デートの後、遊びの男と本気の男は、まったく別の振り返りをしている。
遊びの男:「盛り上がったか」「いけそうか」
本気の男:「疲れなかったか」
会話が弾んだかより、沈黙が気まずくなかったか。楽しませてもらったかより、素の自分でいられたか。
なぜなら本気の男は、デートの延長ではなく生活の試供品としてその2時間を見ているからだ。週末の3時間は頑張れても、毎日の食卓は頑張れない。
だから、必死に盛り上げてくれた女より、何もない時間が平気だった女の方が、次に呼ばれる。頑張り屋のあなたが「手応えあったのに連絡が来ない」のは、盛り上げすぎたせいかもしれない。
5位 最後にやるのは、「この人で、探すのをやめられるか」の自問
そして最終選考。本気の男は、あなたと誰かを比べていない。
あなたと、「まだ見ぬ誰か」を比べている。
「この人はいい。でも、もっと合う人がいるかもしれない」——アプリは常にこの誘惑を流し込んでくる。次の候補が、スワイプ一回分先にいる場所だからだ。
ここで決められる男の思考は一つ。
「100点を探し続ける人生より、この人と80点を育てる人生」
つまり本気の男の最後の質問は、「この女は最高か」ではない。
「この人となら、探すのをやめて後悔しないか」だ。
あなたがやるべきは、100点に見せることではない。「この人と育てていけそうだ」と思わせる、伸びしろのある80点でいることである。
皮肉:本気の男を切っているのは、女性自身かもしれない
最後に、耳の痛い話をする。
本気の男のメッセージは、正直、あまり面白くない。
質問が現実的だ。仕事のこと、休日の過ごし方、将来住みたい場所。デートの誘い方も飾り気がない。
一方、遊び慣れた男のメッセージは楽しい。褒め方が上手い。話題が軽快で、ときめかせてくれる。
ここでハッとしてほしい。
ときめかせるのが上手い男は、それだけ「練習量」が多い男だ。
あなたが「面接みたい」「つまらない」と切った男の中に、本気が混ざっている。あなたが「話してて楽しい!」と残した男の中に、その楽しさを何十人で磨いた男が混ざっている。
面白さで絞ると、練習量の多い男が残る。誠実さは、たいていの場合、少し不器用な顔をしてやってくる。
女性側の最適解
本気の男に「見つけられる側」になるには、4つでいい。
プロフィールの矛盾を消す——文章と写真の言い分を一致させる。盛るなとは言わない、矛盾させるな(作り方は#117参照)
もらった質問には、答え+質問返しをセットにする——会話の投資に、利回りを見せる
日程は具体で返す——「また今度」ではなく「金曜19時以降なら」。最初の共同作業で点を取る
「面白くない誠実」を、3通で切らない——不器用な質問の裏にある本気を、もう2通だけ読んでみる
最後に
マッチングアプリで本気の男に選ばれる方法は、突き詰めれば一つしかない。
彼らはときめきを探していない。刺激も探していない。
「この人と出会えたから、もう探さなくていい」
その安堵を探している。
選ばれる女になろうとしなくていい。
男が探すのをやめたくなる女——つまり、隣が終着点に見える女でいればいい。
アプリを消す指は、いつも、そういう女の前で動く。
辛口ペンギンでした。
