倫理のコスパ: スムーズに生きるための自動化パターンの話
僕らの頭の取説:
認知心理学のワーキングメモリにしろ、アメリカの心理学者ジョージ・ミラーの研究論文『マジカル ナンバー7±2』にしろ、ダンバー数(150人とされている。 1人の人間が親密な関係を維持できる人数の上限のこと)など、共通するのは、我々は生き物として制約があるということです。
肉体の制約と上手く共存する方法:
曹洞宗僧侶藤田一照さんが仰る「目的を横に置いて座禅すること」は、マインドフルネス状態を意識せずに保つ訓練だと、私には見えます。
私自身、生き延びる上で、認知行動療法の7コラム法(反証があるやつ)をドリルのように反復して、自分のパターンを理解し少しずつ変えた経験があります。だから、考えずに行えるまで訓練することの値打ちは分かるつもりです。
倫理とは?:
義務論と功利主義と統合主義倫理が分かる方は、そうそれです。
こほん。
倫理とは正しいことを言うことでしょうか?
そもそも正しいとは何でしょう?
例えば、皇帝ペンギンのお父さんが、飲まず食わずで卵を温めている時は、生き延びて奥さんの帰りを待ってひなが孵化することが「正しい」かもしれません。
それをNetflixのドキュメンタリーで視聴したニシキヘビは「あれは美味しそう。大きいし、栄養ある」と感じることがニシキヘビとしては正しいかもしれません。
「うちの居間に知らない蛇がいる」と通報されて駆けつけた警察官や、保健所の方は、ニシキヘビを連れて帰ることが仕事として正しいので、皇帝ペンギンの家族は安心して眠れます。
このように、前提や文脈を確認しないと「正しいから正しいんだよ」と循環論法に陥るかもしれません。それは摩擦が起きます。
常識のこと?:
私にとって倫理とは可能であることと、すべきで無いことを区別する指標です。
我々は車を運転するときに何をしてはいけないか、理解できるのは倫理を理解しているからですよね。お台所に刃物はあるけど、全国で武装蜂起みたいな規模で包丁を持って怒っている人々が現れたら、警察官や自衛官もびっくりです。我々は、そういうことしませんよね。
認知資源を効率化するための倫理:
「当たり前だよ」ということを、自動で考えられると、認知資源をフル活用できます。
対して、Les Misérablesのテナルディエみたいに悪を楽しむとか、陰湿ないじめを行うバレなければいいタイプとか、バレたら罰金払えばいいっしょという競争のスピード特化タイプ。人の意見は色々です。
これを企業に拡大してみましょう。もし、巨大テック企業が、独占禁止法などを追求されることを25年前に予見して対策できたら訴訟の対応コストが減ります。著作権の問題も同じ。イノベーションは確かに社会を変えるから、訴訟が起きることは仕方ないのですが、法整備が無くても「倫理的な行動なのか」を指針にすると、摩擦が減らせます。
倫理も緩やかに変わりますが、法律よりも広い概念なので、その時点の最善を尽くしたことを証明しやすいので保険にもなります。
具体的には:
これは個人の場合、倫理的では無いことはしたくないように自分を訓練しようとする人は認知資源が多く使えます。その上、AIを複数組み合わせて活用し、組織で競争します。
Les Misérablesのテナルディエは面接で落ちます。業務提携できません。陰湿ないじめを行うバレなければいいタイプは、法令遵守の観点でチームのアキレス腱です。その上「これは倫理的。これはグレーだから叱られない」と、毎回の認知資源を使うと、自然に倫理的に行動できる人と比べてスピードが遅くなります。その差をAIで拡大するので、格差がつきます。
だから、倫理はプラグマティズムであり、生存術としてコスパが良いのです。
哲学が論理的なスクワットなら、倫理は自律的なスクワットです。叱られるから、罰せられるから、褒められるから、報酬があるから、ということに振り回されず、あなたの持ち時間を最適化すれば試行回数が増えるので、成功する確率高まりますよね?
ミニマリズムが好きな方も、相性いいはずです。なぜならば原理原則を理解すれば、無数の他人や社会からの「こうすべき」って優しいおせっかいを無効化できます、シンプルですよね。
自由を愛する方は、その根拠の責任を即座に言語化するのに倫理を使えるから、より自由になります。
まとめ:
皇帝ペンギンとニシキヘビと警察官と保健所の方のどなたが絶対に正しいかではなく、それぞれの状況での最適解を出しますよね。それが、他の人が引き金引くより早く出せたら、圧倒的に有利にならないですか?
コスパが良くて、チャンスを増やせて、シンプルで、自由と関係するのに、無料。僕はお得だと思う。だから、ここに置いておきますね。
Q & A
Q: 倫理はコスパかかるでしょ、実施するのに。
A: 禅や認知行動療法のように、考えずに行えるから認知資源は負担が減ります。
Q:それを習得するコストは高いですよね?
A:車の運転免許や英語の学習と同じように、習得するのにコストは必要です。ただし、自動車の教習所のような仕組みを利用せず、図書館などで信頼できて相性の良いテキストから学ぶことで、時間と労力さえあればお金はかからない点は魅力です。
Q: どんな本から学べばいいの?
A: この「レファレンス協同データベース」にアクセスして「倫理」で検索すれば、全国の図書館で実際に質問された内容とその回答を確認できます。
簡易検索結果一覧 | レファレンス協同データベース
なお、スマホでこのエッセイを司書さんに図書館でお見せして、「このテーマに近い本を教えてほしい」と相談すると、親切に案内してくれます。検索エンジンで出てこない情報もあるし。
【巻末資料】
もっと自分で倫理や認知資源、思考のクセについて整理したい人へ:
過去にnoteで紹介した、認知行動療法の信頼できる資料&無料マニュアル集があります。倫理を「考えなくても選べる行動パターン」として自分の中に根づかせるための参考になるかもしれません。
Photo by Pixabay from Pexels:
https://www.pexels.com/photo/black-mountains-under-the-stars-at-nighttime-355465/
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