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暴力・トラウマの世代間連鎖は、文化・アサーション・無知のベールに希望があると感じる、私の背景

イソップ童話みたいですが、2人とも実在し、僕にとっては大切な祖先です。戦場での経験と、満鉄での仕事や抑留と引き揚げ船などの経験は次元が異なると思います。けれど、Bが心を壊さずに済んだのは、美を感じて言葉で共有する文化への敬意によると思います。

出典: 暴力か風雅|Trgr / カラストラガラ | 哲学をコードするオープンソース倫理エンジニア | フォロバ100
URL: https://note.com/karasu_toragara/n/n2397611d4ff8

はじめに


これは世代間トラウマの人文系なバグレポートです。


不運や不幸は数え切れず歴史にも残らない

ホモ・サピエンスの歴史の中で、名前を残しているのは一部の方が多いです。ヘロストラトスのように歴史に名を残すことを目的化する例外もいますが、大多数は忘れ去られます。僕の曽祖父母のように。1000年単位で考えると、孫子やアリストテレスはおそらく残るとして、ピカソですら保証は無いです。だから、血と涙を流した無数の先人がいるはずだけど、統計的に推測するしかありません。同じ大地にいたはずなのに、空の星より遠い。

だから、僕の個人的な不運に陶酔するつもりはありません。プログラムのバグレポートのように、「社会のここおかしいっす」と言葉にすることで、可視化することで、再発予防が可能になると考えています。

歴史から学べないことも現実だけど、歴史に記録されなければ学ぶことは極めて困難です。

母の不幸は父に恵まれたこと

例えば、母方の祖父、母、私と三代片親です。すると、「当たり前」がかなり変わります。祖父は姉を母代わりに育っており、現代人の私の目から見ても、女性に無礼なことをしない人でした。その父を自己形成に影響を受けて大人になった母は、育児も家事も仕事もこなし倫理観が高く精神的に自立した存在が、例えば昭和40年代の日本では珍しいことを見落としています。

対して、家庭内暴力の酷い裕福な家で育った父は、暴力の世代間連鎖を断ち切ったのは尊敬しますが、昭和の学者馬鹿といいますか、専門以外残念な人でした。悪い人ではないのですが、少年時代の困難が解決できておらず、父・夫をする前に、なぜ安心すると幼児的に・幼稚になるのかを、専門家と話し合うと人生が変わったと思います。

母は、大人の男性の前提は彼女の父だから、夫を理解するのは困難でした。

母方の祖母は、リーダーシップのある女性でした。だから生き延びてくれれば、母は祖母から文化を継承出来たでしょう。これは、本人も自覚出来ます。けれど、母にとっての「環境」である父(母方の祖父)が、稀なケースだと気がつくのは困難でした。

タイムマシンがあるなら、説得する

一族の関係性を整理した私の視点では、不幸な組み合わせだと思います。例えば、過去はどうあれ子ども生まれたし、子ども中心に協力しよう、とは切り替えられないので、母のワンオペになります。

簡単な話、現在の私から見て、父は「年下の男性」ですし、彼に分かるように話せるから、ある程度支援出来ると思います。

しかし、現実では―

  • プライバシーの問題があるから立ち入れない

  • 本人達が支援が必要だと理解していない

  • 1980年代の日本では相談できる相手も限られる

  • 親戚は父と母が昔の水準で学歴が高いので、妬んだり足を引っ張られるため相談できない

  • 父方の祖父は家庭内暴力がひどく論外

  • 母方の祖父は共感能力が高すぎて傷つき混乱するため論外

  • 離婚も考えたが困難だった

母も、戦後の田舎の貧困を経験しており、忍耐心がどうかしており、話を聴いてもらえたら人生が変わったでしょう。父は、病気を発症する前の時点で、人として偏り過ぎており精神的に自立できていないので、支援がいると思います。

健康な方が健康なうちに予防的に相談する難しさ

秘密が守られ、激務の合間に面談が出来て、認知行動療法のように考え方のクセを変える練習をしたり、つらい体験の扱いを覚えたり、夫はどんな役割なのかを理解するなど、大人になりそこね、仕事だけ結果を出せている人物が支援を受けるのは、現代も不可能でしょう。本人は理解していないのですから。ただ、ここを対処する方法を見つけると、パートナーの対話の質だけでなく、メンタルヘルスの問題を抱える方を減らす可能性があると思います。

プライバシーの問題、ご本人が支援を必要とされていないこと。例えば、僕の文章のように、無料でネットで読めて「ネットで読んだけど、変わったお父さんの息子が言うには」みたいに、他人事として読んでいただくと、傷つく方を出しにくく、思い当たる方は相談窓口を探すかもしれません。

市民相談でも法テラスでも、相談しようと思いさえすれば、窓口に繋いでくれますから。

違いすぎる両親という「環境」の通訳者

僕はそんな両親が「普通」だから、思春期になり読書量や理解力が増え、友達と深く話せるようになるまで、問題だと理解していませんでした。なぜならば、私は両親とコミュニケーションできるので、自然と二人の通訳をしていました。母の用意した食事を食べないこともあるのに、生協のキャラメル味のポップコーンを下の子を膝に入れて、二人で食べている様子を見て、なぜ母は父が子どもだと分からないのか、小学生の僕には分かりませんでした。

  • 相手に分かるように話すこと

  • 共通言語を見つけること

悪人を害意のある人だとします。父も母もその意味で悪人ではないし、暴力は嫌いな人です。ただ、育った環境が違い過ぎて詰みました。僕が高校生になるまで父が持ちこたえてくれれば、出来ることは増えるけど、昭和の医療ですし、彼の限界だったと思うので、生きてくれとは残酷で言えないです。

父のトラウマ

  • 父方の祖父の家庭内暴力(戦争でおかしくなった)

  • 裕福な家なのに中学になるまで近眼だと理解されず馬鹿扱いされる(父が)

  • 祖父から守ってくれ、「お前は馬鹿ではない」と九九を教えてくれた、父親代わりの兄が統合失調症で倒れ庇護者を失う(10歳頃)

  • 自宅で泣くと祖父に殴られるため、いじめられても家の近くで泣き止んでから帰宅した

  • 14,5歳でメガネをつけ黒板が見えるようになり、馬鹿ではなかったことが嬉しくて発奮して、偏差値一番高い工業高校に入る(ここで実家の扱いが変わる)

どう予防するか?

簡単な話で、家庭内暴力で子どもを苦しめないことが、最大の予防になるでしょう。祖父の場合、兵士のPTSDの概念が無かった。トラウマを負って自覚がない大人を支援するより、トラウマを負う確率を下げることと、負っても支援しその子が望む幸せを目指せることが理想です。

世代間のトラウマや暴力の連鎖のこと

では、現代、虐待はいけないと分かっていても、暴力をやめられない大人はどうしたらいいのでしょう。僕には薬物依存と似て、個人の努力だけでやめられない問題に思うのです。

子どもの安全が最優先です。そのために、問題の無い方はいないので(完璧な人はいないから)、仮に家庭内暴力を起こす傾向があったとしても、不活性化できれば断ち切れます。父は弱虫な面があるけど、暴力の連鎖を断ち切ることは、妻の助けで出来ました。

うちの大人になれなかった父でも出来たのだから、解決の道はあると、私には思えるのです。これでは精神論だから、何があれば家庭内暴力が起きにくいのか、例えばアサーションを練習して安心してNOと言い合えるようにするなど、具体的な方法論に落とし込むと、悲しみを増やさずに済みます。

生老病死といいますが、生きることは苦しく悲しく淋しい側面があるのだから、人間がわざわざ悲しみを増やすことは無いと思うのです。

コールセンター業界で指導した経験では、他人の立場に立つことが苦手な方はいて、指摘したり説明しないと「見えない」タイプもいます。他のことが秀でているとか、訓練不足なことが多いです。だから、ジョン・ロールズの『無知のベール』を試すと、どの立場でも困らないように考える必要があるので、相手の立場を考える訓練にもなるでしょう。言い換えると、自分の前提を横に置いて、状況を観察する技術です。

アサーションと『無知のベール』だけでも、練習すると家庭内暴力を減らせるように僕は思います。少なくとも、父方の祖父に練習させると、効果はあると思います。トタンの廃材でジョウロを作る手先の器用な人で、職人さんを雇わずに古典的な日本庭園を小さな庭に作る、自然が好きな人でしたから、練習する余地はあります。家庭内暴力を振るった父方の祖父自体も、邪悪な人ではなく、何度も徴兵され生還し、壊れてしまった人なのです。

父が死に、自分の家庭内暴力を忘れ、「自慢の息子」だと思っていた父方の祖父は、強い衝撃を受け、老け込み一回り小さくなったように、12歳の私には見えました。


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三澤直己 | カラストラガラ / Trgr | フォロバ100% ここまでお読み下さり感謝。各種SNSでのシェアも励みになります。非営利の取り組みが多いため、チップのご検討、助かります。

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