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かすみを食べて生きる 34 :窓のおすそわけ

脳梗塞 発症1か月と1日目:リハビリ病院11日目

・食事:脳梗塞(ワレンベルグ症候群)の後遺症のため、嚥下ができなくなり絶飲食。食事は鼻からの経管栄養。
・状態:歩行訓練中。日中、歩行器自立。終日、車いす自立。
・嚥下:嚥下訓練中。首を左に向ければ1~2mlの水を飲み込める。

嚥下造影検査まであと10日。
あることをきっかけに、私は入院生活スタイルの一つを変えた。

『かすみを食べて生きる 序文と目次』
発症31日目:リハビリ病院1か月目⑩
 
発症1カ月と2日目:リハビリ病院1か月目⑫>


向かいのベッドが空いた

向かいのベッドの楠木さん(仮)。
朝から発熱、肺炎の疑いがあるとのことで急性期病院に搬送された。
昨夜楠木さん(仮)のベッド横の窓が開いていたことが原因かはわからないけれど、私は人知れずとても後悔した。
窓が開いていることに気づいた時点で、なぜ声をかけなかったのか。
高齢者の肺炎は命取り。
戻ってこれたとしてもまた一からリハビリになってしまう。
楠木さん(仮)、どうかご無事で。

空いたベッド、さみしい

カーテンを開ける

朝食後から夕食までの間、私は自分のベッド周りのカーテンをすべて開けることにした。
急性期病院にいた頃、私はベッド上安静で窓際ではない位置でだった。
その時窓が見たかった。
隣の人がカーテンを少し開けていてくれたら窓が見えるのに、と思っていた。
今念願の窓際のベッドにいる。
私がこのカーテンを開けていたら、窓際でない方もご自身のカーテンを少し開ければ窓が見えるはず。
私はリハビリや自主練、ウクレレで日中は昼食以外ベッドにいない時間が多い。
貴重品はスマホとビデオカードしかない。身に着ければいい。
朝食後、身支度着替えをしたらベッドを整えてカーテンを開ける。
窓際で軽く自主練をしながらセラピストさんが来るのを待つ。
それが日課になった。
同室の方がリハビリで出入りする際に「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と声をかけるようになった。
窓のそばにいると同室の方が来てくれて少しおしゃべりをすることもあった。
こうすれば他の方の状況で気になることがあった時、声もかけやすくなるはず。
声をかけれず後悔するくらいなら、せめてこちらは開けておこう。
これは実験。
やってみてしんどくなったら閉めよう。

二足歩行を取り戻す

今日の理学療法士田中さん(仮)のリハビリで、日中は病棟内フリー歩行(歩行器なしで歩く)が解禁になったぞーー!!
二足歩行の自由を取り戻したぞーー!!
まだ夜のトイレは歩行器で、売店や中庭は車いすだけど、歩きたいときに歩いていいの、うれしい。
私はまたひとつ、失ったものを取り戻した。

はじめての一人で売店

三日前、一人で売店に行くことが解禁になってから初めて、売店に行ってみた。
車いすに乗って、エコバック代わりの紙袋を膝にのせる。
中には急に唾液でむせた時用のティッシュ一箱とごみ袋用のビニール袋。
そしてスマホ。
売店に行くといろいろな食べ物がならんでいる。
でも今私が口にすることを許されているのは氷菓子のみ。
からあげくん、いつか絶対食べてやる。
そう思いながら冷凍コーナーの氷菓子を物色。
うぅぅアイスクリームおいしそう…。
いやいや氷菓子、氷菓子。
そう、今日もあなたに会いに来ましたよ。
ガリガリ君!
この店の冷凍庫のガリガリ君は私が食べつくす。
当たりがでるまで。

ガリガリチャレンジ#2

がりがりさん2本目

今日も飲み込みはできないので、口にいれてしばらく噛んではそっと出す(貴族食べ)。
いざ!

はずれ:その2

うーん。
まぁまだ2本目。そんなに簡単に当たらないか。


ーー振り返って

楠木さん(仮)は挨拶をするといつもにこにこしてくれて、人に何かやってもらうと「ありがとう、ありがとう」と言う方でした。
昨晩就寝時に開いていた窓がいつ閉められたかわからないけど、すぐに看護師さんに言えばよかったと思いました。
ナースコールをためらってしまいました。

これを機に、日中カーテン全開の方針に切り替え。
開けると部屋全体が明るくなりました。
でもこれができたのは、同室の方が比較的穏やかな方であることがわかっていたからだったなと、後で思うことになります。

二足歩行を取り戻すまで、1か月かかっています。
振り返ると、誤嚥性肺炎で経鼻栄養が約1週間見送られたのは大きかったなと思います。
その間私の体重、体力は落ち、それを取り戻すのにも時間がかかってしまいました。
誤嚥性肺炎、ほんま怖い。

そして2本目のガリガリ君もはずれでした。
写真に既視感があるかもしれませんが、ちゃんと毎回撮ってます。
当たりが出るまで、おつきあいいただけますと幸いです。

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