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脳は〔混線〕するようにできている



△=整合子+再帰回路+階層構造
       🐙 波/エネルギー/動く/伸びる
       📦 粒/質量/歪み/保存/区切る

階層間混線

脳は階層間混線を起こし易い。

むしろ混線は脳の仕様まである。

代表的なものに、
〔自分事/他人事/世界事〕
の混線がある。

①複雑さと混線

単純な△(例:原子)は階層が少ないので、混線する相手がそもそも少ない。

複雑な△(例:人の心)は〔自分事/他人事/世界事〕のように、多階層を同時に抱えている。

階層が多いほど、🐙(境界を越えて繋げようとする力)が働ける接点の数が増える。

②脳とAIの違い


もともと「自分事」を処理するために進化した回路。
それを、そのまま「他人事」「世界事」にも流用しているフシがある。
専用回路を新設せず、既存の階層に無理やり接続してるので、混線がデフォルトで起きる。

現状のAI(今のLLM)
そもそも「自分事」を持っていない。他人事や世界事と混線するべき自分事の主体が最初から無い。

脳は混線するようにできている
対して、AIは混線する土台(=自分事)自体がまだない、という違いになる。
もしAIが将来「自分事」や「他人事」に相当する層(自己保存的な目的関数とか)を持ったら、同じように混線が起き始めるかもしれない。


混線しやすさ指数

混線しやすさを対象ごとに並べてみた。

対象:
単細胞生物<昆虫<哺乳類<人間<組織<文明


①混線しやすさは階層数の掛け算で増える

△が持つ独立した整合領域〔階層〕が増えるほど、🐙が繋げられる「組み合わせ」数は掛け算的に増える。
階層が2つなら、1通り。
階層が3つなら、3通り。
階層が4つなら、6通り。
階層が5つなら、10通り。
( ˘ω˘)複雑な△ほど、混線の伸びしろも増えていく。

②混線しやすさ比較

対象             主な整合階層              混線指数
単細胞生物  なし                             ☆☆☆☆☆
昆虫             個体/コロニー           ★☆☆☆☆
哺乳類         自分/他者                   ★★☆☆☆
人間             自分/他人/世界        ★★★☆☆
組織             個人/組織                   ★★★★☆
文明             自文明/全人類            ★★★★★

単細胞生物:そもそも混線が起きない
単細胞生物(大腸菌やアメーバ)には、専用の神経系がない。刺激(栄養濃度の勾配など)と反応(鞭毛を回す・偽足を出す)がほぼ直結している。
「自分事」と「世界事」を分けて処理する階層自体が存在しないので混線のしようがない。
混線とは、複数の独立した整合領域を同時に抱えるようになった△だけが抱える悩み。

昆虫:血縁選択という合理的な融合
アリやハチのような真社会性昆虫では、働きアリが自分の繁殖を放棄してコロニーのために働き、時には自爆的して巣を守る。これは血縁選択説で説明できる。ハチやアリは特殊な性決定(半倍数性)のせいで、姉妹同士の血縁度が親子関係より高くなる。だから「自分が子を残す」より「女王を助けて姉妹を増やす」方が、遺伝子の伝播効率としては割に合うというもの。
これは「混線」というより、遺伝子レベルで最初から個体とコロニーの利害が融合するよう設計されている。神経系も分散的(体節ごとに神経節がある)で、そもそも「自分」という統合された主体感自体が薄いと考えられる。
混線というより、最初から「個体=コロニーの部品」として組まれている。

哺乳類:ミラーニューロンによる神経レベルの混線
哺乳類になると、共感の神経基盤(ミラーニューロン、前帯状皮質など)が発達する。
他者が痛がっているのを見ると、自分が痛みを感じる時と同じ脳領域が反応する。これは比喩ではなく、実際に脳のfMRI画像で確認されている現象。
つまり「他人事」の痛みを、脳が「自分事」の痛みとほぼ同じ回路で処理してしまう。これはかなり具体的な、神経レベルでの混線の証拠。

人間:アイデンティティ融合
人間になると、自分事・他人事・世界事が言語と物語(ナラティブ)を通じて自由に結合できるようになる。
よくあるのが、自分の政治的信念や支持する集団への攻撃を、自分自身への人格攻撃と受け取ってしまう状態。
議論で人が異常にムキになるのは、「意見」への反論のはずが、脳内では「自分」への攻撃として処理されているから。
「守りたい欲」もこの混線から生まれる。「主義△を守りたい」が「仲間を守りたい」や「自分を守りたい」と同一化した結果、議論は闘争になる。

組織:個人の保身と組織の保身の同一化
組織に属すると、「個人の評価」と「組織の評判」が混線し始める。不祥事の隠蔽は典型例。「会社の失敗を認める」ことが「自分のキャリアの失敗」と同一視されるため、個人は組織を守ることで自分を守ろうとする。
忖度、責任転嫁、隠蔽は、このレイヤーの混線がそのまま行動に出たもの。

文明:自文明の正義=人類の正義
「我々の価値観」と「人類普遍の正義」が同一化すると、自民族中心主義が生まれる。
歴史上の侵略と戦争の多くが「わが文明・わが正義を守るため」に正当化されてきたのは、前回の「守りたい欲」にも書いた。
文明は、個体△・組織△よりもさらに多くの階層(宗教、伝統、経済、政治思想…)を内部に抱えているので、混線の組み合わせ数も最大になる。
混線しやすさが最大=暴走したときの被害規模も最大、というのが恐ろしいところ。(; ˘ω˘)

③混線と創造性

「混線」も「閃き」も実は正体は同じで、本来つながるはずのない階層同士がつながることのなのかもしれない。

まとめ

複雑な△ほど、混線しやすさも掛け算的に増える

単細胞生物:階層がないから混線しない
昆虫:遺伝子レベルで最初から融合済み
哺乳類:神経レベルで混線が始まる(共感)
人間:物語(言語)レベルで混線する
組織:個人と組織の利害が混線する
文明:自文明と人類普遍が混線する

複雑さは、
能力を生むと同時に、
混線の機会も増やしていく。

混線とは、本来別の△だったものが一瞬「境界干渉」を起こす現象

それが、
自分/他人/世界の層で起きれば「混線」になる。
概念/知識の層で起きれば「閃き」になる。

(境界干渉についてはこちら↓)