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「時をかける名刀」展を見て①

朝横浜を発ち11時前に名古屋へ到着。
土地勘が一切ないので真っ先にタクシーで徳川美術館へ。その後は刀剣徳川(刀剣店)さん、名古屋刀剣博物館へ行く予定なので時間との勝負でもある。
名古屋駅から20分ほどで到着。

遂に人生初の徳川美術館…!

世が世なら尾張徳川二代当主光友の別邸「大曽根下屋敷」に足を踏み入れている事になる。
時代は違えど同じ場所にいる。
なんというロマンだろうか。

門をくぐり真っ直ぐ歩くとありました。
事前に目録を見ていただけに楽しみです。

いざ中へ。


①中はユニークな作り

トーハクのような通常の美術館を想像していたのだが中は実にユニークな作りで、例えば以下のような茶室を再現した場所などもあり展示室そのものに変化があり楽しい。
以下はへうげものの古田織部が清洲城の古材を用いて建てたものと伝えられた猿面茶室の復元。

多くの人が素通りする中、これはー!と1人心躍っていた場所。
そう、茶室独特の刀掛けがあるのです。
(ここにある刀は勿論偽物)

古田織部考案か?

その他にも以下のような場所があったかと思うと…

展示室の移動で中庭が見えたり…

洒落た天井が現れたり。展示品が空間と共に変わるのはなんだか実に面白いです。


②個人的に気になった展示品など

ざっくり書くと前半は刀装や刀装具が多く、後半、本館に移動してからメインの名刀が並んでいました。
名品ばかりで1日で書ききれないので、後半の刀部分は②にまわそうと思います。
なので本館までに並んでいた刀装中心に気になった作を挙げていきます。

・吉用の飾太刀拵

飾太刀拵は宝石を散りばめたり金板を透かして鞘に巻き付けた物が多い。この飾太刀拵も同様だが細工が頗る細かく今まで見てきた飾太刀拵の中で1番華やかな印象。個人的にはやはりこうした一級品は後藤家が制作しているのではないかと予想している。
江戸初期ごろであれば5代徳乗や6代栄乗あたりだろうか。
その他だと桃山ごろの天皇佩刀の飾太刀拵(重美)に感銘を受けた事があるが、そちらも同様に最高峰の金工により金具が制作されている。

柄には5色と思われる宝石が埋め込まれている


・美しい刀掛け

拵もさる事ながら刀掛けも実際に使われていた物だろう。全て江戸時代のものと思われるが蒔絵のものも、黒漆のものも実に品があり格調高い。

特に短刀掛けは探してみると分かるが非常に少ない。少ないが大名家の物には時々見られる。
紋の配置やデザインなど実に品があり格調高い。
金具の仕立ても非常に丁寧。

以下は黒漆に蒔絵で家紋をあしらったもの。
全て同じデザインだが使用していた場所によって統一していたのだろうか。


・祐乗の「またたきの龍」目貫

ずっと見たかった後藤祐乗の龍目貫。
物吉貞宗の拵に付いており、じっと見ていると龍が瞬きするように見えると家康が「またたきの龍」と名付けた超名品の目貫。
しかし展示では小さすぎて目貫の細部は一切見えない…ダメ元でスマホで撮ってみたがカメラ万歳。立体感と躍動感は心に響くものがある。
しかしやっぱり目は見えず横から覗き込むように龍と目を合わせなければ瞬くかどうかはわからないので展示状態でこれを体験するのは実質不可能だろう。

掟通り胸の鱗は蛇腹になっているが、眉毛は半円のような輪が3つあるのは面白い。祐乗の構図は格式ばった後代後藤に見られない自由奔放な構図があるのでこれもそのうちの1つだろう。

初代後藤祐乗作


・御家名物の2枚の鉄鐔(南泉一文字付帯品)

南泉一文字に付帯していたという2枚の鉄鐔。
どちらも非常に鉄味が良い。
ただの鉄鐔、と思うかとなかれ。
なんと尾張徳川家には刀装具で名物として伝わったものが5点あるが、そのうちの2つ。
それぞれ、あけぼの、残雪、という号が付いている。鐔に号が付いているものを初めて見た。
鉄味は置いておいて似たような鐔は結構刀剣店などでみる。大名家の名刀に付いていた鐔も多いのではないだろうか。


・名物大左文字の刀袋

大きく大左文字と書かれており格好良い。
その上には左文字と書かれた袋。混乱しないよう分けた工夫が見られる。
こういう付帯物への凝り具合も余程大切にしていた事が伝わってくるし、刀袋のデザインとしても刺激をもらえる作。
今なら愛刀に自分で号を付けている人もいるが、似たような刀袋を作ってみても面白いかもしれない。


③本館へ

ここから地獄。本館、つまりメインの刀剣の展示エリアに入るのに40分の行列。(ただし後ろから見る、で良い場合は直ぐ入れる)
平日でこれだから休日の事など考えたくも無いが折角このために来たからには並ばねばならない。
長くなったので本館の様子は明日②にて書こうと思います。

④近くの美味しいパスタ屋さん

約3時間ほどで全て見終わり疲れ果てて徳川美術館敷地内にある宝善亭という日本料理屋へ休憩に向かう。昼ご飯場所も時間短縮のため事前に調べていた。
実に良い林道が。

抜けると…まさかの完全予約制で塞がっている(泣)
イベント開催中の9/7まで予約制だそうで。。
行かれる方はご注意を。

暑さと疲労とショックで気力を失いつつとりあえずそのまま徳川美術館を出て左へ歩いて行く。
すると直ぐにパスタの文字が。

サラダにパン、デザート、ドリンクが付いて1500円(13時以降限定メニュー)。しかも美味しい。
徳川美術館近くにも関わらずガラガラ。
捨てる神あれば拾う神あり…みたいな感じか。
他にも美味しいお店は沢山あるでしょうが、徳川美術館から近いこともあり展示見て疲れた方にお勧めです。



今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

続き

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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