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2025.01.30 国立西洋美術館「モネ 睡蓮のとき」展と常設展(入るまで含めて) その1

前置きになるが、12月は家庭内のよんどころない事情で怒涛の日々だった。1月中旬までに住みかの静岡と東京とをけっきょく8往復して、関係各所と連絡を取り合い対処を行い、少し落ち着いたのが1月下旬。
この日は一段落ついた後の別件で、病院での手続きが必要だったためまた、上京。
なので今回の旅の始まりは、病院最寄り駅の地下鉄虎ノ門駅より始まった。

入るまで


昼過ぎ、コンビニのパンとおむすびを虎ノ門金刀比羅宮の境内にて食べてから、地下鉄銀座線にて上野まで。道中、せっかくなので自分の趣味全開でどこかの展覧会を見て帰ろう、とネットで調べたら、あら、まだモネ展をやっているでは。以前名古屋で大規模な展覧会には行った(1994年4月名古屋市立美術館)が、西洋美術館いつも素通りだったし、たまには大きなハコのイベントも良いか、とオンラインチケットを予約。

かつて、国立西洋美術館に行った記録を見ると以下の通り。
1985年4月 点描の画家たち
1990年5月 プラハ国立美術館所蔵 ブリューゲルとネーデルランド風景画展
1990年9月 ウィリアム・ブレイク展
1992年2月 常設展?
1996年2月 大英博物館所蔵 イタリア素描展
等。少なくとも5回は来ていたらしい。それでもちゃんと中に入るのはおおよそ20年ぶり、ってか?

1月31日までは平日券購入でOK、2月から期日指定になります、とあったのを流し読みして、ならば1月は少しは空いているんだな、との判断でしたが……
12時半頃、ついてビックリ。美術館内外に人がびっしりと並んでいるでは。
「チケットをお持ちの方はこちらの列に2列にお並び下さい~」とスタッフさんが叫んでいる。
誘導の声にぞろぞろとついていくと、なんとまあ、科学博物館のクジラが見えるあたりが最後尾だった。そして最後尾プラカードの文字には「120分」と。とりあえず並ぶ。(黄色い〇のあたりから)

お昼ご飯とトイレをちゃんと済ませていてよかった。それに午後はもう帰宅するだけだったので、特に用事がないのでとことんまでつき合ってみようか、と。空は青く風はなく、少しばかり暖かさも感じる。行列は思ったよりとどまる時間が少なく、ジリジリと前に進んでいる。
美術館に入るのにこんなに長い行列に並んだのは、初めてか。1994年にモスクワのプーシキン美術館に入った時以来かも。でもその時は10分くらいで入れた、と記録にあったが。
並び始めて20分ほどでようやく敷地内に入れた。

地獄の門がお出迎え

並んでいるのは女性対男性で8:2くらい? たまに観光客らしき外国人の方がたも。車椅子の方も2名ほど。たいがいスマホを見ながら、たまに本を読みながら並んでいる人も。ひとり新聞を読んでいるおじさんがいた。
敷地内は自動車学校のクランクもここまでないだろう、という曲がりくねりよう。
近隣の行列客の人相などがだんだんと馴染みになってきた。鼻に管をつけた初老の女性、中国人観光客らしき4人家族、などなど。

常設展のみのチケットは外のテントでも売られていたがほとんど客が来ず、たまに修学旅行生らしきグループが寄っていた。オンラインでクレカ払いでなかったら購入を取り消して常設展だけでも良かった!と後から少し反省するが、まあ敷地内にも入ったのでもう少しがんばろう、と並び続ける。
他にもよく分からない他の列を見かけたがまるで動きがなく、何なのか分からずに(こわくて聞けず)、そのまま見送る。
それにしてもチケット買っていなかったらまず買う所から始まるんだよね……それからあの長蛇の列につくんだよね……と、しみじみ思う。

あまりトラブルもなく、結局1時間ちょっとで館内に入る。
入ってからは階段を降り、入り口でスマホのQRコードをかざしてすぐ内部へ。

「モネ 睡蓮のとき」展


まずは、モネが43歳に移り住んだジヴェルニー村の土地と家屋とを50歳で買い取り、そこを終の棲家と決めた頃の作品が並んでいた。セーヌ河からの景色を同じ場所から時間を変えて何枚も描いたものが並んでいて、時とともに移り変わる空気そのものを感じることができた。
次に睡蓮の池をめぐる木々や花々を何枚も描くようになったらしい。アイリスやアガパンサスなど、池の周辺らしき花々が独特の色遣いとタッチで描かれている。装飾という観点で描かれていたらしい。
次の部屋だけ撮影可能、ということで睡蓮の池(主に水面や漂う空気のような世界)にウェイトのおかれた絵画群で、大装飾画の計画途上で何枚も描かれた睡蓮たちの作品が集められていた。
1994年にブーメラン的旅行でパリに行った時、友人Nのおすすめで行ったのが、この大装飾画に浸れるオランジェリー美術館だった。

1994年秋 わー座ってる。居座っている(笑)
すごいなー、しか言えなかったじぶん

今回は人も多く

こんな感じ
そしてこんな感じ

作品も断片的ではあったが、それでも一枚いちまいの空気感がやはり、半端ない。ちょっと沼臭い風も頬に当たりそうな。

次は、色覚に異状を訴えながらも創作を止めなかった間の作品。色が鮮やかなもの多く、乱雑な筆遣いを繰り返しているようで、じつはデッサンも巧みな上に空間のとらえ方が的確であるため、絵画としてちゃんと成り立っている気がした。
少し離れて見た時にそこにひとつの世界が浮かび上がる、という感覚を覚える。

いや思ったより十分堪能してしまったよ、モネ。途中でカップルの男性が切なげに「これなら全部ホームページに載ってるじゃん!」と小さな悲鳴を上げていたが、まあそう言うな(笑)。人込みも含めてこの『空気』が今の「モネの世界」であり、芸術なのだよ。
と、ちょっと偉そうなことを思ってしまったのであった。

2025.01.30 国立西洋美術館 その2に続く →