その“セブンスコード”、効果的に使えてますか?【DTM講師の小話】
こんにちは!サウンドクリエイターのKawです!
そして、いつも私の記事に「スキ」を押して下さっている方々、ありがとうございます!
私は作曲家、サウンドクリエイターを生業とする傍ら、オンラインによるDTMレッスン教室【かわべの音楽工房】を運営し、DTM講師としても活動しております。
私のプロフィールも含め、【かわべの音楽工房】オンラインDTMレッスン
につきましては、下記の記事をご覧いただけますと幸いです。
さて、今回もまたDTM、というよりも作曲に関するお話をさせていただきましょう。
今回も記事のタイトルにあるように“セブンスコード”についてのお話となります。
また、この“セブンスコード”というものについては、前回このような記事の中でご説明させていただきました。
上記の記事では、“セブンスコード”の音の位置の把握の仕方や、それぞれの種類などについて書かせていただきました。
そして、いくつか種類があるという事は、その使い方ひとつで和音(コード)の印象が大きく変わってきます。
尤も、これは普段から楽曲を制作されている方々やDTMerの皆さんはもちろん既にご存知かとは思いますが。
とはいえ、だからこそ他のテンションコードなどと同様に「いかに効果的に使用するか」という点は、その楽曲の構成に於いて、さらにはその音楽作品の全体の印象に於いて非常に重要となってきます。
私は仕事柄、多くのDTMerの皆さんが制作された音楽作品を常日頃から拝聴させていただいているわけですが、その作品達の中には「その楽曲のその位置のコードに7th(セブンス)は本当に必要なのか?」と、疑問に感じてしまうシチュエーションも決して少なくありません。
なので、既に作曲活動をされている方々だけでなく、これからDTMを始めてみたいとお思いの方などにも何かの参考となれるように、今回もこうしてnoteに記事として公開してみようと思いたったわけですね。
それでは、今回も行ってみましょうか!
その“セブンスコード”、効果的に使えてる?
では、さっそく本題に入って行きましょう。
冒頭でも触れましたが、「そもそもセブンスコードってなに?」という方は一度下記の記事をご覧いただければと思います。
上記の記事でも紹介させていただいていますが、一言で「セブンスコード」と言っても、それぞれいくつかの種類があります。
・セブンス
・メジャーセブンス
・マイナーセブンス
・マイナーメジャーセブンス
・ディミニッシュセブンス
さて、このようにいくつかの種類が存在するセブンスコードですが、それらその役割も各々また違ってきます。
前回の記事と同様に、例としてCコードを基に今回もお話して行きましょう。
①セブンス(通常)
先ずは、通常のセブンスから。
Cセブンスのコードであれば、その構成音は【ド,ミ,ソ,シ♭】となりますね。
一般的なコード表記だと【C7】と書かれます。
ただし、もし仮にCメジャースケールの曲の中でこの上記のCセブンスのコードを使用するには、臨時記号が必要となります。
【シ♭】の音がCメジャースケールの中に存在していないからですね。
なので、これはドミナントの役割を持ったコードにセブンスを追加する、というのが最も一般的な使い方でしょう。
Cメジャースケールの楽曲の中であればドミナントとなる【G】(構成音【ソ,シ,レ,】)を【G7】(同【ソ,シ,レ,ファ】)に、という形です。
この【G7】であれば、構成音の全てがCメジャースケールの中に含まれていますので、臨時記号は必要なく使用できます。
そして、このドミナントにセブンスを付けるというのは、その直後のトニックに向かおうとする力が増し、非常に効果的である為、多用されていますよね。
では「なぜそうなるのか?」「絶対にそうしないといけないのか?」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、その内容については次の項目で詳しくお話しましょうか。
②メジャーセブンス
次にメジャーセブンスの場合。
これは、メジャーコードであるトニック、及びサブドミナントに値するコードであれば、比較的自然に扱う事ができます。
そのスケール内の音だけで作れますからね。
Cメジャーセブンスのコードであれば、その構成音は【ド,ミ,ソ,シ】となり、1度である【ド】の音と、長7度となる【シ】の音が、オクターブを無視すれば半音で隣り合っている関係となります。
一般的なコード表記では【CM7】や【Cmaj7】などと書かれる場合が多いですが、個人的には【C△7】と表記する事も多いですね。
(※全て意味は同じです)
そして、このメジャーセブンスの持つ、独特な浮遊感や幻想的で豊かな響きを欲して使用する、といった事も一般的ですね。
ただし、このメジャーセブンスの持つ豊かな響きを狙って、実際に楽曲内のコードに使用しても、結局は効果的に作用してくれない場合があります。
何故なら、「その他の(メジャーセブンスを付けれない)コードの響きが豊かでない可能性がある」からです。
先ほどお話したように、このメジャーセブンスには独特な響きを持っています。
しかし、それ以外のコードの響きが単調であった場合、その曲中で変化し続けるコード進行の中で、一部分だけ「すっぽ抜ける」ような印象になってしまう事があるのです。
このような纏まりを欠く状況になってしまったら、他のコードの響きもより豊かにしなくてはならないかもしれませんよね。
では、その「他のコード」にはどのようなセブンスコードを使用できるのか、それをこれからお話しましょう。
③マイナーセブンス
ここからはマイナーコードを基にしたセブンスコードとなります。
先ずは、マイナーセブンスから。
これはマイナーのコードにセブンスの音を追加したコードです。
いや、言うまでもなくそのまんまですね(笑)
例えば、Cマイナーセブンスのコードであれば、その構成音は【ド,ミ♭,ソ,シ♭】となります。
一般的なコード表記では【Cm7】と書くのがほとんどかと思いますが、【Cmin7】と書くこともちょくちょくありますね。
マイナーコードですので、3度の音が半音下がり【ミ♭】(短3度)となっていますが、セブンスの音の高さは通常のセブンスコードと同じ【シ♭】(長7度)です。
仮にCメジャースケール内のコードであれば、【Am】や【Dm】、そして【Em】に於いて(臨時記号を使わずに)セブンスを付けると、全てこのマイナーセブンスのコードになります。
【Am7】、【Dm7】、【Em7】といった形ですね。
一般的なポピュラーミュージックであれば、その曲中ではメジャーコードもマイナーコードもごちゃまぜで引っ切り無しに変化していきます。
そのような中で、「メジャーコードにはメジャーセブンスを」「マイナーコードにはマイナーセブンスを(メジャーのドミナントは除く)」と、それぞれ付け加える事によって、その曲全体の印象は大きく変わってきます。
先ほどお話した、「メジャーセブンスコードを用いても部分的に『すっぽ抜ける』」という場合に於いても、このマイナーセブンスを活用すれば解決できるかもしれません。
④マイナーメジャーセブンス
次はマイナーメジャーセブンスです。
が!
前回の記事でもお話したように、このコードは少々トリッキーです。
何せ、付けるそのセブンスの音がそのスケール内に存在し得ないからですね。
この記事では割愛してもいいかな?とも思いましたが、念のため軽く触れておきましょうか。
例によって、Cマイナーを基にメジャーセブンスを加えると、その構成音は【ド,ミ♭,ソ,シ】となります。
Cマイナーメジャーセブンス、というコードネームになりますね。
一般的なコード表記だと【CmM7】や、【CmMaj7】と書く事が多いでしょうか。
では、このマイナーメジャーセブンスというコードについて、もっとわかりやすくする為にCメジャースケール内のマイナーコードで例えてみましょう。
先ずは【Am】を基に【AmM7】(Aマイナーメジャーセブンス)にしてみると、その構成音は【ラ,ド,ミ,ソ♯】となります。
長7度である【ソ♯】の音がスケール内に存在しない音となっていますね。
では、【Dm】を基に【DmM7】(Dマイナーメジャーセブンス)にしてみると、その構成音は【レ,ファ,ラ,ド♯】となります。
これもまた、長7度である【ド♯】の音は、スケール内に存在しない音です。
次は先ずは【Em】を基に【EmM7】(Eマイナーメジャーセブンス)にしてみると、その構成音は【ミ,ソ,シ,レ♯】となり、やはりこれもまた長7度である【レ♯】の音はスケール内に存在しない音となってしまいます。
そして、本来のスケール内に存在しない音が入っているという事から、その響きはやはり不気味です。
このように、マイナーメジャーセブンスというコードは、比較的扱うのが難しいコードであると言えますね。
⑤ディミニッシュセブンス
次はディミニッシュセブンスですが、これまたトリッキーなコードとなりますね。
ディミニッシュ、つまり1度に対して短3度、そして減5度となる3和音が基となります。
例によってCのコードで例えると、構成音は【ド,ミ♭,ソ♭】となります。
そしてその3和音に対して、さらに減7度のセブンスを追加したコードがディミニッシュセブンスです。
同じく、Cのコードを基にディミニッシュセブンスとすると、その構成音は【ド,ミ♭,ソ♭,シ♭♭】となります。
コード表記では【Cdim7】となりますね。
これまでお話したセブンスそのもの種類は長7度と、短7度の2種類でしたが、このディミニッシュセブンスになると減7度という新たなセブンスが出てきます。
そして、このディミニッシュセブンスというコードの響きは非常に強烈で不安定です。
一般的なポピュラーミュージックでは、なかなか扱いが難しい響きとはなりますが、だからこそそこを逆手に取ったような上手い使い方をされている方もいらっしゃいますね。
また、このディミニッシュセブンスは、その構造上さらに音を追加したテンションコードとする事ができない、という点も特徴ですね。
(詳しくは前回の記事にて)
⑥マイナーセブンスフラットファイブ
前回の記事では余談のように書かせてもらってましたが、今回はこのマイナーセブンスフラットファイブにも触れておきましょうか。
こちらのコードは、そもそもセブンスを除くとマイナーフラットファイブというコードになり、さらにその構成音はディミニッシュと同じものになります。
Cのコードをマイナーフラットファイブにすると、構成音は【ド,ミ♭,ソ♭】ですので、やはりディミニッシュと同じですね。
ただし、セブンスを付けると話は変わってきます。
先にお話したように、Cのコードを基にディミニッシュセブンスとすると、その構成音は【ド,ミ♭,ソ♭,シ♭♭】でした。
減7度というもう一つのセブンスになっていましたよね。
では、件のマイナーセブンスフラットファイブだとどうなるか?
同じく、Cのコードを基にマイナーセブンスフラットファイブとすると、その構成音は【ド,ミ♭,ソ♭,シ♭】となります。
ディミニッシュセブンスとは違い、こちらのセブンスの音の高さは短7度、つまり(通常の)セブンスやマイナーセブンスと同じ音がセブンスとなるのです。
これこそが、ディミニッシュセブンスとマイナーセブンスフラットファイブの違いです。
因みに、コード表記では【Cm7-5】や【Cm7♭5】と書かれますね。
また、このマイナーセブンスフラットファイブの場合、ディミニッシュセブンスとは違い、さらに音を追加したテンションコードを作る事も可能だという点も大きな特徴のひとつですね。
なので、私はこのマイナーセブンスフラットファイブの方が扱いやすく好みだったりもします。
ドミナントにはセブンスを「付けないといけない」と思ってない?
セブンスコードを語るとなると、その多くはやはりドミナントに使用するという話になるでしょう。
それが、セブンスコードの最も一般的な使い方になりますからね。
ただ、「絶対に付けないといけない」というわけではありませんし、そういった説明は鵜呑みにされないほうがいいと私は考えます。
実際、過去に私が拝見した理論書や、DTMに関するブログなどで「ドミナントにはセブンスを“付けないといけない”」と書かれているのを目にした事があります。
だからこそ、ご自身の楽曲の中で“そうしている”方もいらっしゃるのかもしれません。
でも、それって本当に効果的に扱えているのでしょうか?
少し掘り下げて考えてみましょう。
例えば、【C,F,G,C】というコード進行があったとします。
Cメジャースケールのカデンツですね。
このの中の何れかひとつのコードにセブンスを付けるとすれば、【G】を【G7】とするのが一般的でしょう。
【C】はトニック、【F】はサブドミナントで、【G】はドミナントですから、これはある意味当然だと言えます。
【G】を【G7】とする事により、コード内の【シ】の音、つまり導音に加えて、下属音である【ファ】が追加された事により、より“強く”トニックに向かう力が増えるのがその理由です。
ただし、これはあくまで理屈上の話です。
結局のところ、「セブンスを付けるか付けないのか」は、作曲者本人が決める事です。
例えそのコードがドミナントであっても、「セブンスを付けないほうが良い」というシチュエーションも、楽曲制作の中ではよくある事です。
だからこそ、私が目にした「ドミナントにはセブンスを“付けないといけない”」という説明は、少々乱暴すぎだと思っています。
それは何故なのか?
別の例を基に、さらに掘り下げて考えてみましょう。
では、別の例として【C,G,F,C】というコード進行があったとします。
この場合も先ほどと同様に、ドミナントである【G】を【G7】に置き換えてみるとどうなるのか。
楽器やDAWなどをお持ちの方は、実際に鳴らしてみて下さい。
ちょっと変じゃないですか?
もしも本当にセブンスを“付けないといけない”のであれば、上記のコード進行だと、このように違和感が生まれます。
そして、この違和感はコード進行がさらに長くなるに連れて、よりわかりやすく感じられるかと思います。
では、これは何故なのか?
尤も、これは「ドミナントの先がサブドミナントになっているから」という点にお気づきいただいている方であれば、問題ありません。
そういった方であれば、ドミナントに於けるセブンスも既に効果的に扱えている事でしょう。
ですが、そうでない方の場合、この「ドミナントにはセブンスを“付けないといけない”」というどこかの誰かの言葉を鵜呑みにし、曲中で出てくるドミナントのコード全てに、律儀にセブンスを付けてしまっている場合があります。
既にこの事を理解されている方からすると「そんな人いるの??」と思われるかもしれませんが、私の耳にする範疇では意外と結構いらっしゃいます。
特に、ピアノソロやオルゴール曲などの比較的少ない楽器編成の楽曲となると、この傾向が強まると感じています。
楽器数が少なく、つまり音数が少ない楽曲に於いて、少しでも和音を豊にする事を狙っての事なのでしょうが、これは効果的ではないと言えるかと思います。
何故なら、ドミナントのコードは、トニックのコードへ向かおうとする力があります。
そしてその力は、セブンスの付いたドミナントであればより強くなります。
これは先にお話した通りですね。
ですが、その「力が強くなったドミナント」の行き先が、本来向かおうとするトニックではないコードの場合、そこに違和感が生まれてしまうのです。
行き先がトニックでない限りドミナントにセブンスを付けても、結局はその進行の“流れ”に悪影響を及ぼしてしまいかねないのです。
(尤も、意図的にそうしている楽曲も多くありますが)
さらには、逆に曲中の全てのドミナントにセブンスを一切付けていない楽曲も多くあります。
セブンスの付いたドミナントの「いかにも感」を嫌っての事でしょう。
私も、楽曲のジャンルによってはよくやります。
「ここのドミナント、セブンスいらなくね?」なんてシチュエーションは良くありますし、そもそも初めから付けない事すらありますからね。
このように、ドミナントにセブンスを付けるかそうでないかは、作曲者本人が選択するものであり、「絶対に付けないといけない」というものではないと私は考えます。
また、仮にセブンスを付ける場合であっても「本当にそれが効果的に作用するのか?」さらには「なぜそれが効果的に作用するのか?」という点を把握しておけば、これらのセブンスコードをより上手く扱う事ができます。
セブンスコードは、比較的「作曲入門編!」というイメージが付き纏ってしまっているという印象を私は持っていますが、実際はそれだけでもその扱い方は奥が深いものです。
今一度、この“実は入門編ではない”セブンスコードというものに、理解を深めてみてはいかがでしょうか?
最後に
さて、前回の記事に引き続き、今回もセブンスコードについてのお話をさせていただきました。
一見、「作曲入門編!」だと思われているようなこのセブンスコードですが、今一度こうして思慮を深めてみるのも、この手のコードを上手く扱う上では必要な事だと思います。
また、いつになるかはわかりませんが、さらに音を追加したテンションコードの付いてもお話できるといいですね。
私の大好きな9thや13th(6th)についても、もっともっとお話しさせていただきたいな、と感じました。
(※11thの事が嫌いなわけではありませんが笑)
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