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読書記録「本なら売るほど(3)」

川口市出身の自称読書家 川口竜也です!

今回読んだのは、児島青さんの「本なら売るほど(3)」KADOKAWA/エンターブレイン(2026)です!

児島青「本なら売るほど(3)」
KADOKAWA/エンターブレイン

・あらすじ

年若いひっつめ髪の店主が営む、街の小さな古本屋「十月堂」。
棚作りに工夫を凝らしたり、厄介な来訪者に悪戦苦闘したりしながら、今日ものんびり営業中です。
人の手を渡り、時を超え、今なお次なる読み手を待っている本のために。

KADOKAWA公式より抜粋

2026年の「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」で大賞・1位を獲得するなど、今や爆発的な人気を誇っている漫画の第3巻。

4月15日の発売日が待ち遠しく、仕事終わりに最寄りの三省堂書店で購入してきた次第。

ずらっと並んだ背表紙が、「持ち主はこういう人です」って本人以上に雄弁に語るんです。

同著 108頁より抜粋

シリーズを通して、物語は古本屋「十月堂じゅうがつどう」の店主とお客さんたちが描かれている。

だけど、人々の物語でありながら、その中心には必ず本がある。

かわいい猫に癒されたかったのに、上野瞭の「ひげよ、さらば」で天啓を得るムード歌謡歌手。

親に秘密の背伸びをするために、大島渚の「愛のコリーダ」を眺めに来る小学生5人組。

幼い頃に亡くなった母の面影を、サン=テグジュペリの「夜間飛行」から思い浮かべたり。

人生で一度くらい、「あなた、夜間飛行がよくお似合いね。」なんてキザなセリフを言ってみたいものである。

十月堂うちで本を買ってくれるお客さんが、それぞれの本棚を作ってくれることで、"俺の"本棚も無限に広がっていくような気がしてるんです。

同著 112頁より抜粋


第17話「春の終わり」では、単行本第1巻(第6話)に登場する 「モモビの青木まり子」こと南太郎が主人公である。

ご存知。美大の卒業制作にて、古本を縛り、破り、メディウムで固めた『バベル』を作り上げた張本人だ。

無惨にも積み重なった古本の塔。見開きを開いた瞬間、あの衝撃は未だに忘れがたく。

無論、自分が買った本をどのように使おうと、その人の自由である。ボロボロになるまで読もうが、綺麗なまま売ろうが、人それぞれだ。

だけど、本を、何より人様の作品を、意図的に汚す行為を見て、本好きならば、心を痛めるに違いない。

とは言え、これはあくまでも「読者」の感覚なのだろう。実際に「本を売る」側になれば、考え方も変わるかもしれない。

店に置く本を生かすために、泣く泣く死んでもらう本がいっぱいあんの。僕らは商売のためにそうする。芸術家は表現のためにそうしなきゃいけなかったんでしょ? 同じだよ。

同著 149頁より抜粋

話は逸れるが、地元にまだ残っている古本屋さんがある。

今どきのセレクト・ブックショップのような洒落た本屋さんではなく。小説から漫画、ビニール本・・・・・まで扱う雑多な古本屋である(地元の古本屋なんてそんなもん)。

何度か通っているうちに仲良くなって、たまに店主と話し込むことがあるのだが、売れない本はいつまでも売れないと。

その古本屋は、ビニール紐で結ばれたまま床に置きっぱなしの本も多く、埃を被って触るのも抵抗があるような場所もある。

いっそのこと、私が全部買い取ってやろうかと思うけれども、今更全巻そろえたところで、次に読むのはいつのことやら。

そうこう考えているうちに、気になっていた本は可燃ゴミと化す。そして、新しい本が並んでいる。

そういうものだ。そうでもしないと、お店が回らない。

古本屋さんの店主なんて憧れる。けれども、憧れだけで店舗経営はできない。

なかなか難しいものですわ。

ただ俺が言えるのは、ジョージさんみたいなタイプの愛書家には、古本屋になるのはお勧めしないってことすかね。

同著 112頁より抜粋

とは言え、私たちの本棚も有限であるがゆえに、時には捨てねばならない本もある(電子書籍なら解決するかもだけれども)。

ある意味、その本は「お役目を果たした」と言えるし、捨てるからこそ、新しい本を迎え入れられるのも事実。

そう思って、1冊1冊を、作品一つひとつを大切にしているだろうか。

本読みの心理は複雑なのさ。心ない人に買われるくらいなら、心ある人に捨てられたい。

同著 第1巻 33頁より抜粋


正直、1巻が刊行されたばかりの頃から追っていた漫画ゆえに、ここまで人気になると、嬉しいような、悲しいような。

やれやれ。読書好きってのは、やはり複雑で面倒くさいものです。それではまた次回!


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川口 竜也 / 川口市出身の自称読書家 今日もお読みいただきありがとうございました。いただいたサポートは、東京読書倶楽部の運営費に使わせていただきます。