メタル君の「今日の精神医学豆知識!」(631)-(635)
皆様、こんにちは。鹿冶梟介(かやほうすけ)です😆
小生が住んでいる地域では珍しく、先週は雪が積もりました⛄
雪に慣れていない地域性からか、市内は大渋滞でした。
小生はいつも早朝に家を出るため渋滞には巻き込まれませんでしたが、真っ白になった路面をノロノロと、恐る恐る車を走らせました🚙
途中、動けなくなっている車を何台か見かけ、「本当に病院にたどり着けるのだろうか...」と不安になりましたが、どうにか無事に到着することができました!
しかし、病院スタッフの多くが積雪の影響で通勤できず、病院としては必要最低限の業務を行う状況となりました。
特に外来については、担当医師が来られなかったため、小生が代医として短縮診察や処方のみの対応を行いましたが、ほとんどの患者さんが「それなら仕方ないですね」と快く受け入れてくださいました。
これは小生の経験ですが、天候不良に起因する不便や不都合に対して、患者さんたちはとても寛容な印象を受けます。
ひょっとすると、日本人が台風や地震といった自然災害に慣れているためかもしれない...などと思う今日この頃です。
メタル君の「今日の精神医学豆知識!」は、X(旧: twitter)で毎朝8時にアップしております。
X(旧: twitter)民の皆様も、X(旧: twitter)では語りきれなかった【メタルのおまけ】がございますので、ご興味があれば本記事を是非お読みください!
【今日の精神医学豆知識集!(その127)】
631.医療観察法とは「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」という超長い正式名称を持つ法律だよ。重大な他害行為とは殺人、放火、強盗、不同意性交、傷害等だよ。この法律の目的は触法精神障害者に適切な治療や処遇を行うことだよ。
【メタルのおまけ】
医療観察法の成立の背景には悲劇的事件があったからだよ。みんなも知っていると思うけど、附属池田小事件がきっかけなんだよ。2001年に起こった無差別詐称事件で8人もの子供が殺害されたんだ。犯人の宅間守は精神科に何度も入院していたけど、退院後にフォローするシステムが当時はなかったんだよね...。この件についてはいつか鹿冶さんがnoteで紹介する予定だよ。
↓犯人の宅間守の精神鑑定書です。
632.医療観察法では重大な他害行為を行った患者が心身喪失を理由に不起訴あるいは無罪になった場合、検察官が地方裁判所に申し立てするよ。すると裁判所は裁判官と精神保健審判員(精神科医)の合議体を作り、医療観察法の適応の要否を判断するよ。
【メタルのおまけ】
補足すると、この合議体が精神保健参与員と鑑定医を指名するよ。鑑定医は当然精神鑑定をするんだけど、このほかに社会復帰調整官が指名され、対象者の生活環境を調査するよ。そして精神保健参与員、鑑定医、社会復帰調査官、付添人、検察官からの意見聴取に基づき裁判官と精神保健審判員が処遇を決定するよ(入院、外来、不処遇、却下)。
↓昔の精神鑑定書集ですが、貴重な資料ですね。
633.昨日紹介した医療観察法の要否を判断する精神保健裁判員には推薦基準があるよ。精神保健指定医の資格を得てから5年以上経過している者で、精神保健福祉法第27条第1項に基づく診察(22-26条に該当する指定医診察)を直近2年間で1件以上行ったもの...とされているよ。
【メタルのおまけ】
精神鑑定医には知り合いも多いけど、精神保健裁判員については知人のなかではいないね...。これは精神保健裁判員には評議の内容について守秘義務が課せられて、その罰則が定められているからだよ。うっかり飲み会で「精神保健裁判員やってさ〜」なんて言うと絶対いろいろ聞かれて面倒だから、多分だれも言わないんじゃないかな?ちなみに鑑定医は「俺、○○事件の鑑定をやったよ〜」と言う人は結構いるね。
↓精神鑑定の初学者向けにおすすめです。
634.医療観察法処遇審判の申し立てがあると犯罪を犯した精神障害者は"鑑定入院"するよ。期間は2ヶ月以内で(延長1ヶ月可)、疾病性、治療反応性、社会復帰要因を評価するよ。刑事責任能力鑑定のための鑑定入院とは違い積極的な治療を行うよ。
【メタルのおまけ】
このように医療観察法における鑑定入院は治療・社会復帰を目的とするけど、刑事責任能力を調べる鑑定入院においては処方は最小限にするよ。その理由は、鑑定中に病気が寛解しちゃうと「責任能力あり」とみなされる可能性があるからだよ。犯行当時の状態に近い精神現症を評価しないとフェアじゃないからね。
↓司法精神医学についてかなりわかりやすく解説しております。
635.医療観察法の処遇審判により入院処遇が決定されると指定入院医療機関に入院して専門的な治療を受けることになるよ。入院期間に法的な制限はないけど、通算で1年半ぐらいが標準的な入院期間だそうだよ。ちなみに通院処遇の場合は通院期間は3年間だよ。
【メタルのおまけ】
通院処遇は原則3年だけど、裁判所の判断によって最大5年まで延長することがあるよ。でも5年経っても症状が落ち着かない場合はどうするって?それは、他の患者さんと同様に自分の意思に基づいて通院を継続するよ。でも、本人が「通院しない」と言ったらどうなるんだろうね...。おそらくここまでが医療と司法の限界なんじゃないかな?
↓未読ですが、今度購入しようかと思っています!
【メタル君の考察】
今回は「医療観察法」に関してツイートしたよ!
前にも書いたけど、この法律は8名の児童の犠牲のうえに成り立ったことを忘れては絶対だめだよ。
また鹿冶さんがシリーズ「犯罪と精神医学」で付属池田小事件の犯人について考察する予定があるみたいなので、是非みんなも勉強してみてね。
これからもマニアックな精神医学ネタをガンガン提供するぞ😆
↓ドラクエ3のラスボス「ゾーマ」のメタリックなフィギュアです。ちょっとほしいかも?
【X(Twitter)】
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私について(自己紹介):鹿冶梟介(かやほうすけ)|鹿冶梟介(かやほうすけ) @kayahosuke #note https://t.co/Jk47SAeCB7
— 精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ) (@kayahosuke) March 22, 2022
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